今回は人気ブログ『よしぞうの投資ライフ(億超えの次へ)』を運営する、サラリーマン投資家、よしぞうさん(40代)にご登場いただきました。よしぞうさんは、投資歴16年というベテランですが、これまで日本株を購入したことは1度もないそうです。よしぞうさんが投資しているのはズバリ「中国株」。なぜ中国株なのか、中国株の魅力について深くお話を伺いました!

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▼よしぞうさんProfile

 中国株ランキングで常に上位! 人気ブログ『よしぞうの投資ライフ(億超えの次へ)』を運営する、AFPの資格を持つベテラン投資家。2004年10月、100万円を元手に中国株投資を開始し、2018年、ついに投資資産1億円を突破。保有銘柄は、テンセント、アマゾンなど。投資手法は長期投資・集中投資。Twitterアカウント よしぞう@yosizoudesu

▼よしぞうさんの投資ヒストリー

社会の出来事 年度 よしぞうさんの投資歴
新潟県中越地震 2004 元手100万円で投資開始。
郵政解散、小泉郵政選挙による株価の急騰 2005 投資を始めて1年ほどで2倍になった株などもあり、中国株にのめり込み始める。
ライブドア・ショック、村上ファンド・村上世彰の逮捕 2006 米国の利上げによる景気不安懸念により新興国株安が起こり、含み損がある銘柄は損切りしていったが、結局その後に損切りした銘柄はみんな上昇してしまうという痛い目にあう。
上海ショック(中国の上海市場から始まった世界同時株安。前日比▲8.84%の大暴落) 2007 1,000万円の投資元本が一時は2,500万円にまで! 絶好調!
リーマン・ショック 2008 リーマン・ショックに巻き込まれて1銘柄(当時の主力株であるウェイガオ)のみを残して売却するも、そのウェイガオが大暴落。1日で30%も下がって約100万円もの損失を出す。最終的に投資資産は980万円にまで激減。
クライスラー、ゼネラルモーターズ破綻、ギリシャ・ショック、ドバイ・ショック 2009 中国株への投資を再開する。テンセント、康師傅などを保有。
東日本大震災、米信用格付引き下げ 2011 投資先銘柄を5~6銘柄に絞り、集中的に投資する。
アベノミクス相場開始 2013 保有している6銘柄中5銘柄が大幅上昇、投資資産は年始から2倍近くに増加。
イギリスのEU(欧州連合)離脱国民投票 2016 アマゾンなどの米国株にも投資範囲を広げる。
2017年の中国の名目GDP(国内総生産)は日本の約2.5倍 2017 集中投資しているテンセントが1年間で2.2倍に。資産60%増! 好調!
コインチェックから仮想通貨のNEM(ネム)が約580億円もハッキングによって盗まれる 2018 テンセント売却。投資資産額1億円突破! ただしその後6,600万円まで下げる。2017~2018年の2年間では投資資産が1,205万円増。リターン+22%。
  2019 投資資産7,800万円(投資元本1,400万円)

「投資の神様」に後押しされて中国株への投資を決意した

──ブログの副題に「億超えの次へ」とありますが、すでに1億円を突破しているということですか?

 はい、2018年に投資資産が1億円を超えました。ただ、その後、主力銘柄が下落したため、今は1億円を切っています。正確にいうと7,800万円ほどです。

──投資元本はどのくらいなのでしょうか?

 これまで投資した分をすべて合わせると1,400万円くらいです。だから、投資で得た利益は約6,400万円ということになります。16年間コツコツ続けてきた成果ですが、まあ、悪くない数字だと思っています。

──「悪くない」どころではないと思いますが(笑)。勝因はやっぱり中国株に投資したことですか?

 そうですね。日本株に投資していたらどうなっていたかは分かりませんが、少なくとも5倍近くにまで増やすことはできなかったと思います。

──よしぞうさんは2004年に投資を始められたんですよね。そのときから中国株一筋だったのですか。

 はい、最初から中国株です。日本株は1度も買ったことがありません。ただ、2016年に米国株投資を始めたので、現在は中国株と米国株の2本立てです。

──そもそも、なぜ株式投資を始めようと思ったのですか。

 結婚して子供ができ、将来のことを本気で考えるようになったのがきっかけです。うちは妻も働いているので、預金はそこそこあったのですが、銀行に預けておくだけでは増えません。インフレになって商品価格が上がると実質的に資産は目減りしていきます。だったら自分でなんとかして増やすしかないかな…と考えました。

──それでいきなり中国株に狙いを定めたんですか?

 いえ、最初は日本株を買うつもりでした。株式投資に詳しいわけではなかったので、まずは株主優待のある大型銘柄でも買ってみようかなと。

──でも、買わなかったんですね?

 いろいろ調べるうち、中国株に関心が移っていったんです。投資を始めるなら、経済成長が見込まれる市場を狙ったほうが有利なのではないか、だとしたら少子高齢化が進み、経済成長が滞っている日本よりも、中国市場のほうがはるかに期待できるのではないか…と。当時、中国は毎年10%の成長率を誇っていて、その勢いはまだまだ続くと考えられていました。

──しかし、その頃は、政治面や国際情勢などを不安視して、中国市場に対して懐疑的な人が少なくなかったと思います。そういう不安はなかったのですか。

 なかったといえばウソになります。

投資の神様、ウォーレン・バフェットが将来性を見込んでいるならば…と判断したよしぞうさん。トウシルでもバフェットの名前を冠した特集や記事は投資家に絶大な人気。

 

──でも、期待が上回ったのですか?

