※以前トウシルに掲載した記事を再掲載しております。

 本日は、「クイズで学ぶテクニカル指標(7):売りはむずかしい?」をお届けします。

(1)まず、クイズです。

 以下B社チャートは、売り・買い、どっち?

(注:筆者作成)

 B社は、安値圏で出来高がどんどん増えています。出来高は人気のバロメーターといえます。出来高増加から、B社に何か買い材料が出ていて、B社株の人気が高まってきていると考えられます。株価は上昇を始めていますが、まだ安値圏から大きくは上昇しません。

 これから、上昇が加速すると予想されます。このチャートの投資判断は「買い」です。

 チャートのシグナルは、昨日のレポートに書いた通り、100%当たるものではありません。7割の確率で当たるならば、立派な売買シグナルですが、それでも3割の確率で外れることを理解する必要があります。

 ところで、先日、私は読者の方から、以下の質問を受けました。「買いシグナルの見方は、ある程度わかるのですが、売りシグナルの見方がよくわかりません。売りシグナルの見方を教えてください。」

 この質問にお答えするために、まず、以下のクイズをやってみてください。

(2)次のクイズです。

【クイズ】C社株チャート、売り・買い、どっち?

(注:筆者作成)

 チャートを見るとき、出来高(売買高)も一緒に見る習慣をつけましょう。一般的に、出来高は人気のバロメーターです。C社チャートは、高値から株価が下がるにつれて、出来高が減少していることがわかります。つまり、株価が下がりつつ、人気もなくなってきているわけです。

 C社株の投資判断は「売り」です。天井をつけた後の安値を更新しており、ここから下げが加速する可能性があります。

(3)逆さチャート

 すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、C社チャートは、冒頭のB社チャートの上下をひっくり返して作った「逆さチャート」です。出来高も逆さにしています。出来高増加は減少、減少は増加になるように作っています。

 買いシグナルの出ているチャートを逆さにすると、売りシグナルの出ているチャートになります。売りシグナルの出ているチャートを逆さにすると、買いシグナルの出ているチャートになります。

 このように、チャートのシグナルは、上下対称です。買いシグナルがわかるならば、それを逆さにしたものが売りシグナルとなります。

「買いシグナルの見方がわかるのに、売りシグナルがわからない」と感じている読者の方は、恐らく、買いシグナルが出ている銘柄を買う行動を取れるが、売りシグナルが出ている銘柄を売る決断ができないのだと思います。

 チャートを見れば下がりそうだと感じることはできるのに、あえてチャートを見ない、あるいは、見ているのに希望的観測から売りを実行しないために、売りシグナルを生かせないのだと思います。

▼クイズで学ぶテクニカル指標シリーズ

(1)急落した成長株

(2)反発局面を狙う

(3)トレンドを読む

(4)移動平均線とのかい離率を読む

(5)チャートの節を読む

(6)売買シグナルの使い方

(7)売りはむずかしい?

(8)売りシグナル点灯

(9)出来高の変化を読む‐1

(10)出来高の変化を読む‐2

(11)出来高の変化を読む‐3