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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
日経平均はバブル後高値、米ソフトランディングなら2年で4万円も

米ソフトランディング期待で日米株上昇

 先週11月20~24日までの日経平均株価は約40円上昇して3万3,625円となりました。20日の日中高値(3万3,853円)で、一時バブル後の戻り高値(7月3日の終値3万3,753円)を更新しました。利益確定売りも増え、売り買い交錯する中、堅調に推移しました。堅調な株価を支えているのが、以下二つの要因です。

【1】米ソフトランディング期待が復活:米長期金利が低下、米国株が反発
【2】日本のファンダメンタルズ良好:7ー9月決算好調

日経平均週足:2023年1月4日~11月24日

出所:楽天証券MSより楽天証券経済研究所が作成

 11月に入ってから、米景気がほど良く減速し、米インフレ・米長期金利が低下する「ソフトランディング期待」が復活し、ナスダック(ナスダック総合指数)が反発しました。生成AIによる世界経済変革への期待が、ナスダック上昇につながっている面もあります。

 マイクロソフトなど米ハイテク大手が生成AIの中核を握っていることが、ナスダックの上昇をけん引しています。来年にかけて生成AIへの投資が一段と拡大し、半導体ブームが復活する期待から、米エヌビディア株が大幅上昇しました。

米ナスダック総合週足:2023年1月3日~11月24日

出所:楽天証券MSより楽天証券経済研究所が作成

 米長期金利が上がるとハードランディングの不安が高まり、長期金利が下がるとソフトランディングの期待が高まる展開が続いています。

米長短金利(10年金利とFF金利)の動き:2021年末~2023年11月10日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

米景気ソフトランディングなら日経平均は2年以内に4万円を目指すと予想

 日経平均は今後2年から4年で4万円に到達すると予想しています。米景気が来年にかけて減速するもののリセッションにならない(ソフトランディング)と想定すれば、日経平均は2年以内に4万円に到達すると考えます。

 一方、来年、米景気が景気後退(ハードランディング)に陥ると、日経平均はいったん大きく下落すると考えられます。それでも、その後再び景気が回復する時に4万円に向かうと考えています。この場合、4年以内に日経平均が4万円に到達すると考えています。

 目先、米景気がソフトランディングかハードランディングかによって、タイミングが異なりますが、いずれにしても日本株は割安で、日経平均は中長期で4万円に向かうとの見方は変わりません。

 日経平均は以下のチャートに示した通り、景気循環に応じて、上下波動を作っています。

日経平均の月次推移と景気循環:1999年1月~2023年11月(24日)

出所:景気後退期は内閣府判断、景気停滞期は楽天証券判断

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