日本株に外国人の買いが復活

 先週の日経平均株価は、1週間で305円上昇し、2万2,467円となりました。円安の進行に伴い、外国人の日本株買いが復活しています。

 今週の日経平均株価も、堅調に推移する見込みです。2月から始まった下落「第1波」「2波」「3波」から立ち直り、戻りを試す展開が続いています。ただし、日経平均株価は、当面2万1,000~3,000円のボックスに留まると予想しています。まだ、上値を抜けていくには材料不足と考えています。

日経平均日足:2017年12月1日~2018年4月27日

 

 

NYダウ、ナスダックも、徐々に落ち着きを取り戻す

 NYダウも、下落3波から反発しつつありますが、米長期金利が再び3%に近づいたことが警戒され、やや上値が重くなっています。目先はボックス圏(2万3,500~2万5,500ドル)で推移すると考えています。

NYダウ日足:2017年12月1日~2018年4月27日

 

 米IT大手(フェイスブック、アマゾン、グーグル、ネットフリックスなど)の比率が高い米ナスダック株価指数も、同様の動きです。目先は、ボックス圏(6,800~7,500ポイント)で推移すると考えています。

米ナスダック株価指数日足:2017年12月1日~2018年4月27日

 

 先週は、フェイスブック、アマゾン、グーグルなど米IT大手の1~3月決算の発表が続き、注目されました。いずれも好決算で、市場に安心感が広がりました。情報流出の不祥事でバッシングを受けているフェイスブックの1~3月期純利益は、前年同期比63%増の49億8,800万ドル(約5,440億円)でした。世界のITプラットフォームを支配している強さが表れた決算でした。

 急落していた株価は決算で見直され、反発しつつあります。ただし、EU(欧州連合)が、フェイスブック、アマゾン、グーグルなど米IT大手の独占的地位に懸念を持ち、規制や独自の課税などを検討していることは、新たな懸念材料となっています。

 

3月決算が本格化。全般好調だがスマホ関連はネガティブ

 3月決算の発表が佳境を迎えています。前期実績(2018年3月期)は好調ですが、今期(2019年3月期)業績(会社予想)については、ポジティブ・サプライズ(良くて驚き)で発表直後に買われる銘柄もありますが、ネガティブ・サプライズ(悪くて驚き)で売られる銘柄も結構あります。

 スマホ関連に、市場予想を大きく下回るガイダンス(業績予想)を発表する企業が多いことが目立っているので、これはiPhone X(テン)など、高機能スマホの世界販売が不振であったことが響いています。日本の部品会社は、高機能スマホ向けが強く、影響が少なくありません。

 市場予想を下回るガイダンスを発表した主なスマホ関連株は、以下の通りです。

 自動車大手も、今期業績予想を低めに出してくる可能性があります。円高や北米での乗用車販売の減少がマイナス要因となります。27日に決算発表したホンダ(7267)は、今期連結営業利益が、前期比16%減の7,000億円と市場予想を大きく下回る会社予想を発表しました。

 一方、ポジティブ・サプライズとなる業績予想を発表する企業もあります。半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)アドバンテスト(6857)は、市場予想を大きく上回る今期業績予想を発表し、株価が大きく上昇。日立製作所(6501)は、今期営業利益が2期連続で最高益となる予想を発表し、株価が上昇しました。
 しばらく、決算を発表する企業が、その内容次第で急騰急落する流れが続きそうです。

 

決算以外の注目点:米長期金利どこまで上がる?円安どこまで進む?

 米長期金利が一時3%をつけたことが警戒されています。このまま3%を超えて長期金利の上昇が続くと、米国株が売られる要因となる可能性もあり、注意が必要です。一方、米金利の上昇は、ドル買い(円売り)の材料となっています。

 米金利上昇を警戒しつつ、円安がどこまで進むか期待する展開が続いています。

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