日本証券業協会の森田敏夫会長は21日、東京都内で開いた定例会見で、2024年から恒久化される新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)に関して「多くの投資家が中長期的に安心して資産形成に向き合えるようになる」と話した。

 NISAは2024年に恒久化され、非課税で投資できる期間も無期限に、非課税で投資できる枠は年間360万円へと大幅に拡充することが決まった。森田会長は「資産所得倍増にふさわしい内容」と高く評価した。

■新NISA、プロと投資家はどうみる?改正まとめ:恒久化、年360万円へ

 NISA大改革を巡っては、岸田文雄首相が今年5月、英ロンドンで行った基調講演において「NISAの抜本的拡充」と「資産所得倍増プランの策定」について発言したことを機に大きく動き出した。日証協は7月末、同プランの実現に向けて、NISA恒久化などを含む緊急提言を公表。金融庁が8月末に出した税制改正要望にも盛り込まれた。11月末には政府が資産所得倍増プランを正式に決め、NISA拡充が大きな柱に据えられていた。

■NISA恒久化へ。「資産所得倍増」への課題は?:日証協・森田敏夫会長に聞く

新NISA決定までの動き

出典:日本証券業協会発表資料

 日証協の要望はおおむね受け入れられたが、NISAの年齢要件撤廃など一部は採用されなかった。iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)の加入年齢引き上げについても検討課題として残っており、日証協は引き続き政府との議論を続けていく考えだ。

 資産所得倍増プランの実現に向けては、制度の拡充だけでなく金融教育も大きな柱の一つだ。森田会長は「皆さんに金融リテラシーを向上してもらうことも大事。NISAの拡充と金融教育の二つが合わさって、本当の意味で『貯蓄から投資へ』の大きな流れができる」と強調した。

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