塩漬け株に悩む個人投資家が急増
筆者のもとには、多くの個人投資家からの相談が寄せられます。最近特に増えているのが、「塩漬け株があって困っている」というものです。
特に昨年の秋以降顕著になった成長株の株価下落により、塩漬け株をつくってしまった個人投資家が非常に多いです。成長株は上昇するときに派手に上がりますが、下落するときも急激に下がりますので、適切な時期に損切りをすることができないと、気付いたら多額の含み損を抱えた塩漬け株が出来上がってしまっています。
本コラムでは以前にも、塩漬け株の実践的な対処法についてお伝えしたことがあります。今回はその点も踏まえつつ、塩漬け株へのストレスから少しでも楽になってもらえるよう、処方箋をご紹介していきたいと思います。
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どうなれば気持ちが楽になるかを考える
塩漬け株に苦しんでいる個人投資家の多くは、塩漬け株の存在が大きなストレスになっていますし、人によってはパニックに近い精神状態になっていることもあります。
でも、株式投資において、精神の安定は何よりも大事です。精神が乱れていると、誤った投資判断や投資行動を起こす可能性が高まってしまうからです。
ですから、どうなれば気持ちが楽になるのかを考えてみてください。根本的な問題として、塩漬け株が存在することがストレスやパニックの原因であるのは明らかですから、塩漬け株を減らすことが実効性の高い方法なのではないかと筆者は思っています。
すでに存在する塩漬け株はどうするのか?
では具体的に、すでに存在している塩漬け株についてどうすればよいのでしょうか? もし含み損が買値の20%以内といったレベルであれば、思い切って損切りしてすっきりするのも一つです。
含み損が買値の20%ということは、裏を返せば損切りをすれば買値の80%はキャッシュが手に入るということです。
もしそのまま保有を続けていればさらに株価が下落して含み損が膨らんでしまうかもしれません。そう思うことがストレスにつながってしまいますから、キャッシュが手に入るという事実をプラスにとらえることが重要です。
含み損が買値の50%前後に達している場合、「まだ下がって損失が拡大するかもしれない」「でも損切りした途端に株価が急速に戻るかもしれない」という葛藤により、思い切った決断ができなくなっています。また、損切りによる実現損も大きくなってしまうので、損切りにちゅうちょしてしまう方が多いです。
そんな時に筆者であれば「とりあえず半分だけ売る」ことをアドバイスします。半分売れば、もしさらに株価が下がっても「半分は売っておいたから損失が少なく済んだ」と思えますし、株価が大きく反発しても「半分は残しておいたから株価上昇の恩恵が受けられる」と思うことができるからです。
厳しいことを申し上げれば、含み損が買値の50%に達している時点で、適切な対処ができない状況に陥っています。
ですから、ここは多少割り切って、どちらに転んでも大きな痛手にならないような措置を行うのがよいのではないでしょうか。
つくったものは仕方ない。これからつくらないようにしよう!
塩漬け株に困っている個人投資家に、筆者は「過去には戻れないので、もうすでに塩漬け株になっているものは仕方ない。これから塩漬け株をつくらないようにしましょう!」と声をかけることが多いです。
確かに塩漬け株に困っているのは事実でしょう。でも、塩漬け株をつくってしまうことが個人投資家が失敗する大きな原因だと気付くことができただけでも大きな収穫です。
もしこれに気付かなければ、これからの将来も、何度も塩漬け株をつくってしまい、いつまでも株式投資で成功できずに過ごしていたかもしれないからです。
ですから、塩漬け株をつくってはいけないのだ、と気が付くことができたご自身をぜひ誉めてあげていただきたいと思います。
その上で、過去のことはどうにもできませんから、とにかく「これからは塩漬け株をつくらないようにする」ことを心に誓って行動を改めるようにしてください。
塩漬け株をつくらないようにするためには、損切りを適時に行うこと、これに尽きます。それに加え、例えば株価が短期間に急騰しているテーマ株に飛び乗ってしまうなど、リスクの高い行動を控えることも必要です。
塩漬け株に悩んでいる方は、これを機会に塩漬け株をつくらないことを強く意識した投資スタイルに変えてみてはいかがでしょうか。株価下落時のストレスをなくすことができますし、投資成績も大きく改善するはずです。
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