人気ブログ「DUKE。のサーフィンインベストメント」やツイッター(@investorduke)で投資情報を発信しているDUKE。さんは、株価の動きから相場を読むテクニカル分析と、企業の業績や経済情勢をもとに株価を予測するファンダメンタルズ分析の両方を駆使する「テクノファンダメンタルズ派」の投資家のひとりです。さまざまな方法を試すうち「新高値」で買う投資術を確立。それをきっかけに成績が上昇し、2015年には資産2億円超えを達成しました。現在は専業投資家として活躍するDUKE。さんに「新高値」に着目する投資術の詳細を聞きました。

DUKE。さんの投資ヒストリー

社会の出来事 年度 DUKE。さんの投資歴
  1994 大学卒業後、上場企業に就職。財務・経理部門に配属。自社株を「るいとう」で買い始める
消費税率を5%に引き上げ、山一證券自主廃業 1997  
ソニー・ショック 2003 元手400万円で株式投資を始める。東電とソニーに投資し、-6万円の負け
郵政解散 2005 新興市場バブルで2,400万円を稼ぐ
ライブドア・ショック 2006 ライブ・ドアショックで1,000万円以上失う
新潟県中越沖地震 2007 パワーアップ株で1,000万円失う
アイスランド破綻、リーマン・ショック 2008 リーマン・ショックで400万円失う。振り出しに戻る
  2012 ウィリアム・J・オニール、ニコラス・ダーバスの投資手法に出会う。新高値銘柄を買い始める
アベノミクス相場 2013  
消費税率を8%に引き上げ 2014 株式投資の累計利益が1億円突破
 

2015

資産2億円を突破
 

2016

年収億超えを達成。会社を退職し、専業投資家へ。東洋経済より著書『1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術』出版
 

2018

パンローリングより『新高値ブレイクの成長株投資法』出版
 

2019

 

「新高値ブレイク投資塾」メルマガ発行予定

 

2,400万円の利益を得るも3年で振り出しに戻る

──DUKE。さんは『新高値ブレイクの成長株投資法』(共著)といった著書も出版されています。本日は、そのタイトルにもある「新高値ブレイク投資術」について伺います。投資ビギナーには「新高値」という言葉を初めて聞く人も多いと思うのですが、どんな投資法なのでしょうか?

「新高値」とは株価が上昇し、過去の最高値を超えたときの価格をいいます。上場後の最高値を超えた価格を「上場来高値」、昨年からの最高値を抜いた価格を「昨年来高値」、今年の最高値を超えた価格を「年初来高値」といいます。

──つまり、過去の最高値を超えたときに買うということですか?

 はい、そういうことです。

──それって投資の常識には反していませんか? 株価が安いときに買い、高くなったら売るのが普通ですよね?

 おっしゃる通りです。実際、僕も最初、この理論を知ったときは信じられない思いでした。でも、実際に試してみたら、はっきりと結果が出たんです。

──そもそもDUKE。さんはいつ頃、この理論を知ったのですか?

 最初に出会ったのは2012年です。ある投資教育会社が販売していたDVDのなかで米国の著名な投資家であるウィリアム・オニールという人の投資法が紹介されていました。それが、新高値で買い、さらに高くなったら売るというものでした。そういう意味では僕が発見したというわけではないんです。

──当時は、他の手法で、すでに投資を行っていたんですよね。

 はい。投資を始めたのは2003年ですから10年くらい経っていました。

──投資を始めたきっかけを伺えますか?

 投資を始めたのは、実は結婚がきっかけなんです。その頃、400万円ほど預貯金がありましたが、将来を見据えると、この貯金額では安心できない、自分で増やしていくしかないと考え、株式投資を始めました。当時、僕は、ある大手企業の会計部門で収益分析などの仕事に携わっていました。その知識を生かすなら株式投資かなと考えたんです。

──成績はどうでした?

 それが自分でもびっくりするくらい稼ぐことができたんです。少し慣れてきてから信用取引を始めたのですが、それが功を奏し、3年目には2,400万円の利益を得ることができました。

──投資の才能があった?

 自分でもそう思いかけましたが、残念ながら違いました(笑)。当時は今とは比較にならないくらい相場がよかったんです。自分の実力ではなく、環境に助けられただけでした。というのも、その後すぐ化けの皮をはがされることになるんです。

──というと?

