※この記事は2022年9月18日に掲載されたものです。
今回は『お金の名著200冊を読破してわかった!投資の正解』という書籍が売れている、著者のタザキさんにインタビュー。タザキさんが読んだ投資本の書評をYouTube「聞いてわかる投資本要約チャンネル」で配信し、「読みたくても読む時間がない」「どの本を読んでいいのか分からない」という悩める投資家の支持を集めています。
チャンネル登録者数10万人超えの人気YouTuberですが、タザキさん自身も投資家であり、会社員。多忙な中から、役立つ本をどう選んでいるのか、書籍の選び方について、またオススメ本について、お話を伺いました!
▼Profile タザキさん 30代男性投資家。会社勤めをしながら投資とYouTube、ブログなどを執筆。2019年に始めたYouTube「聞いてわかる投資本要約チャンネル」は登録者10万人超え。初の著書『お金の名著200冊を読破してわかった!投資の正解』も2週間で重版となる。男の子2人のパパ。本屋にも足を運ぶが、5割はネットで電子書籍を購入する派。 |
トウシルー投資本200冊読破!というだけでもスゴイのですが、その内容を約15分程度の動画で、端的に解説されているのもスゴイです! 分厚い本を読む時間がない、という投資家さんの味方ですね。
タザキさんーありがとうございます。おかげさまで週2回のYouTube配信を楽しみにしてくれている方もいて、コメントを読むのが毎回とても楽しいです。
トウシルータザキさんは根っからの本好きなのですか?
タザキさんーいえ。実は高校時代までは野球少年で、本なんてマンガくらいしか読みませんでした。ただ、大学で一人暮らしを始めて時間ができて小説などを読み始めたのと、大学の経済学部ゼミで投資本を読み始めたのがきっかけで、急速に本好きになっていきました。
トウシルー200冊もあると、中には、「買って読んだけど、思ったのと違っていた…」など、本選びを失敗したこともあるんですか?
タザキさんーそれはもちろん(笑)。投資本ってけっこう高いので、地味に痛手ですね。最近は命中率が上がって、そんなには失敗しなくなりました。
トウシルーそれはスゴイ! 今日はぜひ、自分のレベルや投資スタイルに合う本を選ぶコツを教えてください! まずはタザキさんは、本を買おうと思ったとき、どこを見て、買う買わないを決めているのですか?
タザキさんーまず絶対見るのは目次ですね。目次は電子書籍でも立ち読みできるケースが多いので、必ず目を通します。さらに著者情報、読めたら序文、帯などがついていたらその情報などに目を通します。
トウシルー何が書いてあったら「買い」なんですか?
タザキさんー目次だと、ザーッと目を通して、目次の半分以上が、「自分が知らないこと」や「興味のあるキーワード」があったら、いったんはカートに入れます。逆に、目次を見て、自分がすでに知っていることや、「ああ、こういうことが書いてあるんだな」と内容が想像できるようなことがほとんどの場合は、次の本を探しますね。
トウシルータザキさんのカートには、今何が入っていますか?
タザキさんー『新版 バリュー投資入門-グレアムとバフェットを超えるために』『社畜会社員から資産1億つくった僕がフィリピンの株を推すこれだけの理由』『金融が解る 世界の歴史』『一流の投資家は「世界史」で儲ける』『外資系アナリストが本当に使っているファンダメンタル分析の手法と実例』『次はこうなる:グラフで読み解く相場の過去、現在、未来』『ファイナンシャル・フリーダム 経済的自由と人生の幸せを同時に手に入れる!』『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方』が入っています。
トウシルー多いですね! それ、全部買うのですか?
タザキさんー分かりません(笑)。200冊も読んでくると、だいたい基礎的なことは読んでしまっているので、新しいことを読みたいので、買う前にもう一度、目次を見て検討予定です。
トウシルー投資の初心者は、本を選ぶときに、自分にとって「難しすぎた」「カンタンすぎた」などの失敗もしがちではないかと思います。初心者が本を選ぶ際のアドバイスをいただけますか?
タザキさんー初心者の方だと、目次を見て、7~8割くらい自分が分かる内容だったら、それは自分のレベルよりちょっと低めの本。半分くらい分からないもしくは知りたい内容だったらちょうどいいレベル、と考えたらどうでしょうか?
そこのラインにひっかかった本は、いったんカートに入れて、一晩寝かして、やっぱり欲しかったら買う、というのが、間違いが少ない本選びだと思います。もちろん、問答無用ですぐに読みたい場合は、電子書籍で即買いしてもいいと思いますよ。
トウシルー目次で、自分の投資スタイルやレベル感と合うものを探すということですね。最近は電子書籍でも目次部分は立ち読みできる場合が多いので、必見ですね。
失敗しないオススメ本、教えて!
