★筆者が選ぶ10万円株は2ページ、3ページに掲載しています。
経済活動再開に向けてまん防の解除基準を緩和
3月21日を期限として、東京など18都道府県の「まん延防止等重点措置」が解除されています。1月のオミクロン株感染急拡大に伴い最大36都道府県に拡大した重点措置は、約2カ月半ぶりに適用地域がなくなりました。街の様子にも好変化が表れています。
今回の重点措置解除は、過去になかった重要なことが含まれています。3月11日に、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)は、新規感染者数が微増傾向であったとしても、まん延防止等重点措置の適用を解除できるとする新たな政府案をおおむね了承しています。
尾身会長は、ワクチンの3回目接種が一定程度進んでおり、経口治療薬の普及も見込まれることを踏まえ「社会と経済への影響がここまで長くなると、人々の心理的問題も出ている。少しずつ制限を緩和しながら、社会経済を回す時期にきている」と記者会見で説明しました。
今回の基準緩和の要旨は・新規感染者数が微増、高止まりでも、病床使用率などの医療負荷が軽減する見通し・病床使用率が50%以上で推移していても、新規感染者数は減少傾向、のいずれかを満たせば重点措置を解除できるというものです。
今後、再び感染が拡大したとしても重点措置が長期間にわたることを避けることができる、さらに過去よりも重点措置の適用が柔軟になる可能性を示唆しています。
現状でも新規感染者数は昨年と比較すると高水準で推移していますが、もしかすると、今回解除された重点措置が「最後の措置」になったかもしれないという気運につながるでしょう。
政府もコロナ感染再拡大で中断した観光支援事業「GoToトラベル」の再開をにらみ、都道府県内の旅行を補助する「県民割」の対象を4月1日に拡大することを明らかにしています。複数の都道府県で地域ブロックをつくり、県境をまたぐ旅行の費用も割引するとのことです。
この後、すぐにゴールデンウイークがあり、そのあと夏の行楽シーズンも到来します。株式市場ではこの動きを反映して、東京ディズニーランドとディズニーシーを運営する「オリエンタルランド(4661・東証1部)」の株価が上昇、驚いたことに1月末から動意を見せています。
この銘柄は国内のレジャー動向を反映することで知られているものです。他にも日本航空(9201・東証1部) 、ANAホールディングス(9202・東証1部) も話題にのぼりますが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けやすい空運株に比べ、指標性が高いかもしれません。
・オリエンタルランドの日足6カ月チャート
より細かな消費関連株に目を向けることができそう
株式市場は先行して状況を反映する傾向があるため、ここでの銘柄選択についてはさらに先を見越していく、過去の重点措置解除時にはそれほど話題にならなかったものまで目を向けていきたいと思います。
いずれも10万円以下で投資可能な銘柄です。「GoToトラベル」再開の先に、「GoToイート」再開までを見越して、まず「外食関連株」を取り上げます。
10万円以下で投資可能な消費関連株
株価データは2022年3月22日終値ベース。
ぐるなび(2440・東証1部)
インターネットの飲食店情報/予約サービス「ぐるなび」を運営しています。
・1年日足チャート
Retty(7356・マザーズ)
実名で口コミを投稿するグルメサイト「Retty」を運営しています。
・1年日足チャート
ワタミ(7522・東証1部)
居酒屋「鳥メロ」などを国内外で展開。焼き肉・から揚げ店にも注力しています。
・1年日足チャート
HUB(3030・東証1部)
首都圏中心に英国風パブ「HUB」、ウイスキーバー「82」を展開しています。
・1年日足チャート
このほか広義の外食に該当する「カラオケ関連株」にも本格出直り期待が生じてくる公算です。
コシダカホールディングス(2157・東証1部)
「カラオケまねきねこ」、ひとりカラオケ「ワンカラ」も展開しています。
・1年日足チャート
さらに先にはソーシャルディスタンスに対する意識の変化が見られるかもしれません。コロナ禍の行動様式変化が、業績の重しとなった業態には回復期待が次第に出てきそうです。「フィットネスクラブ」や「パチンコ」に関連した銘柄がそれに該当します。
カーブスホールディングス(7085・東証1部)
50歳以上の女性を中心顧客層とする体操教室「カーブス」を全国でFC展開しています。
・1年日足チャート
フィールズ(2767・東証1部)
パチスロ卸最大手企業です。ホール経営の総合支援サービスも行います。
・1年日足チャート
遠くない時期にファイザー社、モデルナ社のオミクロン株対応ワクチンの開発、塩野義製薬の国産ワクチン承認なども予想され、さらなる行動再開気運の高まりにつながるかもしれません。
そうなると内需消費に関連する銘柄には広く回復期待が生じることになります。ただ、コロナウイルスが消滅するわけではないことから、注意が必要であることには変わりがなく、状況の変化には機敏に対応したいところです。
政府分科会の尾身会長も「春休みや歓送迎会、花見などの季節が近づき、オミクロン株の変異株もある中で重点措置を解除すれば、感染者が増えるのは間違いないと心配する声があり、委員からは感染リバウンドに注意すべきという意見が聞かれた」と分科会で議論の内幕を明らかにしています。
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