つみたてNISAって何?

 つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)とは、投資の利益に通常なら約20%かかる税金がゼロになるという制度です。

 この制度を利用して投資信託を毎月積み立て購入した場合、年間(1~12月)の投資額40万円分までの投資で利益が出たとき、最長20年間、税金がかかりません。そして、この制度を活用できる投資商品は、金融庁の取り決めた基準を満たす投資信託に限定されています。その意味でも、初心者の投資スタートに活用しない手はないと言えるかもしれません。

たくさんある投資信託から、どのファンドを選ぶといい?

 つみたてNISAを活用する投資信託の商品(ファンド)の選択に迷ったら、ひとまず1つのファンドを購入するだけで、ポートフォリオが完結する「オールインワン型」と覚えておくとよいでしょう。

「オールインワン型」の代表的な投資信託のタイプは、株式や債券など複数資産に投資するバランス型と、幅広い銘柄を網羅した外国株式インデックス型です。

バランス型の投資信託のメリット

 バランス型は、投資家が自分でリバランス(資産の再配分)をしなくても、ファンドの中で「勝手に」、資産配分や地域配分を調整してくれるので便利です。自分のリスク許容度や好みに合わせて、より安定的な運用を目指すタイプから、積極的な運用を目指すタイプまで選ぶことができます。

 また、あらかじめ決められた西暦年をゴールに設定して運用される「ターゲットイヤー型」と呼ばれるファンドもバランス型の一種です。このタイプは一般的に、ゴールの年に近づくにつれて株式の比率を少しずつ下げる一方、債券の比率を引き上げていくというターゲットイヤー運用を行います。

外国株式インデックス型の投資信託のメリット

 特定の指数に連動した運用成果を目指すインデックス型は、長期的な世界経済成長の恩恵を期待できる外国株式型をおすすめします。

 国内株式については、株価指数に連動するインデックス型よりも、積極的なリターンを追求するアクティブ型を取り入れると良いでしょう。

■参考になる記事:≫アクティブファンドの本質は「自由度の高さ」にあり

つみたてNISA枠で始める!初心者向け投資信託10選

 それでは具体的にどんなファンドを選ぶべきか分からない人のために、つみたてNISAに適したファンド10本をご紹介します。

おすすめ タイプ ファンド名
1 インデックス型 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
2 インデックス型 楽天・全米株式インデックス・ファンド
3 インデックス型 eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
4 インデックス型 <購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド
(GDP型バスケット)
5 アクティブ型 年金積立 Jグロース
6 バランス型 たわらノーロード 最適化バランス(安定成長型)
7 バランス型 東京海上ターゲット・イヤー・ファンド2045
8 バランス型 楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)
9 バランス型 楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)
10 バランス型 楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)

1:楽天・全世界株式インデックス・ファンド

 日本と新興国を含む全世界の株式、約8,000銘柄に実質的に投資ができるインデックス型ファンドです。大型株だけでなく、中型株と小型株も組み入れている点がポイントです。

2:楽天・全米株式インデックス・ファンド

 米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%にあたる、約4,000銘柄に実質的に投資ができるインデックス型ファンドです。大型株から中小型株まで網羅されています。

3:eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

 中国、韓国、台湾、インド、ブラジルなど、計26の新興国に投資ができるインデックス型ファンドです。「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」や「年金積立 Jグロース」と組み合わせてもいいでしょう。

4:<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)

 日本と新興国を含む世界の株式に投資ができるインデックス型ファンドです。日本、日本を除く先進国、新興国、各地域の基本投資割合は、名目GDP(国内総生産)総額の比率に基づき決定します。

5:年金積立 Jグロース

 成長率が高く、株主還元に積極的な国内企業の株式を選定し、投資を行います。TOPIX(東証株価指数)を上回るリターンを目指すアクティブ型ファンドです。

6:たわらノーロード 最適化バランス(安定成長型)

 国内外の株式、債券、REIT(リート:不動産投資信託)に分散投資し、目標リスク水準7%を目指します。リスクをある程度抑えて運用したい人の選択肢としておすすめです。同じシリーズで、異なる目標リスク水準のファンドも展開されているので、ニーズに合わせて選ぶことができます。

7:東京海上ターゲット・イヤー・ファンド2045

 日本と先進国の株式、債券の双方に投資を行います。ターゲットイヤーの10年前となる2035年に近づくにつれ、株式の比率は緩やかに減少、債券の比率を緩やかに増加させて、安定的な運用にシフトさせていきます。

8:楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)

 日本を含む全世界の株式と、高格付の債券に投資するバランス型ファンドです。株式50%、債券50%の基本配分で運用されるこのファンドは、最初の1本としてもおすすめです。

9:楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)

 日本を含む全世界の株式と、高格付の債券に投資するバランス型ファンドです。株式70%、債券30%の基本配分で運用されるこのファンドは、より積極的な運用を目指したい方に向いています。

10:楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)

 日本を含む全世界の株式と、高格付の債券に投資するバランス型ファンドです。株式30%、債券70%の基本配分で運用されるこのファンドは、大きな値動きを避けたいという方に向いています。