YouTubeチャンネル『もふもふ不動産』を運営する、もふ社長さんインタビューの中編をお届けします。今回は、もふ社長さんが最も得意とする不動産投資についてお伺いしました。

中古アパートの1棟買いで成功を収めた

──ここからは不動産投資についてお聞きします。まずは不動産投資って何? という人のために、どういうものなのか、簡単にお教えいただけますか。

 ひと言でいえば一戸建て住宅やアパート、マンションなどを買って、大家さんになることです。

 1棟物のアパートやマンションなどは何千万円もします。「そんなの普通は買えないよ」と思われると思うのですが、実は銀行からの融資を受けて購入することができます。

 これは株にはない不動産投資の最大のメリットの1つです! 簡単ではないですが、資産家でない普通のサラリーマンでも融資が出る可能性は十分にあります。

 そして、買った物件の家賃から、返済など全てを支払っても手元にお金が残ることが大切です。

手残りの金額 = 家賃収入-返済-経費(管理費用や修繕費や税金など)

 これがもしマイナスになったら、どんどん現金が減っていってしまうので、生活が苦しくなります。

──家賃収入で稼ぐのが不動産投資、ということでしょうか。

 それだけではありません。例えば1,000万円で買って、10年後に2,000万円で売れたら1,000万円の利益が出るわけです。

 安く買って、高く売るというのも不動産投資の1つです。ただし、宅建業者でない方の反復継続売買は禁止されているのでご注意ください。

──株式投資は、銘柄によりますが、保有していると配当金や株主優待がもらえます。株価が上がって売れば売却益が入ります。それと同じで、家賃で稼ぐ方法と売却益で稼ぐ方法があるということですか。

 はい。もちろん株式投資同様、いい物件を買えばその両方を狙うことができます。

──もふ社長さんは2014年に不動産投資を始めたそうですね。具体的にどんな物件を買ったのですか。

 最初、不動産投資に興味を持ったときは区分マンション、つまりマンションの1室を買って他人に貸そうと考えていました。でも、1冊の本に出会い、考えを改めました。

──どんな本ですか?

『まずはアパート一棟、買いなさい!』という本です。

 一般に区分マンションに投資すると、年間利回りは4~5%といわれています。ところが、この本には、中古アパートを丸ごと1棟買えば、20%も不可能ではないと書かれていました。

 それで、ほかの本を読んだりして調べてみたら、その本にある通り、中古アパート1棟買いのほうが効率よく稼げるとわかったんです。だから、最初から中古アパートを買いました。

──もふ社長さんのバイブルですか。

 そう言っていいと思います。この本は私だけでなく、不動産投資家にとってのバイブルみたいな本です。少なくとも私くらいの世代の不動産投資家は、ほぼ全員読んでいるし、何らかの影響を受けていると思います。

 だから、少しでも不動産投資に興味があるなら、まずはこの本を手に取ってみることを勧めます。

不動産投資は会社員に向いている

──マンションの1室を買うより、中古アパート1棟買うほうが効率よく稼げると教えていただきました。でも、アパート1棟ともなるとそれなりの価格です。借り入れも多くなるので、リスクが大きすぎませんか。

 例えば東京のど真ん中にあって、築年数も新しかったら、そうとうな金額になるでしょう。でも都心から離れていたり、あるいは地方都市だったりすれば、皆さんが思うほど高くはありません。

──ちなみにどれくらいですか。

 建物の規模や部屋数などにもよるので一概にはいえませんが、私が最初に買った中古アパートは3,500万円でした。もちろん、大都市圏ではなく、地方の物件です。

──ミクシィ株で稼いだ資金を元手にしたとのことですが、不足分は融資を受けたのですか。

 はい、銀行融資を受けました。

──個人でも融資を受けられるのでしょうか。

 個人でも不動産投資で融資を受けることは可能です。私の周りの専業大家さん友達は、サラリーマン出身が多いです。

 ただし誰でも簡単に借りられるというわけではなく、ハードルは高いです。

 サラリーマンなら、年収がいくらか、勤続している会社はどこか、資産をどれくらい持っているか、買う物件の担保評価や収益性は妥当か? などを審査されます。法人なら決算書が良くないと難しいでしょう。

──不動産投資は会社員に向いていると言えるでしょうか?

