ブログやインスタグラムで投資情報を発信している、30代ワーママ、りさぱんさんへのインタビュー、中編をお届けします。今回は、りさぱんさんがハマっている「優待つなぎ売り」についてお伺いしました。
やり方さえ覚えれば難しくはない
──りさぱんさんのインスタグラムを見ると、「優待つなぎ売り」に関するコンテンツが多いですよね。
りさぱんさん はい。インスタは、最近、投資に興味を持ち始めた同世代の女性のフォロワーが多いのですが、皆さん、優待つなぎ売りへの関心が高いようなんです。よく質問やリクエストをいただきます。
リスクを抑えて株主優待を獲得する「優待つなぎ売り」について >一般信用売建銘柄 動画で確認!つなぎ売りのポイント&実際の操作方法 *楽天証券でのつなぎ売りルールややり方については、コチラをご確認ください |
──優待投資家の中でも、やる人とやらない人が分かれる投資手法だと思うのですが、ご自身はいつごろ、優待つなぎ売りを始めたのですか?
りさぱんさん 2年ほど前です。インスタを始めた後、投資に関して情報交換し合ったりする、ネット上の優待仲間が何人かできました。その方々が優待つなぎ売りをされていたので、興味を持ちました。
──それですぐに始めたんですか?
りさぱんさん いえ。ビビりなので、すぐには無理です(笑)。「優待つなぎ売り」のことは、何となく知ってはいたんですが、リスクなく、優待品が手に入るなんて、そんなうまい話があるのだろうか、何かウラがあるのではないかなと思っていました。
だから、まずは、リスクを抑えて優待品を入手できる理由や仕組みを調べてみて、「なるほど!」と納得できたので、試してみることにしたんです。
──米国株ETF(上場投資信託)を買ったときもいろいろ調べたとおっしゃっていましたし、自分が納得してから買ったり試したりするようにしているんですね。
りさぱんさん はい。大事なお金を失いたくないので、他人任せにはしません。自分自身が納得できないものに手を出したりするのは、危険だと思います。もっとも、私の場合は、本当にビビりなので、えいっと大胆に買ったりできないだけですが(笑)。
──案外、投資は恐がりの人のほうが向いているのかもしれませんね(笑)。
りさぱんさん そうかもしれません(笑)。
──話を戻しますが、優待つなぎ売りを試してみてどうでしたか?
りさぱんさん それまで信用取引の経験がなかったので、最初は少し…いえ、かなりビビりました。優待つなぎ売りは、まずこれをして、次にこれをしてという具合に、手順に沿って、取引を進めなければなりません。できるだけ権利確定日直前に買うなど、独特のコツも必要です。
やり方によっては手数料のほうが高くついてしまったりするので、注意も必要なんです。実際、私が最初に試したときは、無事取引を終えて優待品のQUOカード500円分をもらったのですが、気付くとそれ以上に手数料がかかってしまっていて、収支はマイナスになってしまいました。
──なかなか難しいですね。
りさぱんさん でも、やり方さえ覚えてしまえば、そんなに難しいものでもないんですよ。投資を始めてわずか数年の私でもできるようになったので、そんなに警戒する必要はないです。それに、株価が下落するリスクを負わずに優待品をもらえるというのは、やっぱりありがたいです。それで、どんどんハマっていきました(笑)。
2022年は優待つなぎ売りで150個の優待品をゲット
──今はどれくらいの頻度で優待つなぎ売りを行っているのですか?
りさぱんさん 株主優待の権利確定月は、銘柄によって異なるため、月によって多い月と少ない月があります。多いときは、週に何度も行うこともあります。
──インスタグラムには、2022年は180個近く優待品をもらったと書かれていました。
りさぱんさん はい。ただ、前に話したように長期保有している優待銘柄もあるので、優待つなぎ売りでゲットした優待品は150個くらいです。
──つまり、2022年は150回、優待つなぎ売りをしたわけですか。平均すると3日に1度のペース。すごくないですか(笑)。
りさぱんさん 先ほど話したように、多少手間がかかるとはいえ、そんなに難しいものではないですよ。それで、リスクなく優待品をもらえるので、ついやりたくなってしまうんです(笑)。
──趣味みたいなもの?(笑)。
りさぱんさん はい。実益を兼ねた趣味です(笑)。
──実益も大きいんですよね?
