今回は「石油輸出国機構(OPEC)関連国」に注目
今回は、石油関連市場を見通す上で重要な、石油輸出国機構(Organization of the Petroleum Exporting Countries 以下OPEC)に注目します。
以前にOPECについては「コモディティ☆クイズ【1】「OPEC」の世界シェアは?」 で解説しましたが、2018年6月、OPEC総会で加盟国が増えたこと、年次統計が公表されデータが更新されたことを受け、改めて取り上げることにしました。
現在、原油の減産(意図して生産量を削減して需給バランスを引き締める施策。原油価格の上昇要因)に取り組んでいるOPECは、2018年6月の総会で、条件付きで増産を決定しました。
だた、増産を決定したものの、原油価格は高止まりしたままです(2018年7月4日現在)。従来の“減産=原油価格上昇”、“増産=原油価格下落”、というような単純な状態ではないのが足元の原油相場だと言えます。
OPECのリーダー格であるサウジアラビア、共に減産に取り組んでいる非OPECのリーダーであるロシア、そして減産中のOPECに正反対の施策である増産を要請した米国(トランプ大統領)などが絡んだ、政治色を強める状況となっています。
このような状況において、OPECとはどのような国が加盟しているのか? OPECの生産シェアはどれくらいなのか? などの基礎的な知識を頭に入れておくことは非常に重要です。
OPEC関連国☆コモディティクイズ全2問
問1:OPEC加盟国(2018年7月現在)
全15カ国の国名を考えてみよう
問2:OPECの生産シェア(2017年現在)上位3カ国、非OPECの生産シェア上位2カ国、およびOPECと非OPECのシェアを考えてみよう
OPECについて☆コモディティクイズ解答と解説
答え1:OPEC加盟国の正解は…
[解説]
上図のとおり、2018年7月時点で15の国がOPECに加盟しています。直近では2017年5月に赤道ギニアが、2018年6月にコンゴが加盟しました。地域別に見てみると、中東はサウジアラビア、カタール、イラク、クウェート、イラン、UAE(アラブ首長国連邦)の6カ国、北アフリカはリビア、アルジェリアの2カ国、西アフリカはナイジェリア、赤道ギニア、ガボン、アンゴラ、コンゴの5カ国、そして南米にはエクアドルとベネズエラの2カ国となっています。
北アフリカのリビアの国旗は、赤、黒、白、緑を基調とする「イスラム・アラブ色」で構成されています。また、アルジェリアの国旗の中心にある赤い三日月はトルコと同様、イスラムのシンボルと言われます。
国旗が示すように、歴史的、宗教的にリビアやアルジェリアが属する北アフリカは中東との関わりが強く、その意味では、この2カ国は同じアフリカでも西アフリカの産油国とは異なる特徴を持っていることを意識する必要があると思います。
答え2:OPEC加盟国の生産シェアの正解は…
[解説]
OPEC加盟国で最も生産シェアが大きいのはサウジアラビアです(13.3%)。次にイラク(6.0%)、イラン(5.2%)と続きます。一方、非OPECで最も大きいのはロシア(13.9%)、次いでアメリカ(12.5%)です。2017年時点のOPECのデータでは、世界シェア1位はロシア、2位はサウジアラビア、3位はアメリカとなっています。
2018年6月時点でサウジアラビアは、2018年6月のOPEC総会で事実上決定した「増産」を早くも実施しているとみられ、サウジアラビアのシェアが今後、徐々に上昇する可能性があります。
また、減産は2018年12月で終了しますが、仮に減産が延長されなければ2019年1月以降、OPEC加盟国の中でも増産をしてシェアを伸ばす国が現れる可能性があります。
仮にOPEC加盟国の生産量が増加すれば、OPECのシェアが上昇、相対的に非OPECシェアが下落、といった変化が生じる可能性があります。(解答のとおり2017年時点でOPECと非OPECのシェアの比は44:56でした)
シェアの大きさは、発言力の大きさとも言えます。今後もOPECと非OPEC、個別の国のシェアに注目が集まります。
いかがでしたでしょうか。原油のことを知る上で、OPECを知ることは非常に重要だと思います。これを機に、ぜひ加盟国やシェアを覚えてみてください。
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