トウシルーそれにしても、投資関連本は多すぎます(笑)。何を読んでいいのか、本当に分からない…という方も多いと思うので、タザキさんに選んでもらいたいのですが…。
タザキさんーはい! ただ、僕はもういろんな本を読み過ぎているので、特に初心者の方は、僕がオススメしていても、自分に合わないと思った本は、遠慮なく却下してください。僕の正解は皆さんの正解とイコールではないはずなので(笑)。
トウシルータザキさんの書籍『お金の名著200冊を読破してわかった!投資の正解』のタイトルの「投資の正解」は、「投資の正解=それぞれによって異なる」という意味なんですね。
タザキさんーそうですね。これまで読んできたさまざまな書籍のエッセンスを詰め込んだ一冊で、書籍名がたくさん本の中に出てくるため、ピンときた本をぜひ購入候補に入れてほしいのですが、やはり究極は、「自分に合った投資スタイルに沿って、自分に合う本を自分で考えて選ぶ」に行きつくと思います。
また、僕は、株で負けないためには、「自分の[株を買いたい]という心理をいかにコントロールするか」が大事だと思っています。僕も以前は、20株以上保有して、毎日株価をチェックして売り買いを検討して……と定点観測に明け暮れていました。ただ、メンテナンスに疲れてしまって、今は本当に保有していたい銘柄を五つくらいしか持っていません。
でも、それは僕のスタイルです。たくさんの銘柄を動かしてバランスをとるやり方が合っているという人もたくさんいると思います。それを踏まえて、以下の書籍も、自分に合う合わないというフィルターをかけて見ていってください!
投資を始める前の人におススメ本
タザキさんー『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』『会計の神さまが教えてくれたお金のルール』『となりの億万長者』の3冊をお薦めします。
『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』は、まず内容がカンタンで読みやすい。また、どこもかしこもつみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)を進めている中、積み立てのデメリットなどについてもしっかり触れているので、最初の一歩を迷っている方には指針になるはずです。
YouTubeの視聴者の中には、「40代です。貯金も1,000万円以上持っているんだけど、何に投資していいか分からないから銀行に寝かせています」という方もいらっしゃるんです。そんな方が今から積み立てというのもちょっと違う。そういう方が、いざ、投資を始める前に読むといいと思います。
『会計の神さまが教えてくれたお金のルール』は小説ジャンル。突然「会計の神様」が降りてきて、収入・無駄遣い・住宅ローン・投資・副業などなど、お金にまつわるさまざまなノウハウを教えてくれるという内容で、読みやすく面白く、気づきがたくさんあります。
『となりの億万長者』は、著者が1万人以上の億万長者にインタビューとアンケートを実施して、億万長者とはどんな人々なのか、どんな行動をしているのかを調査。本物の億万長者の日常の暮らしぶりから、学ぶべき「7つの法則」が書かれていて、自分の安易な行動を見直すきっかけになる良著です。
投資を始めたばかりの初心者におススメ本
タザキさんー『敗者のゲーム 8版』と、『貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』をお薦めします。『敗者のゲーム』は、1版から8版まであるのですが、8版が秀逸で、明らかに充実度が上がっています。
1版をもう読んだよ、という方もぜひ8版を読んでみるといいと思います。大事なことだな、と思うことがぐんと増えて書かれています。
『貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』は、マンガですが、初心者向けと侮るなかれ。著者の大河内薫さんは税理士なのですが、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)にも、税理士らしく突っ込んだ内容で書いています。
「iDeCoの始め方」はあちこちで丁寧に解説されていますが、実際、受け取るときのほうが大事です。一時金、年金、どっちで受け取るのがオトクなのか、節税の仕組みとは、などなど、税理士だからこそ書ける内容がしっかり解説されています。
投資をしているが、なかなか勝てない人におススメ本
タザキさんー『マーケットの魔術師 エッセンシャル版 投資で勝つ23の教え』、『勝つ投資 負けない投資』を挙げます。
『マーケットの魔術師 エッセンシャル版 投資で勝つ23の教え』は、シリーズがいろいろあるのですが、エッセンシャル版がオススメです。
投資の魔術師といわれるスーパー投資家も、ファンダメンタルのプロ、チャートのプロなど、さまざまなスタンスがあるのですが、真逆の投資スタンスで、両方とも利益を大きく上げている、という事例がよく分かります。投資の流派はいろいろあっても、どちらかが正しくてどちらかが誤っている、というわけではなく、どちらも正解。
同じく『勝つ投資 負けない投資』も、自分の性格に合う投資スタイルを見つけるのがいかに大事か、ということがよく分かる一冊。
あの有名な投資家cisさんは、以前、長期投資家だったのですが、うまくいかなくて短期トレードに転換したら勝ち続けて億り人になりましたが、どんなに才能やセンスがあっても、投資スタイルが違うと勝てない場合もある、という典型例ですよね。
今自分が勝てない人は、グロースからバリューへ、短期から長期へ、など投資スタイルを変えることを再考できる一冊です。