 そう思います。それは融資を受けやすいという点だけでなく、例えば不動産投資は、物件を買って軌道に乗せるまでは大変なのですが、運営が軌道に乗った後はあまりやることがありません。

 さらに外注化の仕組みも整っています。ほとんどの業務を依頼することが可能です。入居者の募集や管理業務は普通、地元の不動産会社などに依頼するので、手を煩わすことが少ないんです。そういう意味でも会社員向きといえるでしょう。

──株式の1点買いで精神的に疲れてしまったとのことでしたが、不動産投資は精神的にはどうですか。

 例えば入居者が退去し、次の入居者がなかなか決まらないといったときはちょっと焦ります。また、家のどこかが壊れたという報告があれば、対処しなければなりません。

 でも、いい物件を買えば、そうしたことに悩まされることは少ないです。私の場合もトラブルに発展したようなことは一度もありません。

不動産投資は「投資」ではなく「事業」

──何千万円も借金することに抵抗を覚える人もいると思いますが、それが嫌でなければ挑戦してみる価値はありそうです。

 不動産投資が資産を増やす有効な手立てであるのは間違いありません。ただし、これは声を大にしていいたいですが、安易な気持ちで始めるのは絶対にやめるべきです。

──借金するだけにリスクが大きい、ということでしょうか。

 はい、それに、不動産投資というのは「投資」ではなく「事業」なんです。

 どんな物件をいくらで買うか、どこで融資を受けるか、どのように入居者を募集するか、家賃をいくらにするか、老朽化したらどうするか。これらをすべて、自分で考え、自分で決めなければなりません。そして、その判断を誤ると、大きな損失を負う恐れがあります。

──きちんと勉強してから始めるべきですね。

 それはもう絶対です。私は『まずはアパート一棟、買いなさい!』以外にも、たぶん100冊は本を読んだと思います。

──何も知らずに始めると、例えばどんなリスクがあるでしょうか。

 不動産には定価というものがありません。その物件の持ち主が5,000万円なら5,000万円と決めるわけです。そのため、必ずしも適正な価格で売られているとは限りません。なかには本来の価値とはかけ離れた価格がついた物件もあります。

 したがって、まったく無防備な状態で臨むと、相場よりはるかに高い価格でつかまされる恐れがあります。

 たとえば5,000万円の物件を7,000万円で買ってしまったら、買った瞬間に2,000万円のマイナスです。このリカバリーは難しいです。逆に5,000万円の物件を3,000万円で買ったら2,000万円の含み益で、この差はとてつもなく大きいです。

 普通はこんなことないと思いますが、不動産投資では「市場のゆがみ」が大きく価格がわかりにくいので起こり得るんです。

──相場よりはるかに高い物件を買ってしまったら、売却益なんてとうてい望めませんね……。

 はい。しかし残念なことに、実際にこういう失敗をされている方が多いです。勉強しないで業者さんやコンサルに言われるまま、高く買わされてしまうケースがあります。

 しっかりと勉強して相場がわかるようになるのが大切です。

──逆に相場より安く買うチャンスを見つけられれば、大きな利益が出ます。でも、簡単に見つかるものではありませんよね。

 滅多にありませんが、皆無でもありません。

 例えば、相続などの事情があって急いで売却しなければならず価格を下げていたり、空室が多いまま放置されている物件が本来の価値より安く売られたり、不動産屋さんが相場をわかっていなくて安値をつけていたりすることがまれにあります。

 本来の価値よりも安く手に入れた物件は、買ってすぐに売ったとしても利益が出ます。そういった「市場のゆがみ」を見つけることが利益を出すポイントです。

──物件探しはどのように行っていますか。

 毎日データを見て、買いだと思える物件を探します。

 目利きは厳しくしていて、「数年後に値段が上がる物件」ではなく「買ってすぐ売ったとしても利益が出る物件」だけに絞って買うようにしています。

 もちろんすぐに売却するわけではなく長期保有していますが、何かあった時に売っても利益が出る物件を持っていると気持ちの面でも安心です。また、銀行からも資産をプラスに評価され、次の融資にもつながりやすくなります。

──良い物件を見つけ出すコツなどはありますか?

 株もそうですが、市場のゆがみを見つけ出すには、その物件に本来どれくらいの価値があるか分かることが重要です。

 私はデータを比較検討するのが好きで毎日たくさん見ています。毎日見ていれば価値が分かってきて、買うべき物件が見分けられるようになってくると思います。

──お宝物件を見つけたときはやっぱりうれしいですか。

 うれしいです。お宝物件と言えるのは1万件に1件くらいですが、たまにそういう物件を見つけ出して高く売れるときが、不動産投資の一番の醍醐味(だいごみ)といえるかもしれません。

──現在は、何棟お持ちなんですか。

 現在は4棟を保有しています。

──4棟合わせると家賃収入はどれくらいになりますか。

 月200万円くらいですかね。といっても銀行融資の返済が月100万円ほどあり、そこから経費も引かれるので手残りはもっと減ります。

──ありがとうございます。後編では、会社を退職して独立した経緯やYouTubeで成功を収めたお話などをお伺いします。

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【前編】もふ社長の株式投資経験。徹底的に調べて1点買い、1,500万円の利益獲得
【後編】もふ社長の投資・ブログ・YouTube成功の秘けつは?