※このインタビューは2018/12/03に公開した記事となります。

 人気ブログすぽさん投資ぶろぐを運営する、すぽさんインタビュー後編をお送りします。今回は売買のタイミングや、すぽさんが個別株投資にこだわる理由について伺いました。

 

株価が2倍になったら半分売る

──いつどんなときに売るか。これは誰しも悩むところですが、すぽさんはどうされているんですか。

  僕の場合、一応、目安のようなものを設けています。

「よっぽどのことがない限り2倍になるまで待つ」

「2倍になったら半分売る」

というやり方です。株をやっている人なら分かると思うのですが、ジワジワと株価が上がっていくと、早く売りたいという気持ちになるんです。いつか突然、暴落するんじゃないか、その前に売るべきではないかと。要するに勝ちを確定させたいわけです。そういう気持ちを押さえつけるため、「2倍になるまでは我慢しよう」と決めています。

──我慢できるんですか(笑)。

 まあ、なんとか。多少は「売りたい」という気持ちと闘いますが(笑)。

──では、2倍になったら半分売るというのは?

 これは邱永漢さんの教えなんです。2倍になった時点で半分売ればもうマイナスはないですよね。ひとまず元本を確保したことになります。一方で、そこからさらに3倍、4倍、5倍と上昇しても利益を取り逃すことはない。もちろん、半分売らなければ利益は2倍になるわけですが、そこはもう割り切るようにしています。

すぽさんのブログでは、寄せられた質問や疑問を元に、読者の方と直接「議論」を交わし、それをブログで公開している。さまざまな人の視点が分かって面白い

──2倍になったら機械的に半分売るという感じですか。

 いえ、そうではありません。例えばPERが変わらないのに株価が2倍になることもあるわけです。この場合はまだ割安といえるので、売らずに保有し続けます。その会社の業績などを総合的に判断して決めるということです。

──売るタイミングを見誤って後悔したことはありませんか。

 後悔したことがない人なんていないと思いますよ(笑)。

──では、2倍になるという自信があったのにマイナスで終わったことは?

 それももちろんあります。僕はかなり勝率がいいほうだと思いますが、それでもやっぱり失敗はあります。実際、今年はエムケイシステムという銘柄で大きな損失を被りましたし。アフタービジネス型で着実な成長が見込めるビジネスモデルを持った会社だったのですが、商品の技術提供を受けていた会社へのライセンス料の過少申告が発覚し、過去数年の決算修正があったこと。さらにその後の四半期決算で、買収した会社が想定外の大幅赤字を出し下方修正、というダブルパンチで株価は大きく下落しました。

──そういうリスクを回避するために工夫していることはありますか。

 一つの銘柄に集中させず、複数保有することでしょうね。僕の場合、いつも5~10銘柄くらい保有するようにしています。