はじめての投資、いくらで?

 はじめての投資、お金はいくらあればいいのでしょうか? 「投資」をするためには、まとまったお金が必要な感じがしますよね。

 では、他の人が投資デビューのとき、どれくらいの金額で始めているか、ランキングで紹介します。

【ランキング】初めて投資した人の投資額

出所:楽天証券口座開設者の初回の取引額
期間:2013年1月1日~2018年8月31日

 みなさんはどう感じましたか?

 思ったより少額と思われたかもしれませんし、まあまあ高いなと思ったかもしれません。

 ランキングを見ると、トップは「10万円以上~20万円未満」。これが高いと見るか、安いと見るかは人それぞれ。でも、実はもっともっと少額で投資スタートができるのです。

 そんな少額での投資スタートを「お試し投資」と、ここでは名付けます。お試し投資なら必要なお金は、100円あれば大丈夫です。

「今どき、自動販売機でジュースも買えない100円で、投資なんかできるの?」と不思議な気がしますが、「投資信託」という専門家が運用する投資の商品は、100円から購入することができます(証券会社によって違う場合があります)。

 元手が100円なので、急に大きな利益をもたらしたりすることはありませんが、「投資ってこんな感じなんだ」「こんなふうに値上がりしたり、値下がりするんだ」ということが分かります。

 

お試し投資に向いている商品は投資信託

 投資信託はファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家が、株式、債券などさまざまな種類の資産を組み合わせて投資、運用して、利益を得ようとする商品。

 私たち個人投資家が、株式や債券へ直接投資するのとは異なり、専門家のファンドマネージャーが知見を生かして、複数の銘柄、資産に分散投資してくれる感覚です。

 例えて言うなら、投資信託はコーヒーのブレンドでしょうか。ストレートのコーヒー豆は産地や種類などによって特徴が違いますが、ブレンドはブレンドマスターが豆の配合をして、万人が飲みやすいものに仕上がっています。ただそのブレンドもお店やブレンドマスターによって配合割合や焙煎方法に違いがあるので、特徴が出ますね。

 実際に投資信託のラインアップを見ると、それぞれ特徴を持っています。

 例えば、株式を投資対象とする投資信託や、株式市場の全体の動きと同じような値動きをするように組んだ投資信託(「インデックス型」と呼びます)、株や債券など複数の資産に投資する投資信託(「バランス型」と呼びます)などがあります。

 

「本格的に投資」デビューもあり

 本格的なデビューのために必要なお金は投資商品によって異なりますが、紹介したように投資信託では100円です。

 では、100円で投資できない株式ETF(上場投資信託)J-REIT(不動産投資信託)に投資する場合はどのくらいの資金が必要になるのでしょうか。具体例で説明します。

※ここでは分かりやすくするため、株式などの売買時、証券会社に自動的に支払うことになる売買手数料は考慮していません。

株式投資

 株式投資の場合、デビューに必要なお金は、買いたい企業の株式が株価1,000円なら、その100倍の10万円が必要です。株価が1,000円でなぜ10万円必要なのか不思議ですが、株式は売買するときの単位(単元)が決められていて、それが100株だからです。以前は1,000株の株式もありましたが、2018年10月に100株に統一されました。

 例えば、トヨタ自動車の株価は7,095円(9月28日終値、以下同じ)なので100株では70万9,500円。イオンは2,737.5円なので100株では27万3,750円です。このように買いたい企業の株価によって、用意する資金はかなり違ってきます。

ETF

 ETFは商品によって売買するときの単位である口数が1口のもの、10口のもの、100口のものがあり、そのため金額に幅があります。

 例えば株価1,039円の「NEXT FUNDS MSCI日本株女性活躍指数(セレクト)連動型上場投信」は1口単位の売買なので1,039円、株価1,856円の「上場インデックスファンドTOPIX」は100口単位なので18万5,600円と言う感じです。

J-REIT(不動産投資信託)

 J-REITの売買は1口単位と統一されています。株価がそのまま必要資金になるので分かりやすいのですが、株価そのものはずいぶん違いがあります。

 例を挙げると、日本ビルファンド投資法人の株価は65万7,000円、いちごオフィスリート投資法人の株価は9万3,600円。その差は約7倍ですね。

 ただし、投資商品は値段だけで選ぶことはできません。

 株式投資であれば、企業の経営の健全性、成長性、配当の金額、株主優待の有無というような条件も考慮した銘柄選びをしましょう。株価が安い銘柄が必ずしもお買い得ではないことに注意することが大事です。

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