株主優待銘柄情報が満載のYouTubeチャンネル『株主優待と配当大好きわっけ』を運営する、わっけさんインタビューの中編をお届けします。
今回はわっけさんのお気に入り優待銘柄であるKDDIやオリックス、イオンなどについて、さらには優待銘柄を購入するときの注意点についても聞きました。
※本文内の銘柄に関する情報は、2021年3月10日時点での内容です。
個人投資家を大事にする企業の銘柄なら安心
──わっけさんは優待銘柄だけで30銘柄保有されていると伺いました。その中で、特にお気に入りの銘柄があったら教えていただけますか。
優待の定番みたいな銘柄ですが、KDDI(9433) とオリックス(8591) は外せません。すでに株主優待を始めている人はご存じだと思いますが、どちらも優待のお得感が高いのと、カタログギフトをもらえるという点で非常に人気です。
KDDIは年1回ですが、100株以上で3,000円相当、1,000株以上保有していると5,000円相当のカタログギフトがもらえます。さらに5年以上保有していると、それぞれ5,000円相当、1万円相当にグレードアップします。
──カタログギフトは人気がありますよね。
オリックスは年2回で、3月にカタログギフトがもらえます。100株以上でやはり5,000円相当といわれるギフトがもらえるのですが、こちらは3年以上保有でグレードアップされます。
さらに9月にはホテルやレストラン、水族館などの割引券がもらえます。優待品だけで比較したら少しオリックスが上かもしれません。
──では、どちらかといったらオリックスですか。
そこは一概には言えません。僕は優待目的で株を買うのも全く問題ないと思いますが、その場合も会社の業績や成長性を考慮するべきだと思っています。業績や成長性で考えると、KDDIとオリックス、どちらを選ぶかは悩ましいですね。
──両方買ってもいいでしょうか。
もちろんいいと思います。個人的な感想ですが、この2社は個人投資家をすごく大事にする企業なんです。情報開示も徹底しています。
そんな企業が、ある日突然、株主優待を廃止するとか、優待を改悪するといったことは考えにくいです。
それにこの2社は、少なくとも倒産するような企業ではありません。そういう意味でも安心して保有できる銘柄の筆頭だと思います。
──なるほど。2社とも株価はそんなに高くないので、比較的、手頃な額で購入できるというよさもありますね。
KDDIは株価が3,000円を超えるので、最低30万円は必要ですが、オリックスは1,800円程度なので20万円以下で買えます。20万円以下の投資で、3,000円相当のカタログギフトに加え、いろんな割引も受けられるわけですから、かなりおトクだと思います。
──この2社以外ではいかがですか。
これも王道中の王道ですが、大手流通チェーンのイオン(8267)も要チェックです。ここもとにかく優待が充実しています。
100株以上保有すると、株主優待カードが発行されるのですが、これがあるといろいろな特典を受けられます。イオンで買い物するとキャッシュバックがあったり、レストランなども割引が適用されます。
それともう1つ、映画も安く観られます。イオンシネマなら通常1,800円のところ、1,000円で観ることができます。しかも、ポップコーンかドリンクの引換券つき。年に何本も映画を観るという人には、イオンがイチ押しかもしれません。
配当や優待の利回りが高すぎる場合は要注意
──優待投資初心者は、いま挙げていただいたKDDI、オリックス、イオンあたりを買っておけば間違いないでしょうか。
はい。あとは、ビックカメラ(3048) や吉野家(9861) も注目です。
ビックカメラは100株で年間3,000円分の商品券がもらえて、保有株数および保有期間に応じてグレードアップされます。
吉野家は100株でも1年間保有していると、何と6,000円分の食事券がもらえます。牛丼が嫌いでなければ一考の価値があると思います。
──長く保有すると優待品がグレードアップされる銘柄も、けっこうありますね。
最近、多いですね。最初から長期保有を考えているなら、そういう銘柄を狙うのも一つの手です。
──では、反対にあまり勧められない銘柄は、どんな銘柄でしょうか。
利回りが高すぎる銘柄は注意したほうがいいかもしれません。もちろん、配当にせよ優待にせよ、利回りは高いほうがいいです。でも、普通にはありえないくらい高い場合、何か理由がある場合が多いです。
例えば業績悪化や先行き不安で、市場から放置されて株価が下がり、相対的に利回りが上がっている場合は要注意です。
──その場合、株価が下がって損をする可能性が高いということでしょうか。
はい、実際、僕も何度か失敗したことがあります。何年か前のことですが、配当と優待を合わせた利回りが8%を超える銘柄を見つけました。そのときはお宝を発見した気分でしたが、購入後すぐ株価が急落し、ひどい目にあいました。
──たしかに8%は高いですね。
通常は高くても4、5%です。それ以上高い場合は疑いの目で見たほうがいいかもしれません。
──ほかに注意したい銘柄はありますか。
これは個人的な感想ですが、新たに株主優待を導入した企業で、優待品がQUOカードの銘柄を買うときは少し注意したほうがいいかなと思います。
──どういうことでしょうか。
企業がなぜ株主優待制度を導入するかというと、1つは株主を集めるためです。とくに最近は優待がブームになっているので、これまであまり個人投資家に目を向けていなかった企業も優待を始めるようになりました。
ところが、そうした企業の中にはその目的を達成するや、優待を廃止するところがあります。そういう企業は優待品をQUOカードにしているケースが多いんです。
──それはなぜですか。
自社製品の詰め合わせや食事券、割引券を用意するより手っ取り早く、簡単に導入できて簡単にやめることができるからだと思います。
──なるほど。とはいえ、優待品をQUOカードにしている企業がすべてそうだというわけではないですよね。
もちろんです。QUOカードはいろいろなお店で使えるので人気もあり、長年QUOカードを優待品にしている企業もたくさんあります。
ただ、新たに株主優待を導入した企業で、優待品がQUOカードだったら、いったん様子を見るのも手かなと思います。
東証の市場区分変更によって何が変わる?
──ところで、2022年4月に東京証券取引所の市場区分が変更されます。現在の4市場から「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編される予定ですが、このことが株主優待に影響を与えるのではないかという見方があります。
わっけさんはどう思われますか。
多少は影響があると思います。というのも、現在の東証1部上場企業はプライムへの移行を目指すと思うのですが、プライムでは必要な株主数が大幅に緩和されます。
現在は2,000人必要なのですが、プライムになると800人に変更されます。つまり、無理に株主を増やす必要がなくなるんです。
──株主を増やすために株主優待を導入する企業は少なくなりそうですね。
はい。今現在、株主優待を導入している企業のなかにも廃止に踏み切るところが出るかもしれません。
──株主優待制度のある企業は激減してしまうのでしょうか。
それはないと思います。株主優待は2000年代に入った頃から急速に普及したのですが、今では全上場企業の3分の1近くが導入しています。個人投資家からの人気もどんどん高まり、優待目的で投資を始める人も増えています。
そんな状況がガラリと変わるようなことは考えにくいです。仮に廃止に踏み切る企業が出たとしても一部に過ぎないと思います。
──優待ファンも心配は不要でしょうか?
僕はそう思います。
──安心しました! 次回は3月権利確定の優待銘柄などについてお伺いします。
わっけさんに聞く、優待投資の魅力―インタビュー【前編】
わっけさんが選ぶ、3月権利確定の優待銘柄―インタビュー【後編】
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