ドル金利上昇を受けて円安(ドル高)進む

 円安に歯止めがかかりません。ドル金利上昇を受けて、1ドル=154円台をつけています。

ドル/円為替レートと、米2年・10年金利の動き:2022年7月1日~2024年4月17日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 ドル/円を動かす最大の要因は、ドル金利です。

【1】ドル金利が上がるとき、ドルが買われ円安(ドル高)になります。
【2】ドル金利が下がるとき、ドルが売られて円高(ドル安)になります。

 厳密に言うと、ドル/円を動かす最大の要因は、日米金利差です。日本の金利がこれまでほぼゼロ近辺に固定されていたので、ドル金利がほぼ日米金利差になっていました。

 ところが、最近、少し日本の10年金利が上昇しています。昨年までゼロ近辺に固定されていたのが、最近は0.9%近くまで上昇しています。円金利の動きも、少しずつドル/円為替レートに影響を及ぼすようになりました。

【3】円金利が上がるとき、円が買われ、円高(ドル安)になる傾向が出てきました。
【4】円金利が下がるとき、円が売られ、円安(ドル高)になる傾向があります。

 ドル/円を動かす要因は、たくさんあって分かりにくいですが、金利に注目すればシンプルです。日米金利差が開くときは、円安(ドル高)。日米金利差が縮小するときは、円高(ドル安)と考えていれば、だいたいその通りに動いています。

 もちろん、ドル/円が、それ以外の要因で動くこともあります。短期的に金利差と異なる方向に動くこともあります。それでも、長期の目線で見れば、金利差が為替の動きの背景にあることが分かります。