優待&バリュー投資家・ようこりんさん×2022年の2大注目銘柄

▼ようこりんさんプロフィール

 テレビや雑誌などのメディアでも活躍する優待&バリュー投資家。2005年に株式投資を開始し、主婦業の傍ら、トヨタ自動車の1点買いなど意欲的に株式投資を続け、1億5,000万円の資産を築く。現在、優待株を中心におよそ400銘柄を保有する。投資情報や日々の暮らしを発信するブログ「ほんわかようこりん」を運営。ほぼ毎日更新している。

今年はどんな年だった?

Q:2021年を振り返って、どんな年でしたか?

A:2020年に仕込んだ優待銘柄の多くが上昇!8月下旬からの上げ相場もあり資産増加

 2021年は2月末から下げに入り、その後も軟調な相場が続くも8月後半に回復。9月には年初来高値を更新するものの長くは続かず、という具合で、なかなか難しい相場だったと思います。めまぐるしく移り変わる相場の動きに振り回されたという人も少なくないかもしれません。

 そんな中で私は、この1年で10%ほど資産を増やすことができました。2020年3月中旬のコロナ・ショックのとき、優待銘柄を数多く仕込んだのですが、その多くが上昇して利益確定できたこと、また同年8月下旬からの上げ相場にうまく乗れたことも大きかったと思います。

 ちなみに今は、財務や指標が悪くないのに、安く放置されている優待株がゴロゴロしています。日経平均が2万円台後半とは思えないほどです。これから優待株投資を始める人はいい時期だと思います。

来年はどうなる?

Q:2022年はこんな年になる!という予測を教えてください

A:日本株は上昇!新型コロナで苦戦の業界の復活にも期待

 私の投資は日本株がメインですが、日本株はズバリ上昇すると思います。日経平均株価は10年間上昇トレンドにあるので、一時的には3万2,000円を超えるとみていますが、「中国経済の不安」「新型コロナウイルスの再拡大」「米国経済の減速」「量的金融緩和の縮小」という4つの不安要素があるのは事実。この影響で、乱高下が激しい相場を想定しています。

 ただ、私の保有銘柄、欲しい銘柄の全てがこれらの影響を受けるとは限りません。個人的には例年通り、マイペースで臨むつもりです。

 私が得意とする優待銘柄では、すかいらーくホールディングス(3197)が上方修正と復配を最近発表したように、コロナ禍にありながら、がんばって結果を出し続けている企業が数多くあります。だから、2022年も積極的に狙っていくつもりです。そして、新型コロナで苦戦を続けている業種の復活を期待したいですね。

2022年の2大注目銘柄その1:自身の最注目銘柄は!?

Q:2022年に最も注目している銘柄を1つ教えてください

A:アルコニックス(3036)

「商社機能と製造業を融合する総合企業を目指す」というビジョンのもと、電気自動車やIT関連機器、半導体などで使われるアルミや銅、ニッケル、レアメタルといった非鉄金属を取り扱うアルコニックス(3036)に注目しています。上場は2006年とまだ若い企業ですが、少し前、IR(企業による投資判断情報の提供)説明会で社長さんの話が気に入りました。

 そして10年間のチャートを見るとずっと上昇トレンドで、今期第2四半期も増収増益、上方修正を出しました。現在の株価は1,581円(2021/11/24現在)で、予想PER(株価収益率)は6.68倍、PBR(株価純資産倍率)は0.85倍で、配当は48円。

 優待は100株以上を「3月末時点で1年以上保有」で2,000円相当のカタログギフトがもらえて、3年以上保有ならカタログギフトが2つもらえます。株価の上昇が期待できるし、優待も魅力的なので、オススメします。

2022年の2大注目銘柄その2:投資初心者におすすめする銘柄は!?

Q:2022年から投資を始める初心者に向けて、おすすめの銘柄を1つ教えてください

A:ヤマダホールディングス(9831)

 初めて優待株を買うとなると、「優待族」なら誰もが保有しているような有名銘柄がいいかもしれません。その中で1つ選ぶなら、国内最大手の家電量販店「ヤマダデンキ」を展開するヤマダホールディングス(9831)を挙げます。

 というのも、株価が414円(2021/11/24現在)とめちゃくちゃ安いのです。100株なら4万円少々で買えて、年間の配当と優待を合わせた利回りがとてもいい。株主優待は「ヤマダデンキ」をはじめ、グループ各店で使える優待買い物券で使い勝手も良いので、まずは4万円で「株主優待」を体験してみてはどうでしょうか。

初心者投資家へアドバイス!

Q:これから投資を始める人に向けて、投資方法や心構えのアドバイスを教えてください

A:リスクを避けながら、2つのマイルールを参考にしてみては?

 まずは当たり前のことですが、余裕資金で始めてください。株というのは、いざ買おうとすると高くなったり、安くなったので買ったらさらに安くなったりと、なかなか思うようにいかないもの。だから、リスクは極力避けることを考えてください。

 リスクを避ける方法として、投資先を分散することが大事です。例えば50万円の資金があるなら5,000円の株を100株買うよりも、500円の株を100株ずつ2種類と1,000円の株を100株ずつ4種類買うというように、1点買いではなく、いくつかの銘柄に分けて買うのがおすすめ。その後、万が一どれかが暴落しても、他が上がっていれば帳尻を合わせられるからです。

 私には「マイルール」が2つあります。

 1つは優待でもらったものは楽しんで使い切る、配当は使わずに貯めておくというものです。配当は無駄遣いせず、日経平均が急落して連れ安になったとき買い増しに充てるとか、新しい銘柄を買う資金にするとか、有効活用するようにしています。

 また、株価の下落は嫌なものですが、配当や優待がある銘柄なら、ことさら気に病むことがなくなり、投資行動が安定するかもしれません。

 もう1つは保有する銘柄が高騰したりして大きく利益が出たときに、下落してしまった「思った以上にガッカリ株」を処分することです。大きく含み損を抱えると売るに売れず、その結果、さらに資産を減らしてしまうことがあります。

 その点、利益が出たときは心に余裕があるので、こっちの銘柄は損切りして損益通算してしまおうという気持ちになれるのです。ここでも分散投資が威力を発揮します。

 この2つはあくまでも私のルール。絶対に正しいというつもりはありません。でも、私はこれらを守ることで資産を築いてきました。みなさんも自分に合ったルールと情報源を参考に、株式投資に向き合っていきましょう。

■ようこりんさんインタビュー
前編「億超え投資の道は?」
中編「優待投資家生活を公開」
後編「投資初心者にもおすすめ優待10選」