クイズの正解:売るならさらに値下がりリスクがあるA社

 正解:A社を売るべき。株価チャートを見ると、A社はさらに値下がりするリスクがあります。

 B社は、売るべきではありません。株価チャートを見ると、さらに値上がりする可能性があります。投資のための余裕資金があるならば、B社は買い増ししても良いと思います。

 A社は、売買高が急増して、株価が急落しています。なんらかの悪材料によって、投資家が大急ぎで売り始めたのが分かります。まだ下げ始めて日が浅く、売り材料は新しいので、ここからさらに売りが増えて値下がりするリスクが高いと思われます。

 B社は、売買高が急増して、株価が急騰、高値を更新しています。なんらかの好材料が出て、投資家が大急ぎで買い始めたのが分かります。まだ急騰して日が浅く、買い材料は新しいので、ここからさらに買いが増えて値上がりする期待があります。

チャートから、戦況を読む

 A社とB社の株価チャートを買い手と売り手の戦(いくさ)に見立てて説明します。売買高は、戦っている兵の数を示します。

 まず、A社チャートをご覧ください。当初買い手が売り手を圧倒、売り手は負け続けてどんどん逃げていきました。その内、追手が減り、戦線は膠着(こうちゃく)しました。そこに突然、新手の売り手大軍が現れて一気に買い手をたたきつぶしたところです。戦況は一変し、買い手が必死に逃げていくところを、売り手が猛追しています。

 さてこの状況で、あなたがどちらかの味方として参戦するとしたら、どちらに付きますか。売り手に付いた方がいいのが、分かるでしょう。

 B社はその逆です。戦線が膠着したところで、突然、新手の買い手大軍が現れて、売り手はさらに奥地へ必死に逃げていくところです。ここで参戦するならば、買い手に付いた方が有利でしょう。

悪い銘柄ばかり残す「悪いクセ」

 それでは、冒頭の問いに戻りましょう。日経平均が急騰しているのに、保有銘柄が全然値上がりしていないとしたら、原因は何でしょう?

 いい銘柄はさっさと売り、悪い銘柄ばかり残す「売買パターン」が原因のことがあります。「利益確定を優先し、損切りを遅らせる」売り方が問題です。今日のクイズで言うと、B社を利益確定売りして、A社を残すような売買を繰り返していると、手元に悪い銘柄ばかり残ります。

 個人投資家に非常に多いのが、利益確定を急ぎ、損失確定を遅らせる「悪いクセ」です。売買する時は、利益確定であるか、損切りであるかに関係なく、悪い銘柄を売って、良い銘柄を手元に残すようにしましょう。

「利益確定は遅く!損切は早く!」肝に銘じてください。