コロナ禍で進んだ意識改革をもとに、医療、生保、ライフラインから選んだ10銘柄!

 2000年5月に株式投資を始め、2006年には不動産株へのハイレバ集中投資で資産10億円を達成したことで名声が知れ渡ったDAIBOUCHOUさん。リーマンショックで資産半減の地獄を味わいながら、その後は100銘柄以上の中小型割安成長株への分散投資に手法を切り替えて見事、復活。波乱万丈を知るDAIBOUCHOUさんが予測する2021年に大化けしそうな10倍株候補は?

2021年の10倍高期待株10選
1 N・フィールド(6077) 東証1部
2 ギガプライズ (3830) 名証セントレックス
3 アンビスホールディングス (7071) ジャスダック
4 ベネフィットジャパン(3934) 東証1部
5 ノーリツ鋼機(7744) 東証1部
6 ライフネット生命保険 (7157) 東証マザーズ
7 名南M&A (7076) 名証セントレックス
8 アバント (3836) 東証1部
9 AMBITION (3300) 東証マザーズ
10 MTG (7806) 東証マザーズ

1:N・フィールド(6077・東証1部)

事業内容は?  

精神科に特化した訪問介護サービスを展開するニッチ企業。

「2019年12月期が減益となり成長期待の剥落で株価が大幅下落しましたが、直近業績は回復基調で、介護拠点数の増加に伴う増収増益への回帰に期待が持てそうです。長寿命化で同社がケアしている認知症の患者数は増加傾向にあります。また医療費削減要請によって、精神疾患を理由にした入院日数の短縮が求められていることもあり、精神科向けの在宅看護の需要も高まっています。そう考えると、この分野で圧倒的な存在感を持つ同社が再び成長軌道に乗る可能性は高いでしょう」(DAIBOUCHOUさん)

2:ギガプライズ (3830・名証セントレックス)

事業内容は? 

既存電話線を用いてインターネット接続を行う独自のISPサービスを手がげる名古屋証券取引所上場の新興企業。

「2020年3月期の下期に減益基調に陥りましたが、一転、収益が急回復しています。既存アパート向けにインターネット回線を敷設する同社独自の新技術『SPES』の収益性の高さが大きな魅力です。今2021年3月期は中間期までの業績進捗率も高く、上方修正に期待できそう。在宅勤務、巣ごもり需要など、賃貸入居者のネット無料化人気が高まっているのも追い風です。コロナ禍でアパート着工件数は減りましたが、既存アパートへのネット導入でその落ち込みを十分カバーできている点も有望です」(DAIBOUCHOUさん)

3:アンビスホールディングス (7071・ジャスダック)

事業内容は? 

医療の助けが必要な高齢者向けの在宅型医療施設「医心館」を展開する介護福祉企業。

「医療費の予算削減や入院条件の厳格化で病院に入れず、しかし在宅では家族の負担が大きいという高齢者の方が増えています。入院と同じコストにもかかわらず、より良い条件でホスピスに入居できる同社のサービスには社会的なニーズもある。病院が治療できる患者に専念できるという意味でも、同社の施設のような穏やかに人生を終えるためのホスピスは今後ますます必要とされるでしょう。社会貢献度の高い事業なので、現場の看護師の方を応援する意味でも投資を続けていきたい企業です」(DAIBOUCHOUさん)

4:ベネフィットジャパン(3934・東証1部)

事業内容は? 

初心者からシニア向けにモバイルWi-Fiや格安スマホなど通信サービスを提供。

「モバイルWi-Fiに加えて、留守番や子供の英会話教育などを行ってくれるロボット『ロボホン』の販売が好調で、ストック売上(通信料)が安定的に成長しています。その成長性にもかかわらずPER(株価収益率)は15倍前後で割安。『ロボホン』のような売り方が難しい商品の販売を拡大できる営業力がすごいと思います。商業モールの催事販売が強みで、コロナ禍が逆風になるかと思っていましたが、リモート営業でしっかり増収増益を続けている点にも魅力を感じます」(DAIBOUCHOUさん)

5:ノーリツ鋼機(7744・東証1部)

事業内容は? 

もともと自動写真プリント機の専業メーカーだったが、DJ機器やペン先、医療データの分析調査などに事業を多角化。

「医療ビッグデータの解析などを行う上場子会社JMDC(東証マザーズ・4483)の保有株の価値に比べて、株価が割安に評価されています。2020年3月にパイオニアのDJ機器メーカー・アルファシータ社を買収したことで、利払い前・税引き前・減価償却前の利益(「EBITDA」という)が増え、投資資金の拡大ペースが速くなっている点も有望でしょう。今後はさらなるM&AによるEBITDAの向上と、企業規模の拡大が見込めそう。写真ミニラボ機メーカーからの大胆な事業リストラ成功事例として今後も期待したいです」(DAIBOUCHOUさん)

6:ライフネット生命保険 (7157・東証マザーズ)

事業内容は? 