 はい。その頃、よくウォーレン・バフェットの本を読んでいたのですが、かのバフェットも中国株に投資していて、ペトロチャイナ(石油や天然ガスの採掘、販売を手掛けている中国有数の巨大企業)の大株主になっていました。それで「投資の神様」が目をつけているなら、そう心配することはないだろうと思ったんです。それに当時は、世界的な大企業がこぞって中国に進出し始めていたころで、それを踏まえると、政治的な理由などで多少後退することはあっても、突然、経済成長が止まることはないだろうと考えました。

──家族は賛成してくれたのですか。

 いえ、「中国株? ほんとに信用できるの?」と妻には大反対されました(笑)。だから、最初は、僕のポケットマネーというか、独身時代から貯めていたへそくりの100万円を元手に、中国株投資を始めたんです。

──奥さまの反対を押し切るほど自信があったということですか?

 いえ…正直、絶対的な自信はありませんでした。「投資の神様」も見誤ることはあるでしょうし(笑)。でも、今、買わなかったら、将来、後悔するかも、という思いが拭えなかったんです。黙って指をくわえているのは嫌だった。失敗して100万円失ったらそれはそれでしょうがない、とにかくやってみよう! という感じでした。

──でも、そのとき決断して正解でしたね。

 いや、ほんとに、そう思います。もし買っていなかったら、今頃、悔やんでも悔やみきれなかったでしょう。

経済成長の恩恵を受けやすいインフラ系銘柄が狙い目

──よしぞうさんはそれまで、投資経験はまったくなかったわけですよね。いきなり中国株から入って、戸惑うようなことはなかったですか?

 書店に行けば中国株の本はたくさん置いてありますし、ネットでもいくらでも調べられますからね。とくに問題はなかったですね。

──何か参考にした本やサイトはありますか?

 ある投資ブロガーの方が、中国株の始め方とか、銘柄の選び方とか、ていねいにまとめてくれていて、それがすごく参考になりました。そのサイトは残念ながら閉鎖されてしまいましたが…。

よしぞうさんが中国株を始める際に参考にした『本格的な中国株投資のための中国株二季報(2020年春号)』(DZHフィナンシャルリサーチ 3,300円/税込)。実はこの本、中国では販売しておらず、日本でしか買えない本なのだそう。投資に慣れてきて、他のジャンルを開拓したくなった人が脱初心者するには、中国株は研究しがいのあるジャンルかも。

──読まれた書籍はありますか?

 中国株に関する本はあまり読んでいませんが、『中国株二季報』は購入しました。これはその名の通り『会社四季報』の中国株版ともいえるもので、日本で買える中国株の銘柄が網羅されているので便利でした。

──中国株投資家のバイブルなんですか?

 そうですね。中国株に興味のある人は一度手に取ってみるといいかもしれません。ちなみにこの本は「二季報」とあるように年2回発行されています。

──それらを参考に銘柄を選んだのだと思いますが、最初、何を買ったか、覚えていますか。

 もちろん、覚えています! 一度にまとめてではありませんが、たしか11銘柄を買いました。

──どういう視点で選んだのですか?

 今でこそ、アリババやファーウェイなど世界的に知られる企業が何社もありますが、当時は日本で知られている企業はほとんどありませんでした。それで、その当時で「中国を代表する企業」なら間違いないだろうと考え、それぞれの業界の最大手の銘柄を買うことにしました。

──具体的な銘柄名を教えてください!

 中国のNTTともいえる「中国電信」、保険最大手の「中国人寿保険」、中国に2つある空港銘柄の1つである「北京国際空港」、大手道路会社の「江蘇高速道路」などです。あと、電力会社や銀行ジャンルで中国No.1だった企業の株もいくつか買いました。

──インフラ系が多いですね。

 中国株をやるならインフラ系が堅いといわれていたんです。インフラ会社は経済成長の恩恵を受けやすいので、ある日突然、株価が5倍、10倍になるようなことはなくても、長期的に見れば確実に上がっていくと。

──その後もインフラ系中心ですか?

 いえ、その後は他のジャンルもいろいろ買いました。ヘルスケア商品最大手の「恒安国際」、インスタント麺や茶飲料など食品大手の「康師傅(カンシーフ)」、医療機器大手の「山東威高(ウェイガオ)」とか。

──最初から好成績だったんですか?

 はい! どの銘柄もじわじわと株価が上がってくれました!

──では、奥さまも理解を示してくれたのでは?

 はい、やっと(笑)。中国株投資を始めて1年半後くらいですかね。「そろそろ家のお金を運用していいよ」と妻からお許しが出たんです(笑)。それを機に、少しずつ投資額を増やしていきました。

──そこからは1億円に向けてまっしぐら?

 それが…そう簡単にはいかなかったんです。投資を始めて3年で2,500万円まで増やすことができたのですが、その直後にリーマン・ショックに見舞われたんです。当然、中国株にも影響が出て、僕もかなりの損失を出しました。

──やはりリーマン・ショックは、中国株にも大きく影響したわけですね。では、続いてそのときのお話を伺います。

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