一口にREITといってもそれぞれに特色がある
前回のコラムでは、REIT(不動産投資信託)の基本的な内容についてご説明しました。今回は、それを踏まえ、より実践的なREITへの投資手法について考えてみたいと思います。
実はREITと一口にいっても、それぞれに特色があります。例えば投資先1つとってみても、オフィスビルに投資するもの、商業施設に投資するもの、居住用物件に投資するもの、物流施設に投資するものなどさまざまです。また、保有する物件の所在地も、首都圏中心のREITだけでなく、大阪圏が中心のものや福岡圏が中心のものがあります。
そこで、まずはそれぞれのREITが有する特徴を把握することが重要です。REITごとの概要は会社四季報に掲載されていますが、より詳しい情報はそれぞれのREITのホームページから入手するようにしましょう。
安定した高分配金のポイントは「良い物件」「良いテナント」「高い稼働率」
最低限確認したい事項としては、「どんな物件を持っているか」「どんなテナントが入居しているか」「保有物件の稼働率はどのくらいか」といったものです。
REITへの投資において最重要ともいえる分配金の額は、賃料から諸経費を差し引いた利益がどのくらいかによって変動します。したがって、都市部の優良物件を持っており、優良なテナントが入居していて、稼働率が高いならばより多くの賃料が入り、ひいては安定した高分配金につながることになります。
しかしながら、個人投資家がREITのホームページ等で得られる情報だけでは、それぞれのREITが持つ強みやリスクを正しく把握することは難しいかもしれません。また、1つ1つのREITについて調べあげるのは結構時間と労力がかかって大変なのも事実です。
手っ取り早いリスク軽減方法は「複数のREITへの分散投資」
そこで次善の策として考えられるのが、「複数のREITに資金を分散させる」ということです。
例えば、物件の所在地が首都圏のもの、大阪圏のもの、福岡圏のものに分散して投資すれば、首都圏で大地震が起きてREITが有する物件の価値が大きく毀損したとしても、大阪圏の物件や福岡圏の物件はダメージが小さく済むため、物件の所在地が首都圏のREITに資金を集中して投資するよりも値下がりリスクを抑えることができます。
また、投資対象がオフィスビルのもの、商業施設のもの、住居用物件のものなどに分散して投資すれば同様にリスクの軽減につながります。
ところが個人投資家が複数のREITに資金を分散して投資するためには大きな壁があります。それは、「かなり多額の資金を必要とする」ということです。
REITの価格の多くは1単位当たり20万円~70万円程度です。したがって、例えば10銘柄のREITに資金を分散して投資しようとすると、数百万円の資金を準備しなければなりません。しかしこれではちょっとハードルが高すぎますね。
少額の資金でREITへの分散投資効果を得られるETFがある
でもご安心下さい。少額の資金で複数のREITに分散投資するのと同じ効果が得られるETF(上場投資信託)があるのです。
1343 (NEXT FUNDS)東証REIT指数連動型上場投信
これらのETFは、「REIT指数」という、REIT全体の値動きを表す指数と連動した運用成果を目指すものです。REIT指数に価格が連動して動くわけですから、全てのREITに分散投資したのと同じことになるのです。
さらに、上場インデックスファンドJリート隔月分配(1345)なら1単位10万円程度、東証REIT指数連動型上場投信(1343)なら1単位1万円程度で購入できるため、少額の資金でもREITへの分散投資と同様の効果を得ることができます。
リスクをできる限り軽減しつつ好い分配金を享受することができて、なおかつ少額の投資資金で投資可能、そんな魅力的な投資商品である「REIT指数連動型のETF」。REITに興味のある方はREITの個別銘柄に加えて、このETFも投資対象として検討してみてはいかがでしょうか。
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。