しんた:高校2年生。中学からお年玉のお金で運用をしているインテリ高校生。クイズ研究部の部長
ひな:しんたの同級生。クイズ研究部の部員
ファンド(投資信託)の選び方
しんた:ひなちゃん、そんな怖い顔してどうしたの?
ひな:新しいファンドを買おうと思っていてさ。資金が流入してくるファンド、つまり「国策」に関わる分野がいいんだよね。何がいいと思う?
しんた:実は僕も気になっていて調べているんだ。
なんでアメリカの指標が大事なの?
先生:ファンドの話をまたしているの?
しんた:先生、資金が流入するファンドって、どんなファンドがありますか?
先生:ファンド研究会の顧問になった覚えはないんだけどな(笑)。ヒントになりそうなのは、ファンドを取り巻く世界の金融マーケットは、アメリカ中心になっている、ってことかしら。テレビのニュースだって、株式市場のダウとかナスダックとか、経済指標の雇用統計とか、海外企業の決算だって、アップルとかグーグルとか、よく聞く単語はみんなアメリカ関連ばっかりでしょ?
しんた:日本のニュースにもなるくらいアメリカの経済指標や景気動向は、日本の企業にも投資家にも重要データってことですね。日本国内のデータよりもアメリカのデータにより反応する傾向もあるらしいですね。
ひな:なんで金融マーケットの中心がアメリカなの?
しんた:答えのひとつは、「人口が多いから」じゃないかな。
資金流入のポイントは「人口」!?
ひな:そういえば、経済の成長に「人口」は重要って聞いたことある。経済って、労働・生産・消費とかの経済活動で、お金が回っていく……だから人口が多いと、「お金の量も多くなって、さらに経済がよくなる」ってことだよね。
しんた:僕もそう思う。
ひな:人口ってどの国が多いのかな? やっぱりアメリカが1位!?
先生:データがあるよ。
人口の多い国ランキング
しんた:なんと、アメリカは第3位!
ひな:中国とインドがダントツで1位と2位! むしろ、なんで3位のアメリカに注目しているんだろう?
先生:じゃあ、先生からクイズ! アメリカが該当するけど、中国とインドが該当しないことについて、何が思い浮かぶ?
しんた:経済ってことで…「資本主義」かな。
先生:正解。古くから資本主義だし、市場経済にも長く参加している、というのが大きな理由かな。中国とインドは、最近こそ、市場経済で名前を聞くようにはなってきたけど、まだまだそういう意味では発展途上国から脱出しきれていないしね。
しんた:つまり、「資本主義」や「先進国」がキーワードだとすると、人口ランキングの2位は……今、第11位にランクインしている、「日本」ってこと?
先生:そうね。資本主義と先進国という意味では、実質日本が2位かしら。
ひな:そうなの!? ヨーロッパじゃないの? 資本主義はイギリスからはじまっているし。
先生:ドイツ、イギリス、フランス、イタリアは、ランキング20位前後にそれぞれあるの(人口約6,500万~約8,500万あたり)。つまり、合わせると、ヨーロッパのほうが上になるわ。
ひな:EU(欧州連合)として考えていることも多いから、実質2位はヨーロッパだね。EUの範囲次第では、アメリカよりも上かも!?
しんた:だね。
ひな:アメリカは、中国とインドをどう思っているんだろう。気にするよね? 人口の力で経済が伸びそうだし…。
先生:そう。どちらもアメリカの約4倍の人口だから、うまく、経済活動が活発になって、資金が循環すれば、株式市場も活況になるし、当然、気になるわね。だからかしら。最近、アメリカから中国に対する発言をよく耳にすると思わない?
しんた:そういえば、お父さんが「中国は気になるねぇ」って言っていた! いろいろやってて、なかなか利益が出ない「投資家」なんですが。
中国って、発展途上国だったし、マーケットが開放されていなかったから、あまり注目されていなかったみたいですね。でも2008年の北京オリンピック前後から、経済成長とともに、マーケットの開放に向かっているみたいなんです。アメリカも、だんだん脅威を感じてきていて、トランプ大統領が仕掛けている貿易戦争も、今のうちに出る杭を打っとく、みたいな感じなんじゃないでしょうか。
先生:うん。それは考えられるね。よーし、乗りかかった船だわ。2週間後、みんなで中国のことを調べて、それが資金の流入につながるようなネタかどうか、考えましょう!二人とも、いいわね!
ひな:やりましょう!
しんた:お願いします!!
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