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著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「ドル/円は、「上げたら売り!下げたらさらに売り!動かなくても売り!」 」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは150.75円
↓下値メドは148.35円
米経済:移民やレキシブルワークなどによる生産性の向上が、米国経済の強さの理由
SNB:スイスの外債投資拡大で、大幅なスイス安になる可能性
FRB:ボストン連銀総裁「経済に引き締め政策の本格的影響が表れるのはこれから」
ECB:ウンシュ理事「ECBの2%インフレ目標に柔軟性を持たせるべき」
原油:イラン生産量がトランプ時代の経済制裁以前の水準に戻る
前日の市況
8月1日(木曜)のドル/円相場は前日比0.67円の「円高」。
円高の流れが止まらない。2024年153営業日目は149.87円からスタートして、東京時間昼前に約5カ月ぶりに149円を割ると148.50円まで下げてこの日の安値をつけた。海外市場では反動の買い戻しで、夜遅くに150.33円まで反発してこの日の高値をつけたが、150円台の滞在時間は短かった。米長期金利が約半年ぶりの3.95%まで弱含むとふたたび149円前半まで押し戻された。終値は149.36円。24時間のレンジ幅は2.39円。
FOMC(米連邦準備制度理事会)は7月30、31両日に開催した定例会合で、政策金利(FF金利)を5.25%-5.50%に据え置くことを決定した。据え置きは8会合連続。声明文の表現には若干の変化が見られた。これまではインフレのみに焦点を合わせた、「引き続きインフレリスクに高い関心を払っている」という表現だったが、今回は「(インフレと雇用の)デュアル・マンデート(2大責務)の両面リスクに注意を払っている」に変更された。
労働市場については、「雇用の増加は力強く、失業率は低いままである」という表現から、「雇用の増加は緩やかになり、失業率は低いままであるが上昇した」とやや慎重になった。
パウエル議長によるとFRB(米連邦準備制度理事会)は今、「インフレ再加速」と「米経済の減速」という「二面性のリスク」に直面しているという。早急な利下げに踏み切ればインフレが再加速する可能性がある一方で、利下げが遅すぎると経済に悪影響を与えるおそれがある。そのため慎重な姿勢を保っている状況だ。
パウエル議長は「9月利下げ」の可能性を示したが、FRBはインフレ率が持続的に2%に向かっているという確信が深まるまで、「目標レンジを引き下げることは適切ではない」とも考えている。6月会合時点よりも利下げに近づいたことは間違いないが、完全な政策転換とまでは言えない。9月の会合までに、雇用統計は今夜を含めて2回、CPI(消費者物価指数)も2回発表される。
しかしマーケットの関心は、FRBが利下げするかしないかではなく、すでに年内に何回するかということに移っている。パウエル議長は「ゼロから数回」と記者会見で述べている。
今夜の雇用統計をはさんだ週末の「円安・円高のメド」
円安のメドは、153.90円、155.22円、155.99円、157.10円
円高のメドは、149.60円、148.90円、148.03円、147.43円
7月のドル/円相場は、12.35円の円高だった。11日と12日の為替実弾介入で4円下落して、さらに月末にかけては日銀利上げの思惑と結果を受けて8.35円下落した。個人投資家の約8割は、7月は小動きの円安相場と予想していただけに、円高にも値動きの激しさにも、準備が整っていなかったようだ。
ドル/円:7月1日~8月現在
短期:円高
7月1日から8月1日までのドル/円のレンジは、148.50円から161.95円。
レンジ幅は13.45円。
高値と安値の50%(中間点)は、155.23円。
現在の水準は、中間点よりも「円高」。
安値と中間点の50%は151.86円。
ドル/円:2024年
長期:ついに円高
2024年のドル/円のレンジは140.79円から161.95円
高値と安値の50%(中間点)は、151.37円。
レンジ幅は21.16円。
現在の水準は、中間点よりも「円高」。
安値と中間点の50%は146.08円。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
どんな事が起こっても人には優しくしなさい。それは後々、あなたの大きな財産となるから - テイラー・スウィフト
Sweet Child O' Mine
今夜は7月の米雇用統計が発表される。発表に備えて、前回6月雇用統計を振り返りたい。7月の予想と詳細については「米失業率が急上昇!FRB利下げは間に合わない?」をお読み下さい。
BLS(米労働省労働統計局)は7月5日、6月のNFP(非農業部門雇用者数)が20.6万人増加したと発表した。これは事前予想の19.0万人増を上回る数値だった。しかし詳細を見ると、レジャーやホスピタリティ、小売業など消費者部門の低迷が顕著であり、製造業の雇用も弱い状態が続いていた。
4月と5月の雇用者数は合わせて11.1万人の下方修正が行われ、市場の減速傾向が鮮明になった。6月の雇用者数は予想を上回ったが、失業保険申請件数の弱さなどから、今月の下方修正の可能性が指摘されている。FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録は、雇用統計の数値が実際よりも大きい可能性があると指摘している。
失業率は前月比0.1ポイント上昇し、4.1%となった。これは2021年11月以来の高水準だった。労働参加率は62.5%から62.6%へとわずかに上昇した。平均時給の上昇率は前月比で0.3%、前年同月比で3.9%と、5月の数値から低下した。
米雇用市場は毎月変動があるものの、減速傾向が強まるとの見方が増えている。FOMCの政策議論は、現在の金利水準が景気抑制的水準に達しており、これ以上の「利上げは不要」との判断である。
FRBの利下げ予想は、2024年の始まり時点で年6回とされていたが、先月には年内1回またはゼロまでに後退した。7月のFOMC会合では9月利下げが示唆されたが、雇用統計は今夜を含めてあと2回、CPIが2回発表される。これらの結果によって、FOMCの見解が大きく変わることもありえる。
今週の注目経済指標
今日の注目テクニカルレベル
ヒートマップ分析
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