※この記事は2020年8月9日に掲載されたものです。

07:プラチナ、パラジウムなど他の貴金属投資とは?

どんな商品?

 金以外にも貴金属は活発に取引されています。プラチナやパラジウム、銀などの貴金属も、金と同様、さまざまな手法で投資ができます。

 貴金属は、魅惑的な輝きで人間を魅了します。そして、一定の強度がありながら加工しやすい、熱や電気を通しやすい、触媒作用があるなど、化学的に優れた物質であるため、わたしたちの生活の身近で幅広い分野で、活躍しています。

 具体的には、アクセサリーなどの宝飾品、自動車の排ガス浄化装置や電子製品の電極などです。このような、宝飾や工業向けの需要は、景気動向に影響を及ぼす傾向があります。このため、貴金属の価格も、景気動向に影響を受ける場合があります。

 以下、具体的な貴金属の特徴などを解説します。

プラチナ

【特徴】宝飾需要よりも、産業用需要の方が多い
【鉱山生産】70%以上が南アフリカで生産されている
【需要】約70%が産業用に使われている。自動車排ガス浄化装置、電子部品など。宝飾需要は約27%
【価格変動要因】自動車排ガス浄化装置向けの需要は全需要の約40%。欧州のディーゼル車の生産台数や、環境規制の動向に影響を受ける
【メリット】2008年のリーマンショック後の安値と同水準にある。長期的にみて安値圏にあるとみられる
【リスク】2015年に発覚したフォルクスワーゲン問題(世界屈指の自動車メーカーである同社が、違法な装置を使い、排ガステストを潜り抜けていた問題。同社やディーゼル車への信用が一時的に低下した)後、価格が大きく上昇したことがない。
【例えばこんな銘柄】純プラチナETF(1541)、WisdomTree 白金上場投資信託(1674)、ABRD ST PLTN ETF(PPLT)、国内商品先物(プラチナ)

パラジウム

【特徴】需要は、ほぼ産業用。
【鉱山生産】約39%がロシア、約37%が南アフリカで生産されている
【需要】約93%が産業用に使われている。自動車排ガス浄化装置、電子部品など。宝飾需要は約2%。
【価格変動要因】自動車排ガス浄化装置向けの需要は全需要の約80%。新興国のガソリン車の生産台数に影響を受ける。
【メリット】価格上昇時、勢いがつくと、貴金属の中でも短期的に上値を伸ばす傾向がある。
【リスク】貴金属の中で、最も売買の規模が小さい。このため、上昇時は上値を伸ばしやすいが、下落時は他の貴金属に比べて下落率が高くなる場合がある。
【例えばこんな銘柄】純パラジウムETF(1543)、WisdomTree パラジウム上場投資信託(1675)、ABRDN ST PAL ETF(PALL)、国内商品先物(パラジウム)

【特徴】需要の半分は産業用。宝飾需要は20%程度。 (2018年)
【鉱山生産】約23%がメキシコ、約16%がペルーで生産されている
【需要】約56%が産業用に使われている。電子部品、太陽光パネル、はんだ、写真フィルムなど。特に近年は、写真フィルム向けの需要は減少傾向だが、太陽光向けパネル向け需要が増加傾向にある。
【メリット】この1年程度、金やパラジウムのような大幅上昇にはなっておらず、比較的安値圏で推移している。
【リスク】日本では、4つの貴金属のうち、最も人気があるのは金で、次はプラチナである。銀はその次で注目を集めにくい側面がある。
【例えばこんな銘柄】純銀ETF(1542)、WisdomTree 銀上場投資信託(1673)、iシェアーズ シルバー・トラスト(SLV)、ABRD ST SILV ETF(SIVR)、国内商品先物(銀)、海外商品先物(銀、ミニ銀)

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