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優待名人・桐谷広人VSタレント・杉原杏璃対談
「強いのはどっち?草食投資、肉食投資」(全3回):前編中編 後編

優待名人・桐谷広人VSタレント・杉原杏璃対談「強いのはどっち?草食投資、肉食投資」前編

 株主優待で注目を浴び、紹介した銘柄が「バブル」を起こすほど人気の「草食投資家・桐谷広人」さんと、タレントで活躍しながら短期のトレードも行う「肉食投資家・杉原杏璃」さん。「楽天証券19周年記念投資セミナー」での対談をご紹介します。

 

身に着けているもの全て優待品

叶内 まずお二人が株式投資を始めたきっかけから教えてください。プロ棋士だった桐谷さんは、どのような経緯で株式投資を始めたのですか?

桐谷 私は25歳でプロ棋士になりました。プロ棋士になると対局の他にレッスンもします。証券マンのみなさんに将棋を教えているうちに、株式投資をすすめられました。初めのうちは、もうかっていたのですが、バブルが崩壊して大損。しばらくおとなしくしていたのですが、ネット証券が誕生したおかげで売買手数料が安くなり、また始めました。

すると今度はリーマンショックで億単位の大損。引退後だったので収入がなく苦しい生活でしたが、いろいろな株主優待品が届いたおかげで食べることはできました。そんな生活がテレビで面白がられたようです。

叶内 その時から今の株主優待生活のスタイルになったということですね。

桐谷 そうですね。今は家賃と光熱費だけは現金で払いますが、それ以外は全部優待でまかなっています。着ている服や、いつも背負っているリュックの中のものも優待品としていただいたもの。唯一優待品でないものはサイフの中の現金だけです(笑)。

杉原 優待品じゃないのは現金だけですか? すご~い!

 

リーマンショック? なにそれ、怖いの!?

叶内 杉原さんはどういうきっかけで株式投資を始めたのですか?

杉原 私が株式投資を始めたのは13年前、23歳の時です。芸能界に入っていたのですが仕事がない、でもバイトをするとオーディションを受けることができないという厳しい状況でした。なんとか家にいながら自分一人で利益を出せる方法はないかと考えていたとき、ネット証券で株式投資ができることを知りました。

周りにも株をやっている子がちらほらいたので、やり方を教えてもらって、2005年に楽天証券に口座を開きました。お金がなかったら、株式投資でお金を増やそうと思ったのです。

叶内 3年後にリーマンショックに見舞われますが、怖くなかったですか?

杉原 その頃は株式投資の知識がなかった分、株価が下がっても「塩漬けにしていればいいや」という楽観的な考え方で乗り越えました。今はリーマンショックを乗り越えられたのだから、何が起こっても乗り越えられるという気持ちでいます。

 

うっかりミスで誤発注、数百万円の損失!

叶内 とても楽観的ですね(笑)。でも、杉原さん、誤発注事件で大変な目にあっていますね。

杉原 誤発注は何回もやりました(笑)。ガラケーで取引をしているのですが、なぜか最初の桁を間違えて入力してしまうのです。5を6と打つとか。それも売るときにミスをするので、損失が100万円とか200万円とかになってしまい、楽屋で「ぎゃー」って叫んで、楽天証券に電話。「取り消すことができますか」と聞くと「誤発注はどうにもなりません。すみません」って。テンパっているときにミスをしがちです。投資家なら誰でも誤発注の経験がありますよね?

桐谷 あります(笑)。パソコンで取引するようになったあるとき、ゲームメーカーのタイトー株を1株空売りして、現渡し(保有株で返済)をして手数料を安くしようとしたら、うっかり100倍の100株も売ってしまって、ストップ高で踏み上げられて、損失が予想以上に膨らんだ上に、逆日歩(信用売りのコスト)も払って数百万円も損をしました。

叶内 みなさん、すごい誤発注体験をしていますね。ところで、杉原さんは「肉食投資家」と呼ばれていますが、どのような投資スタンスですか?

杉原 大型株は中長期投資のスタンスですが、マザーズ銘柄のような新興市場は値動きが激しいので1週間で取引を終える週トレです。今は「週トレ7対中長期3」の割合ですが、仕事をしつつの投資なので週トレは本意ではなく、割合を逆の3対7にしたいと思っています。

叶内 本業がお忙しい中で、トレードの時間をどう作っているのですか?

杉原 私は株価が激しく動く時間帯を寄り付きから9時半ごろまでと思っているので、その間だけしっかりと見て、どっち方向へ動くのかを判断して指値をします。約定しなかったら自分の見方が間違っていたということなので、翌日また頑張ります。とはいえやはり相場が気になるので、楽屋でブログを更新しているふりをして見たりしてますけど(笑)。

次回は、桐谷さんの優待銘柄選びの基準と杉原さんの優待銘柄体験のお話しです。


◎プロフィール

桐谷広人
1949年、広島県出身。優待株を長期保有して収穫を得る農業風投資家。将棋のプロ棋士として活躍し2007年、57歳で引退。現役時代から財テク棋士として知られていた。2008年のリーマンショック時に、信用取引により大損、3億円の金融資産が6分の1に激減。生活が困窮したため、株主優待品だけで生活するようになり、その独特なライフスタイルやユニークなキャラクターがテレビで人気になった。

杉原杏璃
1982年、広島県出身。値上がり益狙いの肉食投資家。グラビアクイーンとして雑誌、バラエティ番組などに多数出演。13年前に始めた株式投資が話題になり、株タレントとしても活動している。オリジナルファッションブランドをプロデュースするなど、実業家としての顔もある。戦国漫画が大好き。

司会:叶内文子 フリーアナウンサー

 

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