今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは130.10

下値メドは127.20


FRB:ブレイナード理事退任へ。米国家経済会議(NEC)次期委員長に
円:次期日銀総裁有力候補でタカ派の中曽氏、APEC委員会へ転出
ECB:追加利上げを示唆。「インフレが自然に消滅することはない」
インフレ:インフレはサイクル的なもの、構造変化が原因ではない - サマーズ元財務長官
フランス:年金改革で受給年齢を62歳から65歳に引き上げ
チェコ:チェコ中銀が国民に支出を抑えるように呼びかけ。需要続くなら追加利上げを警告
カナダ:12月の雇用が大幅増加。米雇用市場の100万人増に相当

 この日、ECB(欧州中央銀行)とBOE(イングランド銀行)は今年最初の会合を開き、 0.50%の利上げを決定した。両中央銀行が揃って「インフレは峠を越した」との認識を示したことでユーロとポンドが売られた。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)に続いて、ECBとBOEも、利上げサイクルの終了が間近であることを匂わせた。一方、日本は本格的インフレも日銀の金融引き締めも、これから。円高もこれからが本番か。

 2月2日(木曜)のドル/円は「円高」。
 1日のレンジは128.08円から129.13円。値幅は1.05円。 

 2023年24営業日目は128.89円からスタート。東京時間夕方に129円台にのせ、129.13円まで上昇して高値をつける。しかし上値は重く、129円台定着はできなかった。高値が130円より低かったのは1月19日以来初めて。

 ECB、BOEの会合を過ぎ、夜遅くには128.08円まで下落して安値をつけたが、その後戻して終値は128.72円(前日比▲0.21円)。3営業日連続の前日比円高は1月2日以来。

レジスタンス:
129.13円(02/02)
129.95円(200時間移動平均)
130.41円(02/01)

サポート:
128.08円(02/02)
127.75円(01/19)
127.57円(01/18)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 FRBは、失業率を過去最低水準の3.5%前後に維持しながら、インフレ率を2%まで下げようとしているが、それはあまりに「楽観的」すぎるかもしれない。インフレ率を短期間で2.0%まで押し下げるような「劇薬」を経済に投与し続ければ、失業率は7.0%を超えて悪化するリスクが高まる。

 失業率がたとえ上昇しても一時的で、「すぐに元通りに下がる」とFRBは予想する。FRBは1年半前、インフレは「一過性」なので利上げは必要ないと言っていた。

「インフレが下がり、景気(失業率)も悪化しない」のは理想だ。しかし、現実的には「インフレは下がるが、景気(失業率)は悪化する」ことになるだろう。それでも「インフレがさらに上がって、景気(失業率)も悪化する」という最悪のケースに比べたらまだ良い。

「ボラティリティのボラティリティ」の高いマーケットでは、状況が急激に変化する。例えば、中国の経済再開が本格化してエネルギー価格が急騰すれば、世界的インフレが再発するかもしれない。あるいは新型コロナ変異株が世界を襲うこともありえる。最初のシナリオに固執するのではなく、柔軟(フレキシブル)に対応することが必要だ。

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主要指標 終値

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今日の為替ウォーキング

今日の一言

宝くじは愚者に課せられた税金である

Everybody Have Fun Tonight

 BLS(米労働省労働統計局)が1月6日に発表した12月の雇用統計では、ヘルスケアやサービス部門の雇用が引き続き堅調で、NFP(非農業部門雇用者数)は、22.3万人増となった。

 2022年1年間の就業者は、合計すると480万人、月平均にすると40.0万人増えたことになる。しかし、2021年の670万人(月平均56.2万人)と比較すると、雇用の伸びは鈍化している。

 12月の失業率は3.7%で、前月から1ポイント低下。2022年3月以降の失業率は、3.5%から3.7%の狭い範囲で推移している。平均労働賃金は、前月比0.3%上昇、前年比では4.6%上昇。

 1月雇用統計の詳細については「こんなに求人あるなんて…すごいな! 米雇用市場」をご覧ください。

12月雇用統計レビュー

「堅調な雇用と、賃金上昇の減速。」前回12月の結果をまとめるとこうなる。インフレ抑制のためには雇用市場を冷やさなくてはいけないと考えるFRB(米連邦準備制度理事会)は、求人倍率が1.0倍以下、あるいは毎月の雇用増は10万人以下が数カ月以上継続するような状況を望んでいる。しかし12月のNFP(非農業部門雇用者数)は、20万人を超える伸びとなった。FRBの仕事はまだ道半ばであり、今後も利上げが必要なことを示している。

 一方で、平均労働賃金の上昇率(前年比)は2022年3月の5.6%をピークに緩やかに下落を続け、12月は4.6%だった。直近3カ月の上昇率は平均4.8%に減速。インフレ高止まりの大きな原因と指摘される労働賃金が目立って下げたことは、FRBとっては良いニュースとなった。

今週の 注目経済指標

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今日の重要ブレークアウトレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)

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