 2006年の年明け早々、ライブドア・ショックが起こったのをきっかけに奈落の底へと突き落とされました。さらに2年後、リーマン・ショックに見舞われ、結局、それまで積み上げた利益をすべて吐き出したんです。

──2,400万円が泡と消えた?

  はい、そういうことです。

──痛い経験ですね…。投資をやめようとは思わなかったのですか?

 もし借金を抱え込むハメになっていたらやめていたかもしれませんが、元本に戻っただけだったので、まだ心にも財布にも余力があったんです。それで、気を取り直してゼロから勉強し直しました。投資関連本を読み漁り、投資セミナーなどにも通いました。そんななかで2012年に新高値で買うという方法に出会ったんです。

──ひと財産できたのに振り出しに戻ってしまい、虚しさに襲われるようなことはなかったですか?

 いや、それはありましたよ。「かなり労力を注ぎ込んだのに儲けはゼロかよ。自分はいったい何をしていたんだろう」と。でも、今、振り返ると貴重な経験だったと思います。あのときはいろいろと失敗をやらかしましたが、それらひとつひとつが自分にとって大きな糧になっていますから。お金では買えない経験ができました。

高値更新はその銘柄がブレイクするサイン

 

パンローリング
ふりーパパ×DUKE。共著
3,024円(税込)

──では、「新高値ブレイク投資術」について伺います。「なぜ高値で買うのか解せない」という人が多いと思うのですが、その理由をお話しいただけますか。

 それまで動かなった銘柄が上昇に転じ、高値を更新するのはどういうときかを考えてみてください。ひとつ明らかなのは、その会社に大きな変化が起こっているということです。しかも、それはマイナスの要素ではありえない。画期的な技術を開発したとか、新しい事業が軌道に乗りつつあるとか、経営陣が刷新されて新たなスタートを切ったとか、何かポジティブな動きがあったと推測できます。

──たしかにそうかもしれません。だとしてもすでに高値がついているのですから、今さら買う価値はないのでは?買う勇気も湧きにくいのではないですか?

 それがそうとは言えないんです。なぜなら、その変化の大きさによっては高値が更新されるどころか、一気にブレイクすることもあるからです。2倍、3倍、ことによっては5倍、10倍に急騰することもあります。

──つまり、高値を更新するというのはその銘柄が大化けするサインである、ということですね。

 はい、そういうことです。だから、その瞬間を見逃してはいけない。

──なるほど。

  それと、投資家の心理も関係しています。そこまで売らずに持っていた人たちは新高値がつくとハッピーな状態になるため、あまり売ろうとしません。それもあって、新高値がついた後はそのまま上昇を続けることが多いんです。

──よくわかりました。ただ、ひとつ疑問があります。だとしたら新高値がつく前、つまり安いときに買っておいたほうが有利ではないですか。

 それはもちろんそうです。株は安く買えるに越したことはありません。ただ、いくら安く買っても上がらなかったら意味がないですよね。実際、株をやっている人なら、丹念に業績を調べ、近い将来、絶対に上がると確信して株を買ったにもかかわらず、待てど暮らせど全然上がらない、という経験があると思います。僕自身も何度もそういう経験をしてきました。その点、新高値に着目すれば、さらに上がる可能性の高い銘柄に絞って買うことができるわけです。

──安いときに買って上がればがっぽり儲かるが、そんな幸運はそうそうあるものではない。だったら多少儲けは減るが、高値が更新されたときに買って時間効率を高めようと、そういうことですね。

 はい、その通りです。

──たしかにいつか上がるだろうと思ってもなかなか上がらず、結局、しびれを切らして売ってしまうなんてことはよくありますよね。

 とくに割安株狙いのバリュー派の人に多いかもしれませんね。中には何年も辛抱強く上がるのを待ち続けている人もいるでしょうが、それだと銀行にお金を寝かせておくのと変わりません。資金効率という点でもったいないと思います。

──実際、DUKEさん。は新高値で買うようになってから資金効率が上がったのですか?

 はい、かなり上がりました。

──とはいえ、新高値がついたからといってそのすべてが2倍、3倍まで上昇するわけではないですよね。

 それはもちろんそうです。高値を更新したが、そこからまた横ばい状態が続くといったことも珍しくありません。そういう意味では新高値がついた銘柄のなかから大化けする株をどう探し当てるかが重要になります。

──では、中編で、「大化け銘柄」を探し当てるコツについて詳しく伺います!

 

中編:2倍、3倍に大化けする株を見つける方法 を読む>>

 

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