12月に売り込まれた日経平均が、1月に入ってから急反発

 昨年12月は世界株安に巻き込まれ、日経平均株価も急落しました。ところが、1月に入ってから、世界中の株が急反発しています。1月だけ見ると、世界株高の流れです。

日経平均週足:2018年1月4日~2019年1月18日

 

 先週の日経平均は、1週間で307円上昇し、2万666円となりました。大発会(1月4日)まで売り込まれた日経平均は、1月7日以降、世界株高の流れを受けて、急反発しています。

2万1,000円が近づくと、日経平均の上値は重くなると予想

  2018年の日経平均は、2万1,000~4,000円のボックス圏で推移していました。年央には、2万2,000~3,000円の狭い範囲で膠着していました。

【再掲】日経平均週足:2018年1月4日~2019年1月18日

 

 12月に、ボックスから下放れした日経平均は、1月に入ってからボックスに向かって急反発しています。2万1,000円を超えれば、元のボックスに戻ることになります。

 私は、日経平均がこのまますんなりと昨年のボックス圏に収まるとは、考えていません。これから、世界景気・企業業績の悪化を示す話が増えると考えているからです。2万1,000円近くまで日経平均の反発は続きそうですが、その後、再び上値が重くなると見ています。

 私は2019年末に、2020年の世界景気回復を織り込んで、日経平均は2万3,000~2万5,000円まで上昇すると予想していますが、2020年の世界景気回復を織り込むのは、時期尚早です。目先(私の予想では3月まで)は、2019年の世界景気悪化を織り込む局面になると考えています。したがって、3月にかけて日経平均がもう一度、売られる局面があると予想しています。

急落急騰を先導する外国人の先物売買、外国人は円高で日本株を売り、円安で買う

 12月の世界株安局面では、円高が進みました。円高が進むにつれ、外国人投資家による日経平均先物の売りが増え、日経平均は急落しました。

 1月に入り、3日のフラッシュ・クラッシュ(ドルの瞬間的急落)で1ドル104円台をつけた後は、円安に向かっています。円安が進むにつれ、外国人による先物買い戻しが増え、日経平均の反発が続いています。

ドル円為替レート日足:2018年10月1日~2019年1月14日

 

 円高の行き過ぎから、1月は円安に戻っていますが、このまま円安が続くとは考えていません。円高(ドル安)の背景に、米国の利上げ打ち止め期待があるからです。今年の利上げについて、米FRB(連邦準備制度理事会)は、2回と示唆していましたが、市場予想は0~1回です。私はゼロと予想しています。利上げ打ち止め、あるいは利下げまで視野に入るようになれば、改めてドルが売られる(円高になる)可能性もあります。

NYダウも急反発、既に昨年のボックス圏まで戻っている

昨年、貿易戦争や米利上げが加速する不安から売られたNYダウも、足元、急反発が続いています。

NYダウ週足:2018年1月2日~2019年1月18日

 

NYダウは、既に2018年のボックス圏まで、値を戻しています。

【再掲】NYダウ週足:2018年1月2日~2019年1月18日

 

 米利上げ打ち止めの期待と、貿易戦争が緩和する期待が、NYダウの急反発を支えています。パウエルFRB議長が、利上げを一時的に打ち止めにするととれる発言をしてから、金利上昇への不安が低下しています。また、米中通商交渉で、中国側から歩み寄りの姿勢が見られることから、貿易戦争が緩和する期待が出ています。

 ただし、要注意は、これから始まる10~12月決算の発表です。中国との貿易戦争の影響が、米国企業にも影響を及ぼし始めている可能性があります。2019年より、2018年の大型減税効果が剥落し、米国企業の増益率が鈍化するので、先行き(1~3月)の見通しにも慎重な企業が増えると思われます。

押し目での買い増しを狙いたい

 日本株は、PER(株価収益率)・配当利回りなどから見て割安で、長期的に良い買い場を迎えていると考えています。ただし、このまま一本調子の上昇が続くとは考えていません。押し目を待って、買い増ししていくのが良いと考えています。

 

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