いよいよ2015年も最終週となりました。今日は、最終週の見通しを書きます。明日(29日)、今年1年の私の日経平均予想を振り返ります。明後日(30日・大納会)に来年の日経平均予想について書きます。よろしくお願いいたします。

(1)今週は大きくは上下とも動きにくいと考えます

日経平均週足:2015年1月5日―12月25日

(注:マーケットスピードより楽天証券経済研究所が作成)

25日(金)の米国市場は、クリスマス休暇で休場でした。今週は、金融市場に大きな影響を及ぼす重要指標の発表予定はありません。今週は3日間しか売買日がありませんが、大きな動きはないと考えられます。棹尾の一振(とうびのいっしん:年末にかけて株価が勢いよく上がること)は見込みにくい状況です。

上の週足チャートで示した通り、日経平均は目先19,000円を中心としたボックス圏に入りつつあるように思われます。

【注】上の週足の見方がわからない方は、12月22日の3分でわかる!今日の投資戦略「日経平均のテクニカル分析」をご覧ください。

ただし、原油先物の動きと、ドル円為替レートの動きには注意が必要です。

(2)原油先物がさらに上昇すれば日経平均の上昇余地が広がる

12月に入って、世界的株安を招いた最大の要因は、原油急落だと思います。足元、原油先物が反発していることを好感して、世界的に株がテクニカル・リバウンドしています。もし、原油が年末にかけて一段高となれば、株高にも勢いがつきます。

WTI原油先物(期近)の動き:2015年12月1日―24日

(3)円高がさらに進むと日経平均がさらに下がるリスクもある

12月は、これまでの円安(ドル高)が止まり、円高(ドル安)が進みました。それが、12月に日経平均が売られた、もう1つの理由です。

ドル円為替レートの動き:2015年12月1日―25日

12月は、米FRB(中央銀行)による利上げと、日銀による金融緩和補完策の発表がありました。どちらも、市場に織り込み済み、あるいは、市場の期待以下でした。それが、12月に円高(ドル安)が進む要因となりました。

これまで、①米国は利上げが見込まれ、②日本は追加の金融緩和が見込まれることが、円安(ドル高)が進む原動力となってきました。12月に、米国は利上げを実施しましたが、それは織り込み済みでした。来年の追加利上げのピッチは必ずしも速くないとの見方が広がり、為替市場では、ドルの買い持ちを縮小する(ドルを買い建てていた投資家がドルを売ること)の動きが出ました。

日銀が発表した金融緩和補完策は小粒で、かえって失望を誘いました。追加緩和の余地は大きくないと、日銀の打つ手に手詰まり感を生じる結果となりました。それも、12月に円高(ドル安)が進む要因となりました。

ただし、来年以降の米国の追加利上げ・日銀の追加緩和の可能性について、現時点で市場コンセンサスはなく、年内にこれ以上円高(ドル安)が進むとは考えていません。