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チャンピオンというのは、高みに到着するまでプレーを続けるものです - キング夫人(プロテニス選手)

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 FOMC(米連邦公開市場委員会)は3月19から20日に開催した定例会合で、主要政策金利であるFF金利を5.25-5.5%の範囲に据え置くことを決定した。決定は全会一致。金利据え置きは5会合連続となる。

 FOMCは、2020年3月以来となる利下げを今年踏み切る方針に変わりがないことを示唆した。FOMC参加者の予測中央値(ドットチャート)によれば、2024年に0.25ポイントの利下げを3回実施すると予想している。これは昨年12月の予想と同じだ。

 しかし内訳をみると利下げ0.50ポイント支持は9名、0.75ポイント支持は10名と僅差で、メンバーの1名でもタカ派に転向したならば、利下げは2回に変わってしまう。2025年の利下げ回数については3回と、昨年12月時点での4回から減っている。

 そもそも、ドットチャートは、単なる平均であってFOMCメンバーの総意ではない。数名が予想を変えただけで簡単に利下げが減ったり増えたりするのだ。来年の利下げ回数の減少は、FRBがインフレ抑制のためにタカ派に構えているというよりも、アメリカ経済が高金利に耐えられるほど強いと捉えるべきなのである。

 FOMCは3月の会合で、コアインフレ率については2.6%と従来予想(2.4%)から引き上げ、成長率についても2.1%と従来予測(1.4%)から引き上げた。24年の失業率については4%と、従来予測(4.1%)から若干引き下げた。

 政策金利は据え置きで中立だったが、ドットチャートはタカ派的だった。しかし、パウエルFRB議長の記者会見が始めると、一転してハト派的な雰囲気になった。パウエルFRB議長は1月と2月のCPI(消費者物価指数)が上昇したことについて、インフレ率が下がる道は平坦ではないとして、最近のデータで政策方針を見直すことはしないと語った。

 パウエル議長は、会合から会合の間に事態は起こり得るとして、もし成長率が大幅に鈍化すれば、利下げに踏み切る可能性があると述べた。パウエル議長は、5月利上げの可能性も完全に否定していない。

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出所:楽天証券作成