“バイデン・ワクチン相場”終了⁉暗号資産、主要株価指数が下落
先週は、ビットコイン、イーサリアム、プラチナが下落しました。いずれも、先々週、大幅上昇した、“無国籍資産”、“準通貨”などと言われる銘柄です。先週のこれらの銘柄の下落は、先々週までの大幅上昇の反動、と言えそうです。
一方、小麦と原油の上昇が目立ちました。小麦は、産地の天候不順など、原油はOPECプラス※が会合で、現在実施している原油の減産について、来年1月の減産幅を予定よりも縮小しないことを決定したことが、上昇した要因と考えられます。
※サウジアラビア、イラクなどのOPEC加盟国13カ国と、ロシア、カザフスタンなどのOPECに加盟しない非OPEC諸国10カ国の合計23の産油国の集団。世界の原油供給の半分以上のシェアを占める。(2020年12月時点)
先週は、上昇銘柄数が7(18)、下落銘柄数が18(7)、最大と最小を除く変動率の平均は▲0.6%(+1.3%)でした。全体的には、12月4日(金)から11日(金)の期間は“おおむね弱かった”と言えると思います。
※プラチナ(白金)の今後の価格動向について、今週の週刊コモディティレポート『2021年のプラチナ6大予測:新しい上昇要因で1,300ドル程度まで上昇!?』で述べています。
12月4日(金)と12月11日(金)のジャンル横断騰落率ランキング
先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し
先週は、“おおむね弱かった”と書きました。“おおむね強かった”と書いた先々週と正反対の値動きだったわけです。先々週の値動きは、こちらよりご覧ください。「原油上昇、仮想通貨も好調【ジャンル横断・騰落率ランキング】」
先々週は、11月3日の米国大統領選挙の投票日から始まった、期待先行相場“バイデン・ワクチン相場”が続いていたことにより、上昇銘柄数と下落銘柄数は、17、8と、本コンテンツで参照している銘柄25銘柄のおよそ3分の2が上昇する強い相場展開でした。
一方、先週の上昇銘柄数と下落銘柄数は、8、17と、先々週の逆で、およそ3分の2が下落する弱い相場展開でした。先々週から先週にかけて、“市場全体の環境が逆転した”、と言えます。
このような変化は、期待先行相場“バイデン・ワクチン相場”に陰りが見えたことを示唆していると考えられます。先週は、同相場で急上昇した各国の主要株価指数、暗号資産などが総じて下落しました。逆に、同相場で下落した金(ゴールド)が上昇しました。
期待先行相場“バイデン・ワクチン相場”は、バイデン氏の米大統領選挙の勝利宣言、その後同氏が進めた“多様性”を強調した人事、同時進行した有効性の高い新型コロナウイルス向けのワクチン開発が進んだことの報道などがもたらした“強い期待の塊”であると筆者は考えています。強い期待をもたらしたこれらの要素の共通点は“未だ実現していないこと”です。
先週、英国でワクチンの一般人への接種が始まり、米大統領選挙の選挙結果の無効を訴え、テキサス州の司法長官が、ペンシルベニア、ウィスコンシン、ミシガン、ジョージアの東部4州を提訴したものの、最高裁がいずれも却下され、バイデン氏の勝利がより確定的となりました。
つまり、先々週まで、未だ実現していなかった“バイデン”・“ワクチン”両方の材料が、実現化し始めたわけです。“期待”で上昇した相場において、その原動力となった材料の“実現”は、“材料の織り込み済”を意味します。つまり、先週、期待先行“バイデン・ワクチン相場”のピークを越えた可能性がある、ということです。
今週は、期待先行相場“バイデン・ワクチン相場”が、本当にピークを越えたのかを、確認する週になるとみられます。“バイデン・ワクチン相場”が、まだ継続しているのか、もうピークを越えたのかは、来週以降の相場予想にも関わる重要な点であるため、今週が再び、11月のように総じて高い展開となるのか、先週のように、弱い展開となるのか、ジャンルを横断した全体的な幅広い銘柄の動向に、要注目です。
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