先週の日経平均は、2万3,000円近くに押し戻される
先週の日経平均株価は、1週間で357円下がり、2万3,274円となりました。一時、1ドル=108.26円まで円高が進んだことが嫌気されました。
<日経平均日足:2017年10月2日~2018年2月2日>
日経平均は昨年11~12月、2万3,000円が上値抵抗線となっていました。1月に入り、2万3,000円を抜けると、一気に2万4,000円に迫りましたが、今度は2万4,000円が上値抵抗線となり、打ち返された形です。
11~12月に上値抵抗線となっていた2万3,000円は、今度は、下値支持線として意識されています。ただ、先週末、NYダウが急落したことから、今週の日経平均は、2万3,000円割れを試す可能性もあります。
米金利上昇で、円安反転・NYダウ急落
先週末(2月2日)、東京市場が閉まった後、ドル/円・NYダウが、大きく動きました。この日発表された1月の米雇用統計で、平均時給が、前年比2.9%と大きく上昇していたことがインフレ加速の兆しとみなされ、米長期(10年)金利が、一時2.85%と、4年ぶりの水準まで上昇しました。
米長期金利の上昇を嫌気して、NYダウが前日比665ドル安の2万5,520ドルと、9年ぶりの大きな下げ幅となりました。一方、米長期金利の上昇を受けて、ドル/円は、1ドル110.16円と、円安に転じました。
<NYダウ日足:2017年10月2日~2018年2月2日>
<ドル円為替レート推移:2017年10月2日~2018年2月2日>
日経平均は2万3,000円割れを試す可能性も。仮想通貨急落も心理的な悪材料に
今週の日経平均は、NYダウ急落を嫌気し、2万3,000円割れを試す可能性があります。円安転換はプラス材料ですが、それ以上に、米金利上昇で、過剰流動性相場(低金利、金余りを背景に株が買われる相場)の「終わりの始まり」が意識されることが、ネガティブです。
ビットコインなど仮想通貨が急落していることも、過剰流動性相場「終わりの始まり」を意識させます。過剰流動性が、仮想通貨の急騰を生み、過剰流動性相場の終わりが意識されることが、仮想通貨の急落を招いています。世界的に仮想通貨を規制する動きが広がっていることも、さらに追い打ちとなります。
ただし、このまま日経平均が一本調子で下がるとは考えにくいところです。発表中の10~12月決算は良好で、日経平均は、PER(株価収益率)などの株価指標で見て、割安と考えられるからです。日経平均2万3,000円が下値支持線として意識され、2万3,000円割れでは押し目買いが増えると考えられます。下げ局面では、日本銀行の日本株ETF(上場投資信託)買いも増加すると考えられます。
過剰流動性相場は、まだ終わったとは言えません。目先、日経平均は、2万3,000円前後のもみ合いになると予想します。
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