レーザーテック(6920・東証プライム)

 マスク検査装置でトップシェアを誇っています。とりわけ、EUV(極端紫外線)マスクブランクス欠陥検査装置では世界100%のシェアを持ち、オランダのASMLが手掛けるEUV露光装置にも唯一対応できる企業です。EUV露光装置のステージアップに対応する次世代機の開発も順調に進捗(しんちょく)のもようです。東京市場では売買代金が連日トップ水準となっています。

 2024年3月期経常利益の市場コンセンサスは691億円で前期比8.5%増の予想、会社予想は670億円です。2025年3月期のコンセンサスは1,190億円で同72.2%増となっています。

SCREEN(7735・東証プライム)

 半導体洗浄装置の世界最大手企業です。一度に多数のウエハーをまとめて洗浄する「バッチ洗浄装置」では世界過半のシェア、ウエハーを1枚ずつ洗浄する「枚葉洗浄装置」でも4割近いシェアを占めるトップ企業です。TSMC向けの構成比が相対的に高いとされており、TSMCの熊本工場新設によるメリット期待は高いとみられます。

 2024年3月期経常利益の市場コンセンサスは913億円で前期比18.0%増の予想、会社予想は885億円です。2025年3月期のコンセンサスは1,015億円で同11.2%増となっています。

ローム(6963・東証プライム)

 特定の目的や製品向けにカスタマイズされたLSIに強みを持つ半導体メーカーです。東芝への出資リスクも警戒され2023年以降の株価は低調推移ですが、ファイナンスを発表したことであく抜け感は今後強まるでしょう。パワー半導体分野に注力中。Sic(シリコンカーバイド)パワー半導体では国内トップで世界的にも10%強のシェアを占め、東芝と生産で連携しています。

 2024年3月期経常利益の市場コンセンサスは686億円で前期比37.3%減の予想、会社予想は640億円です。2025年3月期のコンセンサスは668億円で同2.6%減となっています。

東京応化工業(4186・東証プライム)

 日本企業がシェア9割を占める感光材料のフォトレジストにおいて、JSR(4185)とトップを争う半導体材料メーカーです。半導体材料は日本企業が強みを持つ分野であり、世界的な「半導体囲い込み」の流れの中で注目度が高いといえます。

 JSRが産業革新投資機構のTOB(株式公開買い付け)実施で非公開化の予定であり、株価的にはJSRからの資金シフトも目先期待できるでしょう。

 2024年3月期経常利益の市場コンセンサスは312億円で前期比28.6%増の予想、会社予想は277億円です。2025年3月期のコンセンサスは361億円で同15.9%増となっています。

マクニカHD(3132・東証プライム)

 独立系の半導体商社で、2015年にマクニカホールディングスと富士エレクトロニクスが経営統合して設立しました。2024年3月にはグローセルをTOBで子会社化しています。

 日本国内におけるエヌビディアの正規代理店ですが、2022年度は国内代理店の中でもトップの実績を上げて「Best Distributor of the Year」を受賞し、エヌビディア関連としての位置付けが高い銘柄といえます。

 2024年3月期経常利益の市場コンセンサスは620億円で前期比9.1%増の予想、会社予想は628億円です。2025年3月期のコンセンサスは645億円で同4.0%増となっています。

TOWA(6315・東証プライム)

 モールディング装置(樹脂を封止する装置)のトップメーカーで、世界約3分の2のシェアを占めているようです。DRAMが積層化されているHBMでは、層間まで隙間なく樹脂を浸透させる技術が求められますが、同社の真空コントロール技術はそれを可能とさせます。

 HBMメーカーの韓国SKハイニックスやサムスン電子向けに、2023年夏ごろから需要が急激に伸びているようです。

 2024年3月期経常利益の市場コンセンサスは85億円で前期比16.6%減の予想、会社予想は81億円です。2025年3月期のコンセンサスは128億円で同51.4%増となっています。