今後の日経平均、ざっくりしたイメージ

 2月初旬から急落したNYダウ・日経平均株価とも、足元、急反発しています。私は、今後、日経平均は大きな三角もちあいを形成するイメージを持っています。
 2月8日の「戻りを試す局面が近づいている可能性も。急落後の日経平均」に掲載した今後の日経平均イメージ図を、以下に再掲します(日経平均の実際の動きを2月19日まで記入)。

再掲:今後の日経平均イメージ

出所:筆者作成、あくまでも筆者のイメージで実際の値動きと異なる結果となることもあります


  年央には、日経平均は、三角もちあいを上放れる、または、下放れると考えています。今はまだ上下に放れるには、材料不足です。今後の、日米の景気、企業業績、金利、為替の動きを見極めつつ、最終的に、どちらに放れるか決まります。

日経平均目先の上値は、2万2,500~2万3,000円と予想

 急反発している日経平均ですが、円高・米金利上昇といった不安材料がまだ払拭されたわけではないので、このまま一本調子で上昇し続けるのは難しいと思います。2万3,000円に重要な節目(上値抵抗線)があるので、今の反発は、最大でも2万2,500円~2万3,000円までと考えています。
 当面は、上のグラフに描いた三角もちあいの範囲で動くと予想しています。

次の波乱材料は、3月のFOMC

 次の注目イベントは、3月20日(火)~21日(水・日本は祝日)に実施される米国の金融政策決定会合であるFOMC(連邦公開市場委員会)です。結果が、21日(日本時間では22日早朝)に発表されます。米景気が好調で、米国のインフレ率が高まってきている(1月の平均賃金上昇率前年比2.9%)ことから、米国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が、さらなる0.25%の利上げを行うことが、確実と考えられています。
 予想通り、0.25%の利上げが実施された場合、市場の反応として、以下2通りが考えられます。

(1)金利上昇があってもNYダウは堅調。日米金利差の拡大が続くことを受け、ドル高(円安)が進み、日本株が一段高

(2)金利上昇が続くことを嫌気して、NYダウが再び急落。リスクオフの円高が進み、日本株が急落

 市場の反応を決めるのは、利上げの有無より、今後の利上げピッチに関するメッセージになると思います。FOMC声明文やパウエル議長の発言のトーンが、タカ派(利上げに積極的)か、ハト派(利上げに消極的)か?それが、市場の反応に影響すると思われます。
 万一、利上げが実施されないと、それは、市場にとって大きなサプライズ(驚き)です。その場合、さらなる円高が進む可能性があります。現時点では、利上げは実施されるものと考えています。

今後考えられる最善シナリオと最悪シナリオ

 株は、短期的には需給で、長期的にはファンダメンタルズ(景気・企業業績)で動きます。最終的には、ファンダメンタルズによって、株価の方向性が決まります。今考えられる最善シナリオと、最悪シナリオは、以下の通りです。

(1)最善シナリオ

 今年、米FRBは、3回利上げを実施する。米長期金利は、3%台に上昇する。それでも、世界的な株高基調は崩れない。米景気・企業業績が好調であることを受け、NYダウの高値更新が続く。
 日米金利差拡大を受け、1ドル110~115円へ円安進む。日本の景気・企業業績の拡大が加速し、日経平均は2万6,000円を超えていく。

(2)最悪シナリオ

 米FRBが利上げを続け、米長期金利が3%台に上昇すると、NYダウは、金利上昇を嫌気して再び急落する。為替市場では、リスクオフの円高が進む。過熱している米景気に、先行き減速の懸念が出る。中国景気も失速へ。好調な米中景気に支えられていた日本の景気もピークアウトが見えてくる。
 世界的に株が下がり、円高が進む中で、日経平均は2万円を割れていく。

 最善シナリオも最悪シナリオも、楽観・悲観が行き過ぎと考えています。実際に起こるのは、その中間と考えます。
 私の予想通りならば、今後、数カ月、日経平均は三角もちあいの範囲で推移します。その間、日本・米国・中国の景気・企業業績・金利・為替を見ながら、最善・最悪どちらのシナリオが現実に近くなっていくか考えます。

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2月8日:戻りを試す局面が近づいている可能性も。急落後の日経平均
 

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