22日の日経平均は127円高の15,343円でした。マレーシア航空機撃墜のニュースを受けて下げた分を、ほぼ取り戻した形です。業種別では、鉄鋼業の値上がり率が高くなりました。

(1) 鉄鋼株に強気継続

本欄で、4月以降、鉄鋼業に強気の判断を継続してきました。鉄鋼株に強気の理由は、以下のレポートを参照ください。

(2) 鉄鋼業の参考銘柄

コード 銘柄名 株価(円) 連結PER(倍) 連結経常利益 増減益率
前期実績 今期予想 来期予想
5401 新日鐵住金 313.1 10.8 369.4% 17.8% 19.8%
5406 神戸製鋼所 159 11.0 568.7% -5.9% 18.8%
5411 JFEホールディングス 2,127 10.1 232.6% 15.3% 20.2%
5413 日新製鋼 1,274 8.5 216.9% 10.0% 17.5%
5423 東京製鐵 576 9.8 119.5% 187.7% 12.8%

【注】 前期は2014年3月期、今期は2015年3月期、来期は2016年3月期のこと。経常利益の今来期予想は、7月22日時点のIFISコンセンサス予想による。

国内で、鉄鋼需要が伸びていることが、日本の鉄鋼業に追い風です。公共投資だけでなく、民間建築も盛り上がっています。従来は、内需が増えると輸入鋼材の流入が増えていたが、円安で輸入鋼材の価格が上がっているために、今は輸入品が入りにくくなっています。

もっとも注目しているのは、新日鐵住金(5401)と、JFEホールディングス(5411)です。両銘柄は、自動車用のハイエンド・スチール(高級鋼板)で世界トップの競争力を持ち、日本の自動車メーカーの成長と、世界的な自動車生産拡大の恩恵を受けてきました。

近年、韓国の大手鉄鋼会社ポスコが、技術で急速にキャッチアップしつつあることが脅威となっていました。ところが、為替市場で、大幅に円安・韓国ウォン高が進んだため、ポスコの価格競争力が低下して、日本の鉄鋼メーカーの輸出競争力が向上しています。