NISA、iDeCo関連のおススメ本
タザキさんーiDeCoについては『一番やさしい!一番くわしい!個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門』はいかがでしょう? 著者の竹川美奈子さんはどの本も本当に分かりやすいので、著者買いできる、期待を裏切らない著者さんです。
NISAについては『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』がオススメです。NISAは制度的にはとても良いのに仕組みが複雑すぎて、なかなか理解が進まないと思います。つみたてNISAで何を選んでよいか分からない!という人向けに、厳選9本を徹底解説してくれています。
タザキさんの「人生を変えた珠玉の3冊」
タザキさんー『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識』『ウォール街のランダム・ウォーカー』『図解でわかる ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて』です。
『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識』は、繰り返し読んだ回数で言えば、一番多いかもしれない一冊です。前には気づかなかった気づきがあったり、今こそ読むべきだと思えることに出会えるなど、何度読んでも新しい発見があり、何度も読みたい、スルメ本です。
名著中の名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』は、インデックス投資がもてはやされているが、将来、総インデックス化した場合何が起こるのか、未来の不安についても踏み込んで書いてある。インデックス信者が読んでおくべき一冊です。
『図解でわかる ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて』の著者、田渕直也さんは、僕の大好きな著者で「著者買い」している人の一人です。ちょっとアカデミックな本ですね。経済学の教授が投資の勝利者ではありませんよね?
投資は、金融理論だけでは勝てない、アートの要素が多いと僕は思っていて、その、アートとサイエンスのバランス感がよく理解できる本で、とてもお気に入りです。
また、ココで挙げた3冊は、僕の志向に寄っていて内容もやや難しく、分厚く長い本が多いので、もう2冊、読みやすくて人生観が変わる本を挙げるとすると、『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』と、『亜玖夢博士の経済入門』です。
前も言いましたが、僕は、投資=心理学だと思っていて、この『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』の「マインドセット」という言葉に引かれて読みました。
これは破産した大富豪と10億円もの資産を築いた地味な清掃員の人生が描いてあり、初心者でもストーリーを読みやすい良著です。人生観が変わる一冊なので、投資を始める前にぜひ読んでおくとよいと思います。
『亜玖夢博士の経済入門』は、僕が初心者だったころ、人に薦められて面白かった本で、ジャンルとしては小説。作者は橘 玲(たちばなあきら)さん。新宿・歌舞伎町裏の亜玖夢(あくむ)博士が、「地獄を見た」相談者の相談に応えるという内容。経済学をベースにした内容で、一話一理論まとまっていて、自然と知識が身についたという、思い入れの強い一冊です。
読んだ本の内容が身につく方法、教えて!
トウシルー書籍はもちろん、Webの記事、Twitter、YouTubeなど、投資に関する情報源って今、本当にたくさんあるのですが、それを見たり読んだりして「おお! なるほど!」と思っても、すぐ忘れてしまったり、なかなか実践するまで身につかなかったりすることが多いのですが、どうしたら、知りえた情報が身につくようになるんでしょうか?
タザキさんー確かに、時間がたてば大事なことが頭から抜けてしまったり、分かっていても実践できなかったりするのが人間ですよね。僕はYouTubeとは別に「読書ノート」をつけていて、読んだ本の内容やビビッと刺さった文章をA4のノートに書き写しています。今14冊目で、追記できるように余白をとって書いてあります。
本自体も読みなおすこともあるんですが、手っ取り早いのはこの「読書ノート」を読み返すことですね。ここで忘れていたことを思い出したり、「この本をもう一度読んでみよう」と思うなど、自分なりに大事なことをアウトプットするといいかもしれません。
また、僕のYouTubeも、あれは半分、自分のための読書備忘録です(笑)。どの本を読んだか、どんな内容だったか、それで何を学んだか、YouTubeで発信することで、単に本を読んだだけの状態より身につくし、本を読む時間がなかなか取れない読者も喜んでくれる。
僕のYouTubeを見て、「この本なら読んでもいいな」「この本は自分には難しすぎるな」という指針にしてくれればいいと思います。
また、YouTubeには、「再生リスト」という機能があり、私のチャンネルのホーム画面にリストを載せています。
特におすすめの本は、「書評ー初級編」「書評ー中級編」「書評ー上級編」「書評ー名著シリーズ」「書評ー成長株」「書評ーバリュー投資」「書評ー売買タイミング」などの再生リストに入れています。これらを参考にして、自分に合う本や知りたいことが書いてある本を探してみてはいかがでしょうか。
トウシルー本日はありがとうございました!
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