日経平均は、心理的な壁「2万3,000円」で打ち返される

 先週の日経平均株価は、1週間で167円上昇し、2万2,764円となりました。米中貿易戦争の不安がやや緩和したとの見方から、半導体・自動車など、景気敏感株が買い戻されました。

 ただし、日経平均は、心理的な壁となっている2万3,000円が近づくと、売りが増えます。先週7月18日に一時2万2,949円まで上昇後、反落しました。

日経平均週足:2017年7月3日~2018年7月20日

 

 日経平均は、昨年11~12月、日経平均2万3,000円が上値抵抗線となって、なかなか上へ行けませんでした。今年1月にいったん2万3,000円を超えましたが、2月以降の急落で再度下回りました。日経平均は5~7月に、戻りを試しているところですが、2万3,000円の壁で打ち返される展開が続いています。

 

米国にマネーが集まる。米ドル・米国株は堅調

 貿易戦争の懸念で下落していたNYダウも反発しています。米景気好調、米利上げが加速する見通しがあることから、米国に世界のマネーが集まる動きが続いています。その結果、通貨市場では米ドルが全面高となり、米国株も堅調です。

NYダウ週足:2017年7月3日~2018年7月20日

 

 IT大手(フェイスブック、アマゾン、グーグル、ネットフリックス、マイクロソフト、アップルなど)の比率が高いナスダック株価指数は、業績好調を背景に、3月・6月に続き、7月も史上最高値をさらに更新しました。

米ナスダック株価指数週足:2017年7月3日~2018年7月20日

 


中国景気が減速し不安続く

 貿易戦争の不安があっても、日米の景気・企業業績は、今のところ堅調です。ところが、上海総合株価指数は、貿易戦争の不安で売られ、上値が重いままです。貿易戦争の影響は、中国景気の方がより大きいと考えられます。中国景気にやや減速感が出ていることが、日本株にとって不安材料となっています。

上海総合株価指数の週次推移:2017年7月3日~2018年7月20日

 

 日本の景気敏感株の中で、中国関連株(ロボット・設備投資株)の上値は重いままです。米中貿易戦争の影響で、産業用ロボットなどへの投資が減速する不安が出ているためです。

 

日本株は長期的に買い場と考えるが、短期的には下値リスクを要警戒

 米中貿易戦争と、米金利上昇の不安から、目先、世界的に株が下がるリスクがあります。短期的には、警戒が必要です。ただし、日本株は割安と判断しており、長期的には買いスタンス継続でいいと考えています。下がったところで買っていくので良いと思います。

 

 

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