勝ち組につけ!豪快に値上がりしてきた銘柄にはこんな理由あり

 株式の投資スタイルには値上がりしていく銘柄を買う「順張り」と、値下がりしている銘柄を買う「逆張り」があります。

 順張りは「トレンドフォロー」とも呼ばれ、「これまで値上がりしてきたのだから、これからも値上がりしそうだ」とのシンプルな発想が土台にあります。反対に「こんなに値下がりしたのだから、どこかで値上がりに転じるだろう」と考えるのが逆張りです。

 順張りと逆張りのどちらが優れているか断定はできません。しかし、株価が上げたり下げたりする理由がわかれば、投資で成功する可能性は高まるでしょう。もちろん値動きの理由がわからない銘柄を衝動的に買うのはお勧めできません。

 古くからある株式相場の格言に、「頭と尻尾はくれてやれ」とあります。最安値で買って最高値で売りたいと考えたところで、そんなトレードをいつも成功させる人は、誰もいないということです。

 株価が動いていない局面で買い、自分の買った直後からぐんぐん上値を追うのが理想ですが、現実的な方法は、みんなが買っている銘柄に自分も合流することでしょう。株式投資は人気投票でもあるのです。

 その際に注意してほしいのは、値上がりの理由です。たまたま売り手より買い手が多くて値上がりしただけなのか、それとも多くの投資家に期待を抱かせる根拠があるか、です。

 株式は「変化を買う」金融商品です。今業績が良くて配当が手厚い企業は確かに魅力的ですが、そうした企業の株価には長所が全て反映されてしまい、それ以上伸びないリスクがあります。売上高も利益も配当も、これから増えていく企業の方が投資対象として魅力的なのです。

 銘柄を選ぶ際は、ずっと100点満点を取り続けてきた優等生や、ずっと落第点の生徒ではなく、これから70点、80点、90点と成績を伸ばせそうな生徒のイメージを持ってください。

 これまでの好調な業績をヒントとして、「今後も業績拡大が続いて配当も増える!」と多くの投資家が期待すれば、株価の上がる確度は一段と高まるでしょう。

 注意してほしいのは株価の上昇が止まってしまうケースです。株式市場には「オーバーシュート(上振れ)」がつきものです。利益がちょっと伸びただけなのに、株価が2倍も3倍も上がってしまったケースもあります。

 はしゃぎすぎた状態に気づく投資家が増えるにつれて、株価は過熱状態から適温に向かって下げていくことになります。

 以下の銘柄は、上昇トレンド株を三つのポイントでセレクトしました。ぜひ参考にしてください。

・株価が今年の最安値を5割以上上回る
・20万円以下で買える
・競争力の強い商品やサービスがある

■初めてでも選びやすい上昇トレンド株10選

※株価などのデータは11月19日現在。

クロス・マーケティンググループ(東証1部・3675)
株価 1,229円
いくらから
買える?
12万2,900円
上昇率​ 252.1%
どんな会社? 国内最大規模のネットマーケティング会社。「どんな調査も対応!」のフレーズ通りに、市場調査だけでなく分析や販売戦略立案、学術レポートの作成支援などをこなす。宗教や商習慣の異なる海外案件にも定評があり、幅広い顧客の要求に応える体制が強みだ。
藤倉コンポジット(東証1部・5121)
株価 851円
いくらから
買える?
8万5,100円
上昇率​ 135%
どんな会社? 2020年に会社創業120周年を迎えた老舗企業。旧社名は藤倉ゴム工業だが、ゴム以外の産業用資材も手掛けている。ゴルフクラブに使われる軽くて丈夫なカーボン製のシャフト(軸)は、北米など海外でも高い評価を得ている。
日本トムソン(東証1部・6480)
株価 722円
いくらから
買える?
7万2,200円
上昇率​ 92%
どんな会社? 主力製品は、半導体製造装置の精密な動きを実現する要素部品。半導体産業を支えるニッチ(すき間)な分野で、高い技術力をもつ。世界的な半導体不足で車載向け半導体の需要が増す中、受注拡大が期待される。
日本電波工業(東証1部・6779)
株価 1,820円
いくらから
買える?
18万2,000円
上昇率​ 209.5%
どんな会社? 電子機器の動きを制御する「水晶振動子」で世界2位。自動車のエンジンコントロールやスマートフォン、携帯基地局など用途は幅広い。世界の製造業の回復を追い風に、株価は今年11月に入って急速に持ち直した。
ジャムコ(東証1部・7408)
株価 977円
いくらから
買える?
9万7,700円
上昇率​ 63.1%
どんな会社? 航空機向けの内装品大手。米航空機ボーイング向けのトイレ回り設備を独占供給し、機内食を用意する厨房や航空機用座席も生産する。コロナの感染が収束し世界の航空需要が回復に向かえば、株価は受注増加を先取りして動き出しそうだ。
バイク王&カンパニー(東証2部・3377)
株価 1,096円
いくらから
買える?
10万9,600円
上昇率​ 221.4%
どんな会社? 中古バイク買い取りの最大手。販売も行い、年間取扱台数は10万台以上。北海道から沖縄県まで全国に専門店「バイク王」を展開し、レンタルバイクも取り扱う。コロナ禍で密を避けた移動手段としてバイクで通勤する人が増えたほか、アウトドアとしての需要が増加している。
ジャパンベストレスキューシステム(東証1部・2453)
株価 1,042円
いくらから
買える?
10万4,200円
上昇率​ 54.8%
どんな会社? 水道や鍵のトラブルを解決する「生活救急車」サービスを提供。賃貸住宅の入居者向けサービスや、全国の大学生を対象にしたサービス「学生生活110番」も利用者を増やしている。不採算の新電力事業を撤退し、本業の生活サービスに特化する体制を整えた。
助川電気工業(ジャスダック・7711)
株価 1,088円
いくらから
買える?
10万8,800円
上昇率​ 79.5%
どんな会社? 温度センサーや半導体製造装置などの熱源を製造するほか、原子力関連機器も扱う。電力、自動車、鉄鋼、石油など幅広い業界に顧客を抱え、日本の基幹産業を支える。2022年9月期の売上高予想は42億円と上場企業としては小粒だが、他社にはない高い技術力が強み。
ヨネックス(東証2部・7906)
株価 874円
いくらから
買える?
8万7,400円
上昇率​ 57.7%
どんな会社? テニスとバドミントン用品でシェア(市場占有率)首位。競技人口の増加が売り上げアップに直結しやすい。海外の売り上げが半数を超え、米国やスポーツ熱の高まる中国で長期的な販売増を期待できそうだ。
丸紅(東証1部・8002)
株価 1,034.5円
いくらから
買える?
10万3,450円
上昇率​ 54.7%
どんな会社? 大手総合商社の一角。穀物など食料品分野に早くから力を入れ、発電や鉄鉱石など資源分野にも強い。コロナ禍で停滞した航空機リースが回復すれば、業績向上が期待される。財務基盤固めが進み、今後は株主への利益還元にかじを切る模様だ。