GWシーズン入りとなった今週の日経平均ですが、下の図1を見ても分かりますが、日米の注目イベント(米GDPやFOMC、日銀会合)を通過した4月30日(木)の取引で、大きく下落する動きを見せました。

(図1)直近の日経平均(日足)の動き(4月30日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

また、ローソク足の並び方を見ましても、日経平均が取引時間中に高値(20,252円)をつけた4月23日から5本連続で陰線(「始値>終値」の黒い線)となっており、売り押されている印象で、足元は上値よりも下値が意識されているムードとなっています。

日経平均の動きをもう少し長い期間で見てみます(下の図2)。1月中旬以降、日経平均は25日移動平均線がサポートとして機能している格好です。そのため、この水準で踏ん張れるかが目先の注目点になりますが、少し不安なのは、日経平均が25日移動平均線水準まで調整するサイクル(期間)が次第に短くなっている点です。また、下値の目処とともに、このまま上昇トレンドが継続していくのかも気になるところです。

(図2)日経平均(日足)の動き(2015年1月~)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

そこで、今回はトレンドの継続を確認する指標として、RSI(Relative Strength Index)に注目してみたいと思います。下の図3は、上段が日足の日経平均、下段がRSIです。

RSIとは、これまでにも何度か紹介しましたが、一定期間の上げ幅と下げ幅の合計のうち、上昇幅の大きさがどのくらいなのかを%で表して相場の強さを知ろうという指標です。上昇の勢いがあればRSIの値が高くなり、逆に下落の勢いが強ければRSIの値が低くなります。マーケットスピードにおける一定期間の基本設定は日足ベースで14日間です。

(図3)日経平均(上段)とRSI(下段)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

注目したいのは、いわゆる「逆行現象」です。日経平均の下値が切り上がっている一方で、RSIの下値が切り下がっていることが分かります。一般的に、「逆行現象はトレンド転換の予兆」と言われており、このセオリーの通りだと、「これまでの上昇トレンドが変わる?」となるわけですが、実は、逆行現象にはトレンド転換を示すサインと、トレンドフォローを示す「隠れた」逆行現象の二種類があります。以前のレポートでも掲載していますが、逆行現象のパターンを分けると、下の図4のようになります。

(図4)「逆行現象」のパターン

図4にあてはめると、足元の状況は「(今のところはまだ)トレンドフォロー型の逆行現象」になっています。前回、日経平均が25日移動平均線水準まで調整したのは4月20日ですが、この時の安値は19,474円です。4月30日の取引は19,500円割れ目前まで下げる場面がありましたので、前回の下値水準が視野に入っています。そのため、今後この水準を大きく下回ると、日経平均の下値切り上げ基調が崩れ、調整が深押しするシナリオが急浮上してくる可能性があり、注意が必要と言えそうです。