ドケチ生活を徹底し、3年で2,000万円貯めた

──では、本格的に投資を始めたのはいつ頃ですか?

 大きなきっかけは「結婚」です。独身時代は、毎月の給与をすべて使ってしまうような生活を送っていたのですが、家庭を持ったからには貯蓄もしなければならないだろうと。で、妻と話し合い「いっしょにお金持ちになろう!」と一致団結し、さしあたって1,000万円の貯蓄を目指しました。そうしたら3年後に1,000万円どころか2,000万円も貯まり、その一部を元手に本格的に投資を始めました。

──3年で2,000万円はスゴイ! お二人とも高収入だったのでしょうか?

 いえ、私も妻も年収は世間並みだったと思いますよ。

──では、どうやって?

 毎月の収入は決まっているわけですから、当然、支出を切り詰めるしかありません。要するに「ドケチ生活」を徹底したんです(笑)。

──たとえば?

節約時代の愛読書は主婦雑誌の『すてきな奥さん』だったというエナフンさん。 「毎月購読して、実行できる節約術をすべて実行しました(笑)。100円均一のグッズを駆使したり、節約レシピで料理したり……。お金が貯まらない、という人にオススメです。2,000万円なんて、あっという間に貯まりますよ!」

 買い物はチラシを比較して1円でも安い店に行くとか、閉店間際に半額のシールが貼られてから買うようにするとか、できることは何でもやりました。パックいっぱいに詰められた魚のアラを100円で買ってきて、何日かしのぐなんてこともありました。あと昼食も社員食堂で白飯とイワシ1品だけで済ませたり。

 これを何日か続けていたら、ある先輩に「メザシの土光さんのようだな」とからかわれたのを覚えています。土光さんというのは、日本経済団体連合会第4代会長で、生涯、質素な生活を貫いたことで知られる故・土光敏夫氏のことです。そんなスゴい人になぞらえるのなら、ドケチも悪くないなと自分で納得したりしてました(笑)。

──好きだったギャンブルもやめた?

 もちろんです。あと当時は地方勤務だったため車を持っていましたが、それも15年落ちの中古車を知人からタダで譲り受けて乗っていました。

──そういう暮らしを送っていて虚しくなるようなことはなかったですか。

 それが案外、なかったんですよ。むしろドケチに徹することがだんだんと楽しくなってきました。何しろ、みるみるお金が貯まっていくわけです。通帳は数カ月に1度しか見ませんでしたが、見るといつも何百万円か増えているので、「よし、もうひと踏ん張りしよう!」とさらにやる気が湧いてきたりして。悲壮感はかけらもなかったですね。

──それにしてもその気になれば貯まるものなんですね。

 絶対に貯めるんだという気持ちがあれば、誰でも貯められると思いますよ。私たちの場合は夫婦2人で働いていたし、会社から住宅費の補助などもあったため、2,000万円貯めることができましたが、ひとり暮らしの人でもある程度は貯められるはずです。本屋に行けば節約や倹約をテーマにした本がいくらでもあるし、ネットでもその手の記事は多いので、それらを参考に試してみるといいと思います。