危うい債券信仰、債券なら安全とは限らない

 2008年9月、米国の大手投資銀行リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが経営破綻しました。それをきっかけに世界中で株が暴落しました。リーマンショックといわれる危機の勃発です。

 この時、同社が発行していたサムライ債(円建て外債)がデフォルト(債務不履行)となり、日本の個人投資家にも大きな損失が生じました。

 出たばかりの退職金のほとんど全てをリーマン債に投資していた人もいました。なぜ、大切な老後資金をそのような危ない投資につぎ込んでしまったのでしょうか。

「老舗の大手金融機関の発行だったから投資してしまった」ということでしたが、それだけが理由ではありません。債券だったから、しかも円建てだったから、確定利回りと誤認して安心して大金を投じてしまったということだと思います。