新年度の業績予想は控えめか

 株式市場の注目は、1ー3月業績(実績)よりも、新年度(2025年3月期)の業績(会社予想)の方に集中しています。1-3月期の実績が好調でも、新年度の業績予想が低いと失望される可能性があります。

 例年見られることですが、日本企業は、期初に控えめ(低め)の予想を出して、後から上方修正していく傾向があります。今年も、不透明要因がたくさんあるので、期初は低めの予想が出ると思います。期初の予想が低めであることが嫌気されるリスクについては、「決算リスク」として意識しておく必要があります。

 今日は、これから本格化する3月決算について書いていますが、実はその前、4月中旬に2月期決算企業の決算発表があります。2月期決算には、リオープンで業績が改善しつつある小売業がたくさんあります。新年度(2025年2月期)の会社予想も小売業は良い数字を出すと考えられます。小売業のみ、期初から高めの予想を出す傾向があります。

米国の景況:日本より低い、製造業が持ち直す

 日本に比べると、米国の景況は低調です。それでも、3月の製造業景況が持ち直したことから、米景気がソフトランディングに向かう可能性が高まったと解釈されました。

<米ISM景況指数の推移:2018年1月~2024年3月>

出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成

 米国は2021年にコロナ禍からのリオープンによる消費爆発があり、消費が過熱して深刻なインフレが起こり、今はその反動で消費減速中です。一方、日本は、リオープンが遅れ、長らく低迷していた消費が今、やっと盛り上がりつつあるところです。リオープンのタイミングの差が、景況の差に表れています。