米国・イラン間で緊張高まり、日経平均急落

 年初から株式市場は大荒れです。米イラン間の緊張の高まりを受けて世界的に株が売られ、日経平均株価も大きく下がりました。8日の日経平均は、一時2万3,000円を割れました。

 まだ完全に底を確認したとは言えませんが、ここは少しずつ利回り4~6%の大型高配当株から投資していくべきと判断しています。年央にかけて日経平均は再び上値をトライすると私は予想しているからです。

「2月に2万3,000円まで下落」と予想していたが、年初3営業日で実現

 1~2月に日経平均が2万3,000円まで下落することは、私が昨年12月30日に作成した予想に、織り込み済みです。以下に、12月30日に作成した日経平均予想を、再掲します。

2020年日経平均予測:2019年12月30日時点

出所:筆者作成

 ご参考まで、12月30日のレポートに記載した、1~2月の予想を、ここに再掲します(全文をお読みになりたい方は、レポート末尾の、著者おすすめのバックナンバーから、ご覧ください)。

2020年1~2月には、反落を予想 ※12月30日のレポートより抜粋
 2019年12月まで、世界株高につれて、日経平均も上がってきました。2020年の世界景気回復を先取りする動きだったと思います。

 ただ、2019年10~12月の日本の景気・企業業績は厳しいものだったと予想されます。中国の景気悪化で、中国関連・設備投資関連株の業績が落ち込んでいます。また、世界的に自動車販売が落ち込んでいる影響から、自動車関連株の業績が不振です。それに加え、10~12月は、消費増税が日本の消費を下押ししました。

 2020年1~2月には、10~12月の景気指標・企業業績が発表になります。先行きに回復期待が強まってくるものの、足元(2019年10~12月)の景気・企業業績は不振であったことを再確認することになります。

 米中対立が一時緩和することが期待されています。部分合意は成立の見込みですが、それでも、抜本的な解決には程遠く、一時休戦を強行したことに対し、米中両国内から不協和音が聞こえる可能性はあります。

 このような問題から、1~2月は日経平均の反落を予想します。

 上記は、1~2月に起こると想定していたことです。10~12月の企業業績が厳しかったことを確認する前にいきなり中東地政学リスクが高まって、年初から一時2万3,000円割れになるのは、想定外でした。

軍事衝突があるか、今後のニュースに注目

 今後、米国・イラン間で軍事衝突が起こるか、現時点で判断できません。今後出てくるニュースを見て、考えるしかありません。

 米国・イラン間で本格的な軍事衝突がない限り、4月ころから5G(第5世代移動体通信)・半導体などの投資が世界的に盛り上がり、世界景気が回復に向かうとの見方を変更する必要はないと考えています。

 もし、米国・イラン間で本格的な軍事衝突が起こるならば、日経平均はさらなる下値を試すことになるでしょう。そうなると、世界景気が回復する時期、日経平均が上昇トレンドに戻る時期とも、先送りとなります。イランを支持する中国・ロシアと、米国の対立が先鋭化する可能性があり、米中対立の緩和、それに伴う世界景気回復の期待が遠のくからです。ただし、現時点では、そうなる可能性は低いと考えています。

重要なのは、投資する株が「割安」であること

 株式投資をする際、もっとも大切なことは、投資する銘柄が「割安」であるか否かです。私は、日本株は配当利回りや買収価値から「割安」と判断しています。

 短期の下値リスクは払拭できませんが、それでも、長期的な投資価値が高いと判断している「高配当株」にコツコツ投資していくことは、長期的な資産形成に寄与すると考えています。

 以下にご参考として、代表的な大型高配当株を5つ挙げます。

高配当利回り株5選

コード 銘柄名 配当
利回り
1株当り
予想
配当金
1月8日
株価
最小
投資金額
2914 日本たばこ産業 6.5% 154 2,370.0 237,000
8058 三菱商事 4.6% 132 2,873.0 287,300
8306 三菱UFJ FG 4.4% 25 574.0 57,400
8591 オリックス 4.2% 76 1,804.5 180,450
9437 NTTドコモ 4.0% 120 3,025.0 302,500
金額単位:円
出所:配当利回りは、今期1株当たり年間配当金(会社予想)を1月8日の株価で割って算出、今期とは日本たばこ産業では2019年12月期、その他は2020年3月期のこと。最小投資金額は、1月8日終値で、最小投資単位(100株)を買うのに必要な金額

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