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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「最高値に急接近の日経平均やや過熱?外国人が日本の構造改革に期待」
日経平均一時3万8,865円
今日のレポートは、2月16日の以下のレポートの続きです。
2024年2月16日:日経平均が史上最高値に急接近!外国人投資家が日本の構造改革に期待(窪田真之)
2月16日の日経平均株価は一時3万8,865円をつけ、史上最高値(1989年12月29日の3万8,915円)に急接近しました。日本の構造改革を評価した、外国人投資家の買いが続いていると考えられます。
私は、日本株は現水準でなお割安で、長期的な上昇余地は大きいと判断しています。日経平均は、2024年末に4万円まで上昇すると予想しています。ただし、日経平均の上昇ピッチが少し速すぎて、テクニカルに過熱感があることから、短期的にはスピード調整する可能性もあると考えています。
日経平均の13週移動平均線からの乖離率が10.9%に拡大
株式相場は、しばしばスピード違反を起こします。上昇ピッチが速すぎ、あるいは、下落ピッチが速すぎることは、よくあります。それを測るのに使われるのが、移動平均線からのかい離率です。
移動平均線は、株式市場に起こっているファンダメンタルズ(景気・企業業績など)を反映して、緩やかに変化します。ところが、株価は、移動平均線よりも速く上昇、あるいは速く下落します。その結果、株価は、しばしば移動平均線からのかい離が大きくなります。
移動平均線からのかい離が大きくなり過ぎると、株価は立ち止まって、移動平均線の方向に戻ることがあります。
今日は、移動平均線からの上方かい離率を見ながら、今の日経平均の上昇ピッチが速すぎるかどうか、考えてみます。
日経平均と13週移動平均線:2022年7月4日~2024年2月16日

ご覧いただくと分かる通り、日経平均は2月16日時点で、13週移動平均線よりも10.9%上方にかい離しています。過去の経験則から、13週移動平均線よりも10%以上、上方かい離している場合、日経平均に「やや過熱感がある」と判断します。
過熱感が出ると、相場はちょっとしたきっかけから反落しやすくなります。ただし、かい離率が何%になったら反落するかは、分かりません。2023年6月の日経平均は、かい離率が13.9%まで拡大してから反落しました。
13週移動平均線からのかい離率は±10%が要注意ポイント
それでは、日経平均の13週移動平均線からのかい離率がどう推移してきたか、2012年以降の推移をご覧ください。
日経平均と13週移動平均線からのかい離率推移:2012年1月4日~2024年2月16日

かい離率+10%は「やや過熱」と考えて良いポイントです。そこから反落していくことも、多かったことが分かります。ただし、+10%から必ず反落するわけではありません。そこから上昇加速して一段高になることもあります。2013年5月(バーナンキショック直前)には、16.1%まで拡大しました。
かい離率▲10%は短期的に「やや売られ過ぎ」と考えて良いポイントです。そこから、短期的に反発局面を迎えることもあります。ただし、そこからさらに下げが加速することもあります。マイナス何%になったら反発するという、決まった法則はありません。
日本株の投資判断
日本株は割安で、長期的に上昇余地が大きいと考えています。ただし、足元上昇ピッチが速すぎて、短期的には「やや過熱」しています。短期的にはスピード調整となる可能性もあります。
割安な日本株を、時間分散しながら買い増ししていくことが、長期の資産形成に寄与すると考えています。
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