もみあげさんのプロフィール

 2018年9月に元手1,400万円で米国株投資を開始し、2021年3月時点で3倍の4,200万円まで増やしたもみあげさん。日系企業の駐在員として米国現地から米国株のリアルタイム情報を誰よりも早くTwitter(@momiage0088)で配信。

 たった2年余りでフォロワー数は10万人を超え、米国株投資のシンボル的存在に。ブログ「もみあげの米国株投資」や著書『もみあげ流米国株投資講座』(ソーテック社)も注目されています。

もみあげ流 米国株投資講座
2020年10月20日頃発売/ソーテック社
1,738円(税込)

投資スタイル

 米国の株式市場に上場するETF(上場投資信託)や個別株に投資しています。

金融商品の種類 投資先・銘柄名など 割合
米国株式 ETF、個別株 50%
現預金 ―― 50%

銘柄選びの基準

  • 需給、将来性、バリュエーションの3つの観点から有望企業を選ぶ。

銘柄を売るときの基準

  • レンジ相場に移行したり、過熱感が出たり、マクロ経済に変化があったとき。

初心者時代の体験談

Q:投資を始めて最初の成功体験を教えてください。
A:2018年末の米国株急落後にハイテク株(マイクロソフト)に投資できたこと。

 今まで成功したって思えたことは、実はあまりないんですけどね。失敗は明確に覚えているんですが…。

 あえて言うなら、2018年12月に米国株が暴落気味の調整局面を迎えたあとに、初めてハイテク企業に投資できたことです。2018年12月の暴落までは安定成長株や高配当株にしか投資できていませんでした。

 ただ、米国市場が急落してからの回復具合を自分でチェックしてみて、ハイテク企業の強さを理解しました。そして、マイクロソフトに勇気を出して投資したのが最初の成功体験です。

Q:初心者時代の失敗談を教えてください。
A:一時的な株価の急落で頭が真っ白になり、個別株をたくさん損切りしてしまいました。

 2018年9月から米国株に投資を始めて、ETFだけでは物足りなくなり、個別株に投資し始めたら、楽しくてしょうがなくなりました。いろいろな銘柄に手を出し始めていた2018年12月、クリスマスの急落がやってきました。

 そのとき個別銘柄について、どのように考えていいかわからなくなって頭の中が真っ白に。怖くなって、たくさんの銘柄を損切りしてしまいました。多くの銘柄に手を出し過ぎたゆえの失敗談ですね。

Q:資金が少なかった時代にやってしまった失敗や、後悔していることなどを教えてください。
A:IPO銘柄に投資して、大きな金額を失ってしまいました。

 IPO(新規上場)銘柄への投資です。IPO株はそれ自体、判断が非常に難しいうえに、需要が供給を上回って買いを集めるかどうかは、マーケットの状況次第という面があります。

 専門家の意見などに従ってIPO株に投資してしまい、その当時としては、大きな金額を失ってしまいました。企業の歴史が長い銘柄のほうが、比較的判断はしやすいと思います。

Q:さまざまな成功・失敗を経て確立した投資手法や投資哲学を教えてください。
A:株はリスク資産だ、ということをいつまでも忘れないでいたい。

 2018年12月の米国株調整局面で慌てて個別株を損切りしてしまったのは、自分が管理できる以上の銘柄に手を出してしまったから。株式はリスク資産だということは、いつまでも忘れないでいたいですね。

 コカ・コーラやアップルなど魅力的な銘柄はたくさんあるので、単に「好きな企業だ」といって投資してしまいたくなる気持ちをぐっと抑える自制心も大切です。

もみあげさん流・少額ポートフォリオ

1,000円~3万円で投資するなら?

商品名 商品の種類 投資先 割合
楽天・全米株式インデックスファンド インデックスファンド 米国株式 100%

●この銘柄を選んだ理由

 1,000円から3万円までの少額投資なら、積み立て感覚で、つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)に全額投資するのがいいでしょう。

 米国の大小あらゆる銘柄を投資対象にしているETF「バンガード・トータル・ストックマーケット」(VTI)で運用されている国内インデックスファンドの「楽天・全米株式インデックスファンド」なら、手数料の無駄や買い付けにかかる手間も省けます。

 3万円ならほぼ、つみたてNISAの40万円枠を満額利用可能なので、とにかく、つみたてNISAを早く始めてほしいです。それをきっかけに月々、定額資金を投資していくことの重要性を意識できるようになると考えます。

10万円で投資するなら?

商品名 商品の種類 投資先 割合
楽天・全米株式インデックスファンド インデックスファンド 米国株式 30%
インベスコQQQトラスト・シリーズ1(QQQ) 米国ETF 米国株式 70%

●この銘柄を選んだ理由

 投資資金がつみたてNISAの年間40万円枠をほぼ満額利用可能な月3万円を上回った場合は、米国ETFを活用して、パフォーマンスを上げることにトライしてみるのも、投資入門としてはいいと思います。

 投資対象としては、ナスダック100指数に連動する「インベスコQQQトラスト・シリーズ1」(QQQ)を選択。QQQなら、S&P500を中期的に上回る可能性が高いと考えます。

つみたてNISA枠またはNISA枠で投資するなら?

商品名 商品の種類 投資先 割合
つみたてNISAの場合
楽天・全米株式インデックスファンド インデックスファンド 米国株式 100%

●この銘柄を選んだ理由

 つみたてNISAなら「楽天・全米株式インデックスファンド」。このインデックスファンドなら、米国ETF・VTIの買い付けを通じて米国株全体へ投資できるのと、楽天証券でつみたてNISAならパフォーマンスとコスト的な面でベターだと思っているからです。

投資ビギナーへのアドバイス

Q:初めて買った銘柄を売るときのタイミングや気を付ける点について教えてください。
A:SNSで「爆上げだ!」と騒がれたタイミングで上がっているときに売ってしまう。

 初心者が個別株を売る場合ですが、まず「SNSやメディアでこの銘柄が爆上げだ!」とかいった言葉が出てきた場合は、ネガティブ指標として売る決断をしてしまったほうがいいと思います。

 売るときに気を付けてほしいのは、下落してから売るのではなく上昇しているときに売ってしまってください。

 相場の格言で「頭と尻尾はくれてやる」とあります。利益を欲張りすぎないことが大切です。損切りもいつか戻ると考えるより、スパッと損切りすべきです。ただし、インデックスファンドへの投資は長期投資が原則なので、別です。

Q:少額での投資が大きな利益を生んだのはどんなタイミングでしたか? 
A:2020年11月の大統領選後に買いを入れて1銘柄で45%の利益が取れたこと。 

 2020年3月のコロナ暴落で遅まきながらも成長株に投資して資産を倍以上に増やすことができました。ただ、これはある程度、誰でもつかめたチャンスでしょうし、自分自身の力ではないと思っています。

 最も成功したと思ったのは、2020年11月の米国大統領選挙前にさまざまな情報を整理して、「大統領選挙後は暴落する」という周囲の意見とは逆の行動を取って、1つの銘柄で、3日で45%の上昇を取ることができたときです。

 自分自身で考察した予想通りに投資銘柄が成長するのが最大の自信になると思います。

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