先週の日経平均は、円高を嫌気して反落
先週の日経平均は、1週間で60円下がり、2万3,653円となりました。9日(火)に、一時2万3,952円まで上がり、2万4,000円に迫りましたが、上昇ピッチの速さに対する警戒から利益確定売りが出ました。
12日(金)には、一時1ドル111円前後まで円高が進んだことを嫌気して、2万3,653円まで下がりました。
日経平均日足:2017年9月1日~2018年1月12日
日足チャートをご覧いただくとわかる通り、日経平均は昨年10月に急騰した後、11~12月は、スピード調整で保ち合いとなりました。その間、2万3,000円が上値抵抗線として、意識されていました。ただ、先高感は強かったので、下値は、25日移動平均線に沿って、切り上がってきていました。
1月に入り、2万3,000円を抜けると、一気に2万4,000円に迫りました。ただし、2万4,000円で再び、戻り売りが増えました。2万4,000円が「心理的な節目」として意識されている可能性もあります。そうなると、しばらく2万4,000円前後で値固めが必要になるかもしれません。
米インフレ率が伸び悩んでいることが、先週の円高の背景に
先週、日経平均が反落した要因をまとめると、心理的な節目である2万4,000円に近づいて戻り売りが出たことと、ちょうどそのタイミングで円高が進んだことでした。
ドル円為替レート推移:2017年9月1日~2018年1月12日
なぜ今、円高が進むのでしょうか?昨年3回、アメリカの中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)は、利上げを実施しました。今年、さらに2~3回の利上げが予想されています。利上げによって、ドルの短期金利は上昇してきていますが、長期金利は伸び悩んでいます。
米インフレ率が、FRB目標「2%」を下回ったままであることが、長期金利が上昇せず、ドル高(円安)が進みにくい理由となっています。ドルの上値が重いと意識されている中で、先週は、中国政府が米国債を売却するという噂が出たことをきっかけに、円高(ドル安)が進みました。中国政府はその噂を否定しましたが、円高の流れが変わりませんでした。
12日に、12月の米消費者物価指数が発表されました。エネルギー・食品の影響を除くコア指数は、前年比で+1.8%でした。インフレが進み始めているとの見方もありますが、現状は、まだコア指数の伸びは、年率2%を下回ったままです。
米消費者物価指数(コア指数)の前年比伸び率:2011年1月~2017年12月
先週のNYダウは、最高値更新が続いた
先週の日経平均は、円高で反落しましたが、米国株(NYダウ)は、最高値の更新が続きました。
NYダウ日足:2017年9月1日~2018年1月12日
昨年末、トランプ大統領が大型減税の可決を実現させたことを評価する流れが続いています。米景気指標がおおむね良好であること、それにもかかわらずインフレ率が伸び悩んでいるため、金利上昇がゆるやかであることが、株価の上昇に「都合の良い」状況を生み出しています。
今週の日経平均は、反発が予想される
今週の日経平均は、再び、2万4,000円に近づく局面があると予想します。これには、3つの理由があります。
<1>NYダウの最高値更新が続いていること
世界的な株高が続く中で、出遅れの日本株に外国人の買いが入りやすくなると予想します。
<2>円高がどんどん進む環境にはないと考えること
先週は、1ドル111円前後まで円高が進みましたが、さらなる円高が進む環境にはないと考えています。アメリカの中央銀行であるFRBが、今年も2~3回利上げすると見込まれるからです。
<3>企業業績好調
1月後半から、10~12月決算の発表が始まります。会社計画を上ぶれる好調な決算を発表する企業が増えると予想しています。東証一部上場主要841社の業績について、楽天証券では、以下の通り、予想しています。
東証一部上場3月期決算主要841社の連結純利益(前期比):2016年3月期(実績)~2019年3月期(予想)
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