今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは134.25円
↓下値メドは132.20円
米国:米家計バランスシートが急速に悪化、1年前に比べてカードローン7%増
中国発インフレ:ブラード連銀総裁「中国のゼロコロナ放棄でインフレ上昇するリスク」
フランス:マクロン大統領の年金改革、国民の66%が反対。65歳以上は賛成多数
米雇用統計:需要が緩やかになっても、多くの企業はレイオフに慎重
便乗値上げ:現在のインフレは企業の利益拡大が引き起している。牛乳の値段は上がっているが酪農家の収益は減っている
市況
週明けのFX市場ではドルが上昇した。ドル上昇の理由は2つ。まず、先週金曜日(4月7日)に発表された3月の米雇用統計が堅調な結果だったこと。5月FOMCの利上げがほぼ確実になり、同時に年内の利下げ確率が低下した。これを受けて米国債利回りが上昇し、ドル買いが進んだ。
もうひとつは、日銀の植田和男新総裁がこの日就任会見で、YCC(イールドカーブ・コントロール)政策の当面維持など総じてハト派姿勢を示したこと。安心感と失望感が入り混じるなかで円売りが進んだ。
今週は米国の重要な経済指標が発表される。12日に3月のCPI(消費者物価指数)、14日に3月の小売売上高、16日に4月のミシガン大学消費者信頼感指数だ。これらの経済データはインフレや景気の強さを示すもので、先週の米雇用統計をきっかけにしたドル高にさらに弾みがつく可能性もある。
4月10日(月曜)のドル/円は「円安」。
1日のレンジは131.84円から133.87円。値幅は2.04円。
2023年71営業日目は132.14円からスタート。安値は 東京時間朝に一時131円を割り131.84円まで下げて安値をつけたが円高の動きは限定的だった。
先週の良好な雇用統計を受けたドル買いと、植田日銀新総裁のハト派的就任記者会見後の円売りで、夜遅くに133円を超えて上昇、133.87円まで円安に動いた。その後も133円台を維持したまま、終値は133.61円(前日比+1.42円)。
今朝のチャート形状
ドル/円チャートは、中期「中立」だが、短期は「上昇」を示す。
レジスタンス:
133.87円(04/10)
135.11円(03/15)
136.99円(03/10)
サポート:
131.84円(04/10)
131.46円(04/07)
130.77円(04/06)
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
才能は拡張できないが、縮小を防ぐことはできる
Forever Young
BLS(米労働省労働統計局)が4月7日に発表した3月の雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)が23.6万人増えて、予想(24.0万人)とほぼ一致した。ヘルスケアやレジャー部門をはじめとした広範囲の業種で雇用が旺盛で、引き続き堅調な結果となった。
失業率は3.5%で、前月より0.1ポイント低下。米国の雇用市場は、働きたい人がほぼ全員仕事に就くことができる「完全雇用」に達したといわれる。平均労働賃金は前月比+0.3%、前年比+4.2%。
雇用統計より前に発表されたJOLTS(雇用動態調査)求人件数やADP雇用データ、そして新規失業保険申請件数などがいずれも弱い内容で、今回の雇用統計も予想を下回るのではないかと危ぶまれていた。ところがふたを開けてみるとNFPは予想とほぼ一致、失業率や平均労働賃金は予想以上で、雇用市場の相変わらず強さをアピールする結果だった。
FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ上昇の大きな原因として雇用市場の過熱を指摘するなかで、3月も非農業部門雇用者数は昨年の月平均の20万人増を超えただけではなく、パウエルFRB議長が目指す「月10万人程度」の2倍以上になった。
FRBは来月のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合で「予想通り」利上げをするとの見方が強まり、金利市場のFOMCの5月利上げ予想確率は70%まで上昇している。これを受けFX市場では全般的なドル買いが起きた。金利上昇は一般的に株式市場とってはマイナス材料。しかし今のマーケットの関心の中心はインフレから、リセッションに切り替わっているため、「利上げをしなくてはいけない」から、「利上げができる」という理由で株式市場は上昇した。
もっとも、FRBが懸念するのは賃金の急騰であって、雇用の増加ではない。今回の雇用統計が示す「雇用が増えて賃金が下がる」状況は、米国経済がハードランディング(景気後退)を回避して、ソフトランディング(景気減速)に向かっているサインであり、株式市場にとっても良い事だという解釈になっているようだ。
なお、3月の雇用統計の詳しい解説は、詳細レポート「「人口ピラミッドの呪い」か? いくら利上げしても雇用市場の過熱が止まらない!」をお読みください。
今週の注目経済指標
注目テクニカルレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)
タイムゾーン 分析
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