インターネット専業の保険会社。

「コロナ禍で死亡リスクへの関心が高まり、店舗や対面での保険販売が敬遠されていることもあって、いまやインターネットを使って保険を選ぶのがごく当たり前になっています。その結果、同社の新規契約者も増加傾向。知名度は高いものの、生命保険などはまだまだ大手生保のシェアが大きいのも事実です。しかし、今後、デジタルネイティブな世代が増えれば、ネット生保に抵抗がない顧客も増え、保険のシェアの拡大に期待できるでしょう」(DAIBOUCHOUさん)

7:名南M&A (7076・名証セントレックス)

事業内容は? 

東海、近畿を地盤に友好的なM&A支援を通じて地域社会の活性化を目指すコンサルタント企業。

「今後もM&A案件の増加やM&Aを行う専門チームの人員増に伴って業績の拡大に期待が持てそうです。まだ売上高・利益も時価総額も小規模なので、成長余地が豊富にある点も大きな魅力といえますね。名古屋地盤の強みを活かした自動車部品関連などの中小企業の再編に活躍してほしいものです。コロナの影響もあり、今後はさまざまな業界で業界再編が進む可能性が高い点も同社にとっては追い風といえるでしょう」(DAIBOUCHOUさん)

8:アバント (3836・東証1部)

事業内容は? 

連結会計ソフトの「ディーバ」やAI(人工知能)を使ったビジネスデータ統合などを行うビジネスインテリジェンス事業の「ジール」などを展開。

「連結会計ソフトでは国内トップシェアを誇り、会計のアウトソーシングによる顧客の信頼を生かして、企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化にも積極的に関わっています。そのため収益拡大のチャンスが豊富。コロナ禍でビジネスインテリジェンス事業が停滞気味ですが、顧客のDX意欲は高く、今後の回復にも期待できると思います」(DAIBOUCHOUさん)

9:AMBITION (3300・東証マザーズ)

事業内容は? 

東京中心に「プレミアム・キューブ」「ラフィスタ」ブランドの不動産賃貸・仲介業を展開。

「不動産業務をソフトウェアが自動で行うロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)や不動産投資のクラウドファンディング事業など、不動産×ITを意識した新事業に有望性を感じます。PERが10倍前後と割安なのに、AIやITなどの先端企業でもある点が今後はもっと評価されてくるはず。自社で内製化した賃貸管理などの不動産ITを同業他社に展開して、賃貸サブリースというPER評価からはやく脱却して欲しいですね」(DAIBOUCHOUさん)

10:MTG (7806・東証マザーズ)

事業内容は? 

EMS(筋電気刺激)を使った「シックスパッド」や美容ローラー「リファ」などが人気のブランド開発カンパニー。

「業績の悪化が厳しかったですが、リストラで前2020年9月期は黒字転換しました。シックスパッドなど同社製品はコロナ禍の巣ごもり需要で販売が急伸。今後もコロナへの恐れから、健康意識への高まり、巣ごもり消費が続くことで、同社が手掛ける在宅トレーニング、在宅エステの需要も高止まりするでしょう。『シックスパッド・ホームジム』といった新サービスや『リファ』ブランドのドライヤー、シャワーヘッドなど新製品のヒットに期待したいです(DAIBOUCHOUさん)

資産と利益を相乗効果で中長期的に増やせそうな銘柄に期待

「3月のコロナショックの時期を除き、ほぼフルポジを継続した」と語るDAIBOUCHOUさんの11月末時点の年初来パフォーマンスは+15.9%となかなかの好成績。これまで数々の株価暴落を経験した強者だけあって、コロナショック後の4月以降、「ジャスダックのいぶし銀的中小成長株から話題性の高いウィズコロナ株に乗り換えたことが功を奏しました。少し乗り換えが遅かったのが反省点ですが…」と語るように、切り替えの早さも相場で生き残る大切な知恵。

 そんな百戦錬磨のDAIBOUCHOUさんが狙う10倍株の条件は「ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)が高く、資産と利益を相乗効果で中長期的に増やせそうなこと。さらに、そうした企業が投資回収期に入って、株価が実際に上昇し始めたときが狙い目です。PERが50倍以上だと成長期待が剥落したときの株価の下落がきついので、成長期待が高まる前に投資するほうが安全です」

DAIBOUCHOU(だいぼうちょう)さんプロフィール

 不動産流動化関連株で稼いだ10億円をライブドアショック、リーマンショックで激減させたものの、アベノミクス相場に乗って見事、資産のV字回復に成功。守りながら攻める独自の「新・サイクル投資法」を確立し、割安成長株への分散投資で着実に資産を増やしている。フォロワー7万人に迫るツイッター(@DAIBOUCHO)やブログ「専業投資家DAIBOUCHOUの軌跡」には山あり谷ありの投資人生から生まれた投資哲学が満載。セミナーや講演にも大忙しの毎日を送る。

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人気投資ブロガー・DAIBOUCHOUさん 前編
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