日本銀行が日本株の最大の買い手
近年、日本株の買い主体として、日本銀行の存在が際立っています。年6兆円程度買うだけで、売りはいっさいしません。その結果、2017年も2018年も2019年も、日銀が日本株の最大の買い手となっています。
2017年の日本株主体別売買、買い越し・売り越し上位3主体
2018年の日本株主体別売買、買い越し・売り越し上位3主体
2019年1~6月の日本株主体別売買、買い越し・売り越し上位3主体
それでも、日経平均の動きを決めているのが外国人である事実は変わらない
日本株の最大の買い手は日本銀行ですが、日経平均株価の値動きを決めているのは、日本銀行ではありません。外国人投資家です。外国人は、買う時は上値を追って買い、売る時は下値を叩いて売る傾向があるので、短期的な日経平均の動きはほとんど外国人によって決まります。
日本銀行は、日経平均が下げてくると買いを増やしますが、上がってくると買いを減らします。したがって、日本銀行の買いで、日経平均が大きく上昇したり、高値をとったりすることはありません。日経平均の上昇を牽引するのは、外国人です。外国人が買って日経平均が上がると、日本銀行は買いを止めます。日経平均が上がり続けるには、外国人が買い続ける必要があります。
反対に、日経平均が急落する時や、安値をつけていく時も、相場を主導するのは外国人です。外国人が売れば下がり、買えば上がる傾向が、過去30年続いています。
日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と日経平均先物の合計):2016年1月4日~2019年7月10日(外国人売買動向は6月28日まで)
上のグラフを見れば明らかですが、外国人の売買に立ち向かう国内投資家は、短期的にはすべて失敗しています。2018年1~3月や10~12月は、国内投資家がいくら買っても、外国人の強引な売りの前になすすべもなく、日経平均は急落しています。ところが逆に、外国人が積極的に買ってくる時は、理屈抜きで、日経平均は上昇しています。
外国人から見ると、日本株は、世界景気敏感株です。世界のどこかで景気不安が出てくると、外国人は日経平均先物を即座に売ってきます。不安がなくなってリスクを取り始めるときは、日経平均先物に買いを入れます。
外国人投資家は、米中対立の行方を見ながら、日経平均先物を売買
外国人は、米中協議がどう進展するか見守っています。対立がエスカレートすると見れば日経平均先物を売り、対立が緩和すると見れば買ってきます。
当面、米中協議・外国人の売買動向から目が離せない展開が続きそうです。
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