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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「新NISA、360万円の非課税投資枠を使い切る方法!特定口座から乗り換えるメリット・デメリット」
今日は、2024年1月に始まる「新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」の活用方法について書きます。
2024年から年間の非課税投資枠が360万円に拡大
NISA制度が2024年から、がらりと変わります。一番大きな変更点は、年間の非課税投資枠が大幅に拡大することです。
2023年までで終了する現行NISA:年間の拠出可能額
現行制度では年間の新規投資枠はNISAでは120万円、つみたてNISAでは40万円でしたNISAかつみたてNISAが1年間にどちらか一つしかできませんでした。ところが、来年に始まる新NISAでは、年間の新規投資枠が大幅に拡大します。
新NISA:年間の拠出可能額
現行の一般NISAの後継として「成長投資枠」が新設されます。成長投資枠の年間拠出可能額は240万円となります。つみたてNISAは、年間の拠出可能額が120万円の「つみたて投資枠」となります。
「成長投資枠」と「つみたて投資枠」は、どちらか1つ選ぶのではなく、毎年同時に使うことができるようになります。両方とも上限まで投資すると、合わせて1年間に360万円の非課税投資ができることになります。
なお、現行制度の一般NISA・つみたてNISAは非課税保有期間がそれぞれ5年・20年と決められていますが、新NISAは「無期限」となります。つまり、新NISAで投資した有価証券は、売却しない限り、配当がある場合には恒久的に配当に税金がかかることなく得ることができます。
年間360万円の非課税投資枠を使い切れる人は少ない
来年になると非課税投資枠が年360万円に拡大します。とてもうれしいことです。とはいえ1年間に360万円も投資に回せる人はそんなにたくさんいません。多くの人が非課税枠を使い切れずに残すことになりそうです。
それが、今年8月28~30日に実施した楽天DI(読者の皆さまへのアンケート調査、3,300人超が回答)から、わかりました。以下、アンケート結果をご覧ください。
新NISA、どれくらいの資金で投資をしますか(年間)
360万円使い切る予定の方は3割以下しかいないことが見て取れます。確かに給与収入だけから投資するならば、年間360万円も投資できる人は少ないと思います。
特定口座からの乗り換えや預貯金を使う方法も
給与収入以外にも、新NISA投資に使うことができる資金はあります。皆さまからいただいた回答は以下の通りです。
新NISA、どのような資金で投資しますか(複数回答可)
給与などの収入から投資すると回答した方が29.4%いました。他に、特定口座で保有する投資商品を売却した代金で投資すると回答した方が26.8%、預貯金から投資すると回答した方が46.4%でした。
さまざまな原資を使って投資を考えていることが分かります。既にお持ちの投資や貯蓄を活用すれば、年360万円の新NISA投資が可能になる方もいます。ご参考まで、年齢階級別の貯蓄・負債額の平均は以下の通りです。
年齢階級別、貯蓄および負債の1世帯当たり現在高
あくまでも平均値ですが、49歳以下の家計のネット貯蓄高はマイナスです。50歳以上からネット貯蓄高が拡大しています。
特定口座からの乗り換え、メリットとデメリット
課税口座(特定口座など)での株式や投資信託などへの投資額が240万円を超えている人は、来年、新NISAが始まったら保有証券をいったん売却してから、新NISA口座「成長投資枠」で買い直すことを検討して良いと思います。課税口座での投資が非課税口座に移るメリットがあります。
ただし、乗り換えをすることには、デメリットもあります。メリットとデメリットを比較した上で、メリットが大きいと判断する場合だけ、やったら良いと思います。
特定口座から新NISAへ乗り換えるメリットとデメリット
特定口座で保有している間の値上がりがとても大きく、大きな評価益をかかえている銘柄は、新NISAへ乗り換える際に、売却益に源泉税などの税金がかかるというデメリットがあります。評価益率が高い銘柄は、乗り換えない方がいい場合があります。
特定口座での評価益は、遅かれ早かれ、利益確定売りする時に税金がかかります。ただし、課税される時期をなるべく遅くして、複利での投資効果を高めることを考えた方が良い場合もあります。
以下のように、短期的に株価が急騰している銘柄も、特定口座から新NISAに乗り換えない方が良いと思います。
短期急騰する株価・イメージ図
こういう短期急騰銘柄は、新NISAへ乗り換えるのではなく、そのまま特定口座で保有するか、利益確定で少しずつ売る方が良いと思います。
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