2019年4月27日(土)から5月6日(月)まで10連休に

 4月30日に天皇陛下が退位、5月1日に皇太子様が即位し、「令和」へ改元されます。5月1日即位の日が休日となることに伴い、祝日法の規定により、4月30日も5月2日も今年は休日となります。その結果、今年のGW(ゴールデンウイーク)は4月27日から5月6日まで、前例のない10連休となります。

GW10連休の内訳:4月27日~5月6日が休日に

 10連休の間、国内の証券取引所は閉まったままとなります。FX(為替)は休日でも取引できますが、日本株の売買はできなくなります。世界経済が大きく動く時期に長く取引所が閉まることに、不安の声も上がっています。過去の経験則から考えると、連休前後の日経平均は、値動きが大きくなる可能性があります。

GWに5連休があった年、日経平均は連休前に272円、連休後に437円変動

 1993年以降のGWで、5連休が含まれるのは10回あります。具体的には、1993年・1995年・1999年・2000年・2004年・2006年・2009年・2010年・2015年・2017年の10回です。その10回を見ると、5連休前後には、日経平均の値動きが大きくなる傾向があります。

1993年以降でGWに5連休が含まれた年の、5連休前後の日経平均変動幅(円:前営業日との比較)

出所:楽天証券経済研究所が作成。上昇を赤、下落を青で表示  

「変動幅」を「変動率(絶対値)」に変換し、過去10回の平均を取ると、日経平均は5連休の直前に1.25%、直後に2.01%上昇または下落していることがわかります。これを、昨日(2019年4月8日)の日経平均2万1,761円に当てはめて計算すると、日経平均は5連休前に平均272円上昇または下落し、5連休後に平均437円上昇または下落していることになります。

 5連休の前後ですらこれだけ動くのですから、10連休となる今年の連休前後の値動きは、かなり大きくなるという思惑が出やすいわけです。5月が例年、世界経済の動きが活発になるタイミングであることも、変動性を高める要因となります。 

 たとえば、米国は、10~12月のクリスマス商戦が繁忙期、1~3月は閑散期となる傾向があります。4~6月はクリスマス商戦に向けて、製造業が作りこみを始めるタイミングです。ただ、2019年は世界景気減速を受け、米景気がどうなるか不透明感が出ているところです。5月1日に発表予定の4月の米ISM製造業景況指数、3日発表予定の米ISM非製造業景況指数、同日発表予定の4月の米雇用統計で、サプライズがあるかどうかに注目です。

 日本の4~6月は新年度が始まるタイミングです。GW前後は、3月期決算企業が前年度(2019年3月期)の実績を発表し、新年度(2020年3月期)の業績予想を発表する時期です。10連休中の決算発表はありませんが、この時期は、決算をめぐる思惑で個別銘柄の値動きが大きくなる傾向があります。

 さらに言えば、米中貿易協議、英国のEU(欧州連合)離脱など、政治面でも相場にインパクトのある材料が出てくる可能性も高くなっています。世界経済・政治ともに目の離せない時期に、証券取引所が10連休になるのは、やや不安が残ります。

10連休前後の株ポジションはどうするべきか?

 結論から言います。もし、読者の皆さまが、長期投資をしているのならば、10連休前後に波乱があってもなくても、それは短期的なこととして無視していいと思います。

「10連休の波乱」というと、株が大きく下がることをイメージする人が多いと思いますが、過去の統計を見る限り、大きく下がる波乱も、大きく上昇する波乱も両方あります。したがって、長期投資している株式については、10連休だからと言って、減らしたり増やしたりするべきではないと思います。

 ただし、読者の皆さまが短期投資をしているのならば、10連休前後は値動きが荒くなる可能性があることに注意が必要です。

 株は、短期的には需給や材料で動きますが、長期的にはファンダメンタルズ(景気・企業業績)で動きます。10連休に波乱があってもなくても、最終的には、日本および世界の株式は、2019年および2020年の世界景気によって動くことになるはずです。

 私は、今が2019年の景気悪化を織り込む最終局面で、年後半には、2020年の世界景気回復を織り込んで、日経平均は上昇すると予想しています。

 もちろん、私の予想が外れて、年後半、日経平均が下がる可能性もあります。それでも、平成の構造改革を経て、割安で投資魅力の増した日本株にじっくり投資していくことは、長期的な資産形成に寄与すると思います。短期的な株価下落に神経質にならず、どっしり腰を落ち着けて、長期投資していくことが良いと思います。


 

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