今日は、10万円以下、5万円以下など投資に必要な金額、その他いろいろな条件を指定して優待銘柄をスクリーニングする方法を解説します。

 米国利上げ・台湾有事リスクなどに対する警戒感から世界の株式市場は不安定な動きが続いていますが、私は割安な日本株に時間分散しながら投資していくことが、中長期の資産形成に寄与すると考えています。株主優待を切り口にして、投資銘柄を選ぶのも良いと思っています。

 7月11日の本欄で、中長期の投資対象として2月・8月優待の人気トップ銘柄イオン(8267)の買い推奨をしています。他にも、割安な株価水準に低下してきていると考えられる優待銘柄はあります。それを、みなさまが自分でスクリーニングして探す方法を解説します。

 その前に、優待投資の良い面と悪い面について簡単にお話しさせてください。

優待投資の良い面と、悪い面

株主優待とは

 日本には、「株主優待」という世界でも珍しい制度があります。上場企業が、株主に感謝して贈り物をする制度です。株主への利益還元は、本来は配当金で行うものです。ところが、日本の個人株主の一部に、お金(配当金)をもらう以上に贈り物を喜ぶ傾向があることから、日本には、積極的に株主優待を実施している会社が多数あります。

株価を見ない?優待投資家

「株主優待」目当てで株を保有する投資家には、いい意味でも悪い意味でも、短期的な株価変動を見ない傾向があります。

「いい意味で…」とは、「結果的に落ち着いて長期投資ができる」ことを言っています。魅力的な優待を提供している小売り・サービス業には、安定的に業績を成長させ、株価が大きく上昇したものも多数あります。

 毎日、株価を見て一喜一憂していると、株価が少し上がると売りたくなり、逆に、悪い材料が出て下がってきても売りたくなります。長期的な株価上昇を取るには、短期的な値動きは見ない方がいいこともあります。

重大な悪材料が出て、株価が大きく下がる場合は「売り」

 優待投資家は、一時的に業績が悪化して、株価が下がっても、あわてて売らない傾向があります。それは、長期投資家としての良い面です。

 ただし、悪い意味でも、株価を見ない傾向があります。重大な悪材料が出て、株価が大きく下がる銘柄は一度、売った方が良いと思います。

 2010年1月に会社更生法を申請した日本航空(JAL)株には、株主優待券(航空運賃の50%割引券)目当ての個人投資家がたくさんいました。財務や業績に重大な問題が発生し株価が大きく下落していましたが、優待目当ての投資家は売らずに持ったままでした。問題をかかえて株価が急落する銘柄は、一度、売るべきです。

「重大な問題をかかえているかいないか判断できない」方は、自分でルールを決めて下がり続ける銘柄を売るようにしましょう。例えば、「買ってから株価が20%以上、下がったら売る」のように決めましょう。それが、結果的に重大な問題をかかえて下げ続ける銘柄を持ち続けないためのリスク管理となります。

優待廃止あるいは優待内容を大幅にカットする企業は「売り」

 優待投資家は、業績は見ないでも、優待内容の変更はよく見ています。優待廃止や、優待内容を大幅にカットする場合は、売ることが多いと聞いています。業績や財務が悪化したために優待をカットする企業は、売るべきと思います。

自分で魅力的な優待銘柄を探すには、まず、楽天証券の「株主優待検索」を開く

 まず、以下の方法で、楽天証券ホームページ上にある「株主優待検索」の画面を開いてください。

パソコンからログインしないまま「株主優待検索」を使う場合

 楽天証券のHPに入り、「国内株式」、続いて「株主優待」をクリックしてください。

 続いて、以下の「株主優待検索」をクリックしてください。

パソコンからログインして使う場合

 ログイン後の画面から、以下の通り、国内株式→株主優待とクリックしてください。

 すると、上記のように、画面の下に「株主優待検索」が表れます。ここから、「検索条件を指定」に、好みの絞り込み(スクリーニング)条件を入れて、銘柄を絞り込んでいきます。開いたばかりで、まだ何も絞り込み条件が入っていませんので、最初は優待を実施している全銘柄が出ています。上の画面を見るとわかる通り、2022年8月17日時点で、1,448銘柄あります。

 絞り込みで出てきた銘柄の並び順ですが、最初は「権利付き最終日の近い順」に並んでいます。ぜひ、試していただきたいのは、これを「人気順」に変えることです。楽天証券の口座で保有している株主数の多い順に「人気がある優待銘柄」とみなし、保有者の多い順に「人気順」として並べます。

 人気トップは、オリックス(8591)です。ただし、オリックスは既に、株主優待制度を2024年3月までで廃止すると発表しています。今期(2023年3月期)末と来期(2024年3月期)末の株主は、株主優待を受ける権利が得られますが、それで最後となります。再来期(2025年3月期)以降は、株主優待は実施されません。

 人気上位銘柄を見ると、どういう優待銘柄が個人投資家に人気があるかわかるので、参考にしていただくと良いと思います。ただ、人気上位銘柄に、時に優待内容はさほど人気がないのに、他の理由で個人投資家の保有株主数が多くなっている銘柄があがることもあります。

 例えば配当利回りが高くて人気だが、優待内容はさほど人気でない銘柄が出てくることもあります。一部例外を除けば、おおむね優待人気が高い銘柄が出ています。

スマホから、楽天証券HPに入って使う場合

 左上の「メニュー」をクリックし、メニュー画面を出してください。そこで「国内株式」を選択してください。「国内株式メニュー」で画面を下へスクロールしていくと、「株主優待検索」が出てきます。そこをクリックして使ってください。

いろいろな絞り込み条件

 それでは「株主優待検索」を使って、いろいろな絞り込みを実際にやってみましょう。パソコン画面を例にご説明します。スマホでもほぼ同様の検索ができます。

 パソコン画面で、検索したい条件を左側に入力すると、検索結果が右側に表示されます。例えば、「9月に優待の権利が得られる」「10万円以下で買える」株を検索すると、8月17日時点で以下の通り、109銘柄が出てきます。

 他にも、おもしろい検索条件を追加できます。自分の好みに合わせて、いろいろなスクリーニングをやってみてください。

 次に、5万円くらいの優待銘柄がないか調べる方法を解説します。以下の画面から投資に必要な金額を指定して絞り込むことができます。

 上限なしの右にあるマークをクリックすると、選択可能な金額のメニューが出てきます。

 投資金額の上限を、5万円・10万円・15万円・20万円…などに変更して、絞り込むことができます。

 また、権利確定月を指定することも、できます。下は、9月・10月・11月・12月を指定している画面です。

 優待内容を指定して、検索することもできます。飲食券や食料・飲料品は、人気優待の定番です。それだけ指定して、検索することも可能です。私がここで注目しているのは、「継続保有特典」ありの銘柄です。長期に保有していると、受け取ることが可能な優待が増えていくようにしている銘柄が出てきます。

 他にも、追加で、いろいろ条件指定が可能です。実際に試してみてください。

 なお、株主優待内容は、予告なしに変更・廃止されることがあります。常に、最新の情報を確認するようにしてください。

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2022年5月12日:オリックスが優待廃止へ。日本の株主優待制度に何が起きている?