りさぱんさん はい。食品や日用品は、優待品でかなりまかなえていますし、食事券もよくもらうので外食も現金支払いなしで気軽に行けたりします。月々の、現金で支払う生活費は、普通の家庭より少ないと思います。
──りさぱんさんは、今もフルタイムで働いているわけですよね。子育てもされているのに、よく時間がありますね。
りさぱんさん 結局、私は投資が好きなんだと思います。優待つなぎ売りに限らず、株を買ったり売ったりするのが楽しいから、忙しくてもやりたくなってしまう。いくら実益があるとはいえ、楽しいと思えなかったら、6年も続けていないと思います。
株主優待の争奪戦が巻き起こっている
──優待つなぎ売りについてもう少し聞かせて下さい。株主優待制度を導入している銘柄は、全上場銘柄の約3分の1、約1,500銘柄ほどあるといわれます。優待つなぎ売りを使えば、それら全ての優待品をもらうことも可能なんですか?
りさぱんさん 証券会社によって優待つなぎ売りができる銘柄が異なり、非貸借銘柄や制度信用しかできない銘柄もあるため、まずその点は確認が必要です。それだけでなく、優待つなぎ売りを行うには、それなりの資金が必要です。
株を保有している期間は一時的であるとはいえ、いったんは優待が獲得できる株数(最低100株であることが多いのですが)を入手しなければなりません。しかも、現物買いだけでなく、同じ価格と株数で信用売りを行うので、優待つなぎ売り用の資金はそこそこ必要です。
──りさぱんさんは、1年で150回、優待つなぎ売りを行うわけですよね。それだけひんぱんに行うと、常に複数の銘柄を保有している状態になると思うんです。相当な資金が必要ではないですか。
りさぱんさん 1年中複数の銘柄を保有しているというわけではありませんが、いつどんなときでも買える状態にしておきたいので、現金もある程度は確保しています。普段は数百万円、権利確定日が多い月は、少し余裕をもちたいので、1,000万円ほど証券口座に入金しておきます。
──かなり大金ですね。
りさぱんさん でも、このお金は優待つなぎ売りのための原資であって、減ったりなくしたりするリスクは少ないと思います。
──優待つなぎ売りを行う上で、金銭面以外にハードルになるようなことは?
りさぱんさん そもそも優待つなぎ売りを始めるには、通常の証券口座に加えて、信用取引口座を開設する必要があります。そして、信用取引口座は、誰でも開設できるわけではなく、一定の審査があるんです。
どんな要件を満たしていれば開設できるかは証券会社によって多少、違いますが、一般には通常の証券口座を持っていて、ある程度、現物取引の経験を有していることが条件になります。信用取引はリスクが高いので、投資経験がないと開設できない仕組みになっているんです。
──投資初心者がいきなり、優待つなぎ売りを始めるのは難しいわけですね。
りさぱんさん はい。さらに、優待つなぎ売りを始めた後にももう一つ、ハードルがあります。優待つなぎ売りの際は、現物買いと同じ価格と株数で信用売りを行うわけですが、信用売りというのは、証券会社から株を借りて売るということです。ところが、最近、証券会社に在庫がなく、借りたくても借りることができないことが多いんです。
──なぜですか?
りさぱんさん おそらく、優待つなぎ売りを始める人が増えたからだと思います。権利確定日直前になると、多くの人が殺到するため、すぐに在庫がなくなってしまうのだと思います。
──優待銘柄の争奪戦が起こっているんですね?
りさぱんさん そうなんです。だから、最近、インスタで優待つなぎ売りについて書くと「優待つなぎ売りの認知度が上がっちゃう!」などの意見をいただくことがあります。私は「みんなで楽しく優待つなぎ売りをしましょう」というスタンスなので、それでもオススメしちゃいますが(笑)。
──りさぱんさんは、そんな状況でも年150回実施されているわけですよね。熾烈(しれつ)な争奪戦を勝ち抜く秘策は何ですか?
りさぱんさん 2年も、ひんぱんに優待つなぎ売りを続けていると、どんなタイミングで在庫が出るか、ある程度わかってきます。そのタイミングを待って、きちんと手順を追うというのが、秘訣(ひけつ)といえば秘訣かもしれません。ただ、最大の秘訣は「優待つなぎ売りが楽しい。好き」というモチベーションですね。
>>前編「桐谷さんに憧れて始めた優待、立派なマニアに成長」
>>後編「投資で人生に自信も!FIREも夢じゃない」
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。