アニマルスピリッツで米国株が急上昇
リーマンショック(世界金融危機)以降の市場は国家管理相場となり、とうの昔に資本主義ではなくなった。
事実上、FRB(米連邦準備制度理事会)がマーケットメイクをしており、パウエルFRB議長がハト派に転向したことから、来年の大統領選挙年には中央銀行プットが相場を下支えするとの期待に満ちている。CNNの恐怖と欲望指数は12月19日には強欲レベルの「79」まで上昇し、超強欲相場が展開されている。
CNNの恐怖と欲望指数
Alfという人がXに投稿した以下の文章が現在の相場を物語っている。
物語は人を近視眼的にさせる。
金融政策は長い時間差を持って機能することが認められており、それがFRB利上げの完全な影響が明らかになるのを私たちがまだ待っている理由です。
しかし今、FRBが利下げを始めれば、すぐにその恩恵が実感できると人々は信じている。
アニマルスピリッツ!
出所:X Alf@MacroAlf
アニマルスピリッツという言葉は、経済学者ケインズが使用した言葉で、一般的には野心的な意欲を意味する。米国株市場は11月以降、アニマルスピリッツによって急騰相場となった。
筆者も11月9日に『株式市場はここから年末にかけて上昇に転じる!?』、11月16日に『バブル延命相場へGO!』というレポートを書いたが、正直に言って予想以上の上昇である。米国株市場ではFOMO(取り残されることへの恐れ)が発動し、市場の群衆は現金から株への移行に転じている。
NYダウCFD(日足)
S&P500CFD(日足)
ナスダック100CFD(日足)
一方で、日経平均株価は上がっていないが、これは円高の影響である。日本銀行の政策変更観測がさまざまな思惑を生んでおり、足元の相場は非常にボラタイルな展開となっている。日本の株式市場は為替本位制相場であるので、その動きは円相場次第となってしまう。
日経平均CFD(日足)
ドル/円(1時間足)
ドル/円(日足)
1月相場にご用心!?
さて、昨日の夜中に電話がかかってきて、何かと思えばS&P500種指数が短時間で急落しているのだという。この5日分の上げを2時間で喪失した。流動性のないクリスマス休暇シーズン特有の動きの可能性もあるが、気をつけなければならないのは1月相場だ。
S&P500CFD(5分足) 2時間で5日分の上げ幅を失う
S&P500の週足をみると、上ヒゲの陰線となっており相場反転の可能性を示唆している。
S&P500(週足)
近年の相場は1月と3月が下げやすく、「3月に買って12月に売るのがベスト!」というパターンとなっている。米国株の1月のパフォーマンスをみると、11営業日から20営業日(休日を除いたトレーディングデー)まで相場が下げる傾向にあることが分かる。
1月相場は「いってこい」や「ふるい落とし」というボラタイルな相場となりやすいので、それを考慮して慎重に相場に参入したい。
S&P500インデックスのシーズナルチャート(過去20年の平均)
12月20日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」
12月20日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」は、荒地潤さん(楽天証券FXアナリスト)をゲストにお招きして、「円安と金融抑圧は日本の国策なのか!?」というテーマで話をしてみた。ぜひ、ご覧ください。
ラジオNIKKEIの番組ホームページから出演者の資料がダウンロードできるので、投資の参考にしていただきたい。
12月20日: 